これの続きです
余分な歯を抜きます(抜かないやり方もありますが、私の場合物理的に顎面積と歯の大きさ的に無理でしたから、虫歯も含め抜きました)
歯の間に器具がはまるようにゴムを詰めて空間を作る作業をします
上記のようにゴムをねじ込みます。
奥歯に物が詰まったような、という言葉がありますが非常に不快です。
歯を動かす初手の初手ですから痛みに慣れておらず、最初かなり戸惑いました。
A先生は矯正だけに関しては腕が良いのでここは任せるしかありません。(因みにこの後A先生から仕事を受け継いだC先生からは「こんな短期間でここまで揃えられたんですか!?」と言われたのでかなり凄い先生なんだな、と思っていました)←伏線
寝る前もズキズキと痛みます。
矯正を始めたらもっと凄いことになるのだろう、この痛みは生まれ変わるための痛みなのだ。と思いつつ普通に寝落ちしました。
<朝>
まさか一晩で歯が動いたのか!?素直すぎるだろ!?いや、私の痛み耐性が物凄いのか??全く訳がわかりませんでしたが快適に一週間過ごしました。
予定ではこの日からいよいよ本格的に矯正器具を付ける予定です!
しかし私には自信がありました。すぐに私は痛みに慣れれるのだから平気です。
A先生「はーいじゃあゴム取ります〜お疲れ様でした!痛かったでしょ」
私「いや、何か一晩で痛みに慣れましたよ!」
A先生「本当!?皆結構泣き言言うのに
先生が明らかに挙動不審になりました。
めちゃくちゃ「え?なんで?」とか呟くの辞めて下さい。
A先生「あの…ゴムに何かした?」
私「え?な、何もしてないですけど…」
なんと私の歯ぎしりにより、本来人の噛み切る力では噛み切れないであろうゴムが全て断裂していたそうです。凄いな私の顎の力。
因みにこの歯ぎしりは後々とんでもないことを引き起こしますが、歯列矯正には関係ないので今回は記載しません。
先生も初めてのケースで困っていましたが仕方がないので何か二重にするだか何だかで無理やり歯間を開けることになりました(本来は起こらないので安心して下さい)
んで、何とかソケットが付いて色々ありましたが矯正は進み、A先生とのお別れの日になりました。
A先生とは色々ありました。
眼鏡は相変わらず変わっていきましたし、私は歯磨きを真面目にしない(と言うか凄い雑だった)ので何度も何度も先生に
と怒られましたがそれも良い思い出です。(絶対歯は磨いて下さい)
こうして私はA先生からの紹介状を手に私は関東から関西へ歯列矯正の治療の場所を変えました。新担当はC先生です。
因みに最初に書いていた「矯正反対派の父」は何と全く矯正していることに気付きませんでした。いやめっちゃ目立つやろこの↓矯正器具!!
C先生は従兄弟Dの嫁Eさんのお父さんです。
C,D,E全員歯科医です。
スタート時の歯の写真や、途中でどんな器具でどんな風に処置をしたかなど細かくA先生が申し送りをして下さっており、3人が私の口を見ながら次々と声を発しました
「え?この歯並びを一年半(虫歯治療してたからそれくらいしか矯正出来なかった)でここまで動かしたんか!?」
「同じ器具使ってるから土台はそのままで行けそうやけど…」
皆から伝わってくる空気。わかる、わかるぞ。
って恐怖感。
こんな従兄弟でゴメンな、D…
因みにC先生は矯正代金は親戚だからいりませんと言われました。
いやいや、そりゃまずいでしょ…と言うことで毎回甘味を持って行きました。
後でEさんに聞いたところ、
「父は頂いたケーキを食べながら阪神戦見てます」
とのことでした。(C先生は下戸らしく、甘いものが大好きだったそうです)
で、また色々あり、遂に器具を外す日が来ました。
途中色々ありました。本当に色々ありましたがあんまり覚えてません。
もう何年も口の中にあった異物がなくなる瞬間は流石に緊張しました。
四人が祈るような気持ちで器具を外した結果、私の歯は
でした。
そこから歯科医師三名によるカンファレンスが始まりました。
元々私の処置中からC先生は私のよだれがめっちゃ出ることには気付いていたそうです。もうよく出るというか
って感じでドッパドッパ出ていたそうです。確かにめっちゃ吸われてたけど。
恐らく元々虫歯が多かったのは乱杭歯による物理的な問題で、私の口腔環境は実は
だったようです。
私の秘められた能力が明らかになった瞬間でした。
確かに矯正後ほぼ虫歯にはなっていません。
その後定期検診にDのクリニックに通っていますが、歯科衛生士さんに
と褒められていますが、適当に電動ブラシでガーッと磨いて終了です…
そんなこんなでご機嫌な矯正生活でしたが(苦労した記憶があまりない)、
私はとても重大なことを忘れていました。
いや、忘れようとしていた…?
