朝から面白いニュースが飛び込んできましたね。
皆さんどのように受け止めておりますでしょうか。
ネット界隈では「栄枯盛衰」「金持ち自慢の因果応報」なんてひどいワードも飛び交っておりますが。
正しい情報、受け取り方はどうなんでしょうか。
「数字はうそをつかない!」なんてドラマのセリフもあったようななかったような、勉強したばかりの分野なので少し考察してみようと思います。簿記かじった人なら、見たことあるような話ですよね。
まずは日経新聞より引用。「ヤフーがTOB実施、発行済み株式の50.1%買い付け、買収額は最大で4,007億円」とのこと。
4,007億円ってどこからでてきたの?と疑問を持った方。こう調べます。
↓ZOZO IR資料 2018年度通期決算
時価総額=株価×発行済み株式数
=(9/12終値)¥2,457×(通期決算より)311.6百万株
=765,601百万円(7,656億円)市場が判断する企業の価値を指します。
TOBってのは株式公開買い付けのことで、「いまZOZOの株持ってる人ー。わたくしヤフーが2,620円で買い取るから手上げてー」って制度です。
50.1%を取得するので、311.6百万株の半分、155.8百万株です。
ヤフーが買収に際して負担する額=\2,620×155.8百万株=408,196百万円(4,081億円)
あれ、少し合わないな。まあ、肌感覚でやってます、すみません。こうやって計算します、てことだけお示しさせてください。
企業買収はこのような手続きで行われます。が、大事なのはここからです。
ZOZOの貸借対照表を見ると、純資産額が22,656百万円(2,265億円)です。負債が56,304百万円、総資産額が78,961百万円です。
総資産78,961百万円の50%、39,480百万円を408,196百万円で買うのだから、一見、ちょっとプレミアム付けて買う程度のまともな買収に思えます。
ただZOZOは純資産の比率(自己資本比率)が28.7%と高くはない数値です。それだけ負債が多い(利益を生むための負債かもしれないけれど)。
ヤフーにとっては負債もまるっと抱え込むので下手すると大損です。「リスクをとったな」という印象です。ヤフーにとってはZOZOのビジネスモデルがそれだけ魅力的だった、より伸ばせる、4,000億円の投資で何倍もの利益を生み出せる、と考えたのでしょう。
そしてZOZOからすれば「高く売りぬいたな」という印象です。取締役衆が多くの株式を保有している点からも、企業価値を最大限に高めて高値で企業に売却する、という経営者冥利に尽きるビジネスの成功と言えます。
結論としては、この企業買収は成功か否かは今、結論付けることは出来ません。ここまで読んでくれたのにすみません。
というか、すべての企業買収はその時点で成否がわかりません。
ただひとつ言えるのは、ZOZO取締役衆が多額のキャッシュを手にしたこと、そして彼らにとってみれば、そのキャッシュを元手とすれば新たなビジネスを興し成功することは容易であるということです。なぜなら一度成功しているから。
ヤフーが大企業となった今、ヤフーは拡大を続けなければ存続していくことは出来ません。ネットを生業とする企業であるにもかかわらず、機敏な動きが出来なくなる可能性を含むのは、少しリスクな気がします。
まあ孫さんなので、次の手は既にあるのでしょう。
ビジネスの世界は楽しいですね。自分もいつか、いち経営者として、飛び込んでみたい世界です。
お読みいただきありがとうございました。あくまで私見ですので、分析が誤っている事もあります。またZOZOを利用したことがないので、企業としての魅力とか前澤さんの魅力とか、よくわかってません。気を悪くされた方がおりましたら、ご容赦願います。
それではまた!