【地元遊び】丼。

夜勤バイト終わりに。

僕の友人はこういった。

「今から丼やろ。」

まるで前にもやったことあるかのように言う。

この丼という遊び、ルールとしては、

・まず、どんぶりを用意
・そこにご飯をよそう。
・のせる具材はスマホアプリのスクラッチによって決める

というものだった

「丼の具はもう買ってんで。」

そういって見せてくれた。

「これはあたりやねん」

中には煮物やチキンスティックなど。

そうはいうがその他は

焼肉味のチップス、カルパス、ビックカツ、キャベツ太郎など。

あ、当たりか？笑

「こっちがハズレ」

わたがし。クリームパン。ぶどうのシロップ。ラムネ。

いや、マジでハズレやん。

「ご飯は？」

「イボが１０合炊いてくる」

このイボというのは、友達のあだ名だ。

いぼ、イボ、異母、揖保、なんでもいい。

別にイボがあったわけでもないが、由来は他の友達との喧嘩の時に、言い合いで

「いぼ！」

と言われたかららしい。

あほ！ぼけ！カス！みたいなノリで

いぼ！

といったのだろう。

「行かへんわ笑　そんなハズレいややし。」

「でもハズレ引かんかったらええねんで。全部当たり引けばええねん」

ふざけた理論だ。

「漢やったら来なあかんで」

僕らの中では男ではなく、漢字の漢でおとこ。

「漢か。」

というわけで開催。

「ビックカツ当てて帰るからな。」

「うわーマジで青汁だけは嫌や。前クリームパン丼やってクソまずかったしそれも嫌やな」

「じゃあなんで買った！」

「ハズレんかったらええねん」

「そうやな。」

「買ってる時は楽しかったけど、これハズレひきたないなー」

全員で僕合わせて5人で、１人が遅れてくるらしい。

来やんかったらよかった。

目の前に広がる”具”を見て思った。

ならなんで来たんだよ！

漢だから。

もあるが、普通に面白そうなことだからやろうと思った笑

さっそく米を盛り付け、スマホアプリを起動する。

これは、スクラッチになっていて、あらかじめ登録した言葉がランダムで現れるというもの。

一人目から削っていく。

結果は

ラムネ
ピーナッツバター
ビックカツ
ベビースター

なんと、宣言通りにビックカツを引いたのだ！

これには驚いた。

「これでいつでも帰れるわ笑」

後者二つはまだ味があり、ご飯ともあう。

しかし前者二つの甘い系はエグかった。

味見させてもらったが、もはや丼ではない。分離しきっている。

ビックカツはカツ丼感があるが、

これは

ラムネと米

でしかない。

その後もスクラッチし、

クリームパン
キャベツ太郎
カルパス
ぶどうシロップ

と、ここでハズレ第二位が引かれた！

ぶどうシロップ。

もう、米が。紫に。

しかも開発者もまさか丼にこのぶどうシロップを使うなんて考えてないだろうから

すごく不自然。切り口を破って米にぶどうシロップかける様。

もう、過激なYouTuberかよ。

YouTuberといえば、この前ハンバーガー10個頼んで行った奴がいた。

でも予約してハンバーガー50個チーズバーガー50個の時には敵わんが。

そして、あたりと思っていたキャベツ太郎。こいつがなかなかきついらしい。

「別々で食べたいー」

「あかんで、丼やで」

そう。丼。

別々ではいけない。ちゃんと丼にして食べねばならない。

それが、ルール。

それが、漢。

またクリームパンはチョコとカスタードの二種だったので、

半分にし、残ったカスタードは再度、スクラッチに含めることに。

そしてどんどん引いていく。

ねりあめ
チキンスティック
チップス
マシュマロ
よっちゃんいか
チロルチョコ
わたがし
...

流石にきつくなってきたので、

煮物を"漬物制度"を設けようと声をあげた。

これは、一人2回まで、丼に漬物として、煮物を食べていいというルールだ。

そう、ルール作る奴が強い。

僕はそれを実践した。

オリンピックの柔道もそうだ。

日本人が強くて勝ち続けるから、日本が不利になるルールを追加していく。

ゲームバランスのように。

スマブラ、メタナイトの弱体化のように。

と、そこに遅れて一人やってきた。

早速引いてくれ。

「なんやなんや、まだルールも何も知らんぞ？何もわからんのやけど」

そんなことはお構いなしにやらせる。

スクラッチ。

浮かび上がる文字は、

青汁

「うおおおおおおおお！！！！！！！」

「初手でいきなりでたーーーー！！」

「これで外れなくなったぞおおおおお！！」

「お前ら何をそんなに喜んでんねん」

彼はまだこの置かれた現状に気づいていない。

そして、渡されたどんぶりと、紙パックに入った青汁を渡され、

薄々気づき始める。

丼のルール説明。

青汁丼。

見た目はお茶漬けのようじゃないか。

僕らはそれを見て、

「いいなー。はずれちゃうやん」

いや、はずれである。明らかに。

青汁とご飯だぞ？

変な丼を食べ過ぎて、おかしくなっている。

「うっわ、マッズ」

彼は食べる。

目をつぶり、イメージする

「何かこれ、自分を騙して食べられへんかな」

「あ、よく見たらそれ、抹茶と細かくした白玉ちゃう？」

「あ！ナイス！それめっちゃいい！」

「違うで、米と青汁やで。」

「いうな。」

今思えば、最初のビックカツがどれほど美味かったか。

それにお腹も次第に膨れてくる。

皆、満腹になり、手が止まる。

「終わろか。腹一杯や。」

「俺も。もう飲み物も入れへん。」

「それな。」

こうして最強の企画はここで終止符を打った。

とにかく、一番ひきたくなかった、

”添加物で味付けしたような駄菓子屋のヨーグルト”

は引かなくてよかった。

本来、僕は参加する予定ではなかったし、他でもう一人来る予定だった。

そのもう一人は断った。

そいつはこの企画者の一人だったのにだ。

ちなみにそいつが”いぼ”と名付けた奴だ。

ちなみに、もともとダウンタウンらがテレビで似た企画をやっていたらしく、それを見て、やろう！となったらしい。

そこでのあたりにはカレーライスがあったり。

でもハズレには小麦粉とか。

とはいえ彼らはお金もらってやってる。

俺たちゃお金払ってやってる。

何やってんだ笑

以上、地元のノリ。丼でした。

ここまで読んでくれたあなただけに、
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