人は記憶を自分の都合の良いように改ざんする生き物なのだから…
不意に電話が鳴りました
相手はA先生でした
A先生「久しぶり、その後どうですか?」
私「おかげさまで器具も取れまして…」
嫌な予感がします
心のどこかが騒つくような
A先生「そうか〜良かった。あのさ、確認なんだけど…」
やめて下さい先生、言わないで下さい…
そうなんですよね、何か一回も請求されねえな??と思ってたんですよ
卒業式でもドキドキしてたなぁ〜ハハハ
バレたか〜〜そうか〜〜〜〜
A先生「いやー元気にしてるかなーってカルテ見てたらさ、お金もらったって記載どこにも書いてなくって〜」
私「へへへ、言われなきゃ持って行かないですよ(ゲス顔)」
A先生「しかも結構他にも未収の人がいてね〜」
私は当直室に何故かよく置いてあるウシジマくんを読んでいたので、借金の恐ろしさは十分わかっていました。
借りる時はペコペコしてるのに、返す時は…
私「で、幾らですかね…」
A先生「思ってたより処置が多くなっちゃったから100万くらいなんだけど…
A先生は静かに語り出しました。
「ほら、色々あったでしょ?
患者さんなのに相談とか愚痴とか聞いてもらってたからさ、
だからこそ『どうしてるんだろうなぁ』ってカルテを見たんだよね。
じゃなかったら未収に気付かなかったし。
どうせ僕はここの大学病院の勤務医だからさ、
これ回収してもしなくてもお給料に何の影響もないんだよね。
だからBJくんのは僕見つけられなかったことにしようと思って!」
まるで卒業式のような荘厳さである
A先生は静かに電話を切った
BJが無意識のうちにとっていたのは「最敬礼」の姿であった
涙は流さなかったが、無言の男の詩があった
奇妙な友情があった
A先生…ありがとうございます…
先生のお陰で乱杭歯も治りました
苦しめられていた智歯(親知らず)ともお別れが出来ました
でも先生、一つだけ教えて下さい
そこだけ虫歯になりまして、(イトコD曰く「智歯はまぁまぁ脆いからこうなると思ってたけど何でコレ残したんや…?」と。知らんがな)私はそこだけ今金歯です
*歯列矯正にかかった年月
→3年ちょい
*それに伴って私が抜いた歯の数
→8本(犬歯の後ろ4本、智歯3本、智歯の前の臼歯を上記理由にて一本抜歯)
*歯列矯正にかかった費用
→最初の抜歯や虫歯の治療:1.5万円位?
→月一回の処置代五百円くらい×一年半=3.6万位
→関西では月一でホールケーキ一個分(大体1500円)×一年=1.8万円
こう書き出してみたら物凄い安いわ。(正規の値段じゃないから余計です)
因みに矯正器具が外れた後は夜寝てる間にマウスピースみたいなのはめて、歯が動かないように維持せねばなりませんが普通に私はその器具を紛失。
今は「え?それで矯正やったの?」と言われるような感じの
になりました。
今はホワイトニングに興味があります。
以上終わり。
長々お疲れ様でした。
金歯とその後の歯ぎしり&ナイトガードの話もありますがこれにて!
どっとはらい