クリプトスペルズというゲームをはじめて約一週間が経過した。記事を書くとレアガードが貰えるかもしれないとのことで、書いてみることにした。まず、このクリプトスペルズというゲームだが、今はやりつつあるブロックチェーンゲームの一種である。ブロックチェーンゲームとは、仮想通貨の基盤技術であるブロックチェーンを利用したゲームのことである。
内容はカード型対戦ゲーム、マジック・ザ・ギャザリングに似た感じのゲームで、それをネット上で行うイメージである。
ところで、私は元来、飽き性で熱しやすく冷めやすいタイプで、某有名RPGのスマホゲームも一ヶ月程、歩き回ってメタル系モンスターを狩ってレベルを上げたが、ある程度のところまで行くと、無課金では超えられない壁を感じ、途端に冷めてしまった。それに、この手のゲームは、どんなにがんばってもサービスが終了すれば、全ては無に帰すという虚しさもある。
それと比較し、ブロックチェーンゲームは、ゲームデータの一部を資産として保有することで、例えサービスが終了しても別ゲームでその資産を活かすことができるし、売却することで仮想通貨に変換することもできる。このデジタル上の資産のことをNFT(Non-Fungible Token)といい、実際にクリプトスペルズではゲーム内でカードを売買できる他、仮想通貨取引所のコインチェックでも売買を行うこともできる。発行枚数が少ないものや、強力なカードでは円換算で数十万円になるカードも存在する。
また、コインチェックでは現在、2種類のゲームのNFTの売買が可能であり、クリプトスペルズの他に、The Sandbox(ザ・サンドボックス)というゲームの土地(LAND)の売買が可能となっている。このゲームはマインクラフトに近い感じのゲームでゲーム内で土地を所有・レンタルし、建物を建てたり、アイテムを作ったりすることかできるらしい。
このThe Sandbox(ザ・サンドボックス)の土地だが、いくらかと言うと、0.65ETH(イーサリアム)から販売している。現時点(2021年4月10日)で日本円に換算すと約15万円もする。それでも、4月5日にコインチェックがサイト上で販売した土地が販売開始から約8分で完売、販売開始時刻から順次出品した全ての土地が出品から3秒以内に購入されたとのこと。
私自身、数年前ならゲームの中の土地に価値なんかあるのかと思ったが、ここ数年の流れをみれば、この状況にも驚きはない。すでに上記、某有名RPGの会社もNFTへの参入を発表しているし、アイドルやアーティストも自分の作品や画像なんかをNFT化して売り出している。さらにスポーツ業界ではNBAが参入、トレーディングカードのデジタル版みたいなことをやろうとしている。スパースターのスーパープレー映像や名場面を個人が所有できるのだ。最近では、ツイッター社CEOのジャック・ドーシーが自身の初めてのツイートのNFTトークンを約290万ドル(約3億1700万円)で売却した。おそらく、この流れは数年後にはもっと大きくなるだろう。
例えば、先程の某有名RPG上で土地を売り出したら、どうだろう。15万円どころか、100万円、1000万円でも買い手はつくだろう。1億円でも売れるかもしれない。それから、世界に1本しかない伝説の剣を売り出したら、どうなるか。その剣がないと、攻略困難なモンスターがいて、重要なアイテムをドロップするとしたら、いくらになるか。仮に1億円の値がついて、1日1万円でレンタルすることができたら、単純計算で1年間で365万円、年利3.65%だから、株として考えたら、なかなかの配当になる。こんな風に考え始めると、ゲーム内の土地を買って城や屋敷を建てて、人(プレイヤー)を住まわせてもいい、ゲーム内で大家をやるわけだ。しかも、ゲーム内通貨でやりとりすれば多少の手数料は取られても固定資産税や不動産取得税は取られない(広まれば法整備されると思うが)。現実世界で起こりうる様々なリスク、例えば家賃の未収リスク、事故物件化、老朽化、火災、天災、これらもネット世界では基本的に無縁だ。
今後、法整備が進めばゲーム内通貨を仮想通貨に変換する時に税金が取られるようになるかもしれないが、現実世界でもっと仮想通貨が使えるようになるとゲームの世界の収入だけで生活できる日がくるかもしれない。実際、ビックカメラでは、数年前からビットコイン決済が可能になっている。
また、例え1億円の剣や、1千万円の土地が買えなくても、助っ人や、クエスト、アイテム収集、精製の代理等、ゲーム世界で他のプレイヤーから仕事を請け負って収入を得ることが可能となるかもしれない。また、自分自身は、戦士としてレベルをあげたが、回復役が欲しいというような場合、僧侶を募集して一緒に強敵と戦ってもらう、あるいは、自分がゲームをしていない時間にAI操作でレベルを上げたキャラを貸し出すこともできるだろう。個人的には、ゲームの世界で刀鍛冶をやって、正宗や虎徹のような名工と呼ばれる存在になってみたい。こんな風に色々と妄想してみたが、想像できるということは、大概のことは実現できるのが現代のゲームだ。
ゲームメーカーも、ただ単にゲームソフトを作って売るよりも、ゲーム世界で土地やアイテムを売った方がはるかに儲かるし、上述したようにプレイヤーにとってもサービス終了で努力が無に帰す可能性がなくなるのであれば、ブロックチェーンゲーム化の流れは急速に進むのではないかと思う。ゲームとブロックチェーン技術が合わさることで現実世界とゲーム世界、その境界はもはやないに等しい時代がもうそこまで来ている。