ティール組織の本を読み、感銘を受けた人は多いはず。これからの時代のバイブルになる!と多くの人が感じている。しかし、著者も認めているように、具現化がとても難しく感じる。この難しく感じることを見える化していかないと前に進まない。いったい何が難しいのであろうか?
1.飛躍し過ぎているため、イメージが湧かない
2.本当にこのメンバーで実現化出きるのかわからない
3.新たに新ティール組織を自社内に部分集合的に立ち上げても上手くいかないので、結局は1から会社を立ち上げないといけない?
大きく分けるとこの3つに集約されそうだ。一つずつ見てみる。
1.飛躍し過ぎているため、イメージが湧かない
飛躍し過ぎていると、やはり感じる理由がある。それは、仕事という定義そのものからくるのであろう。つまり、仕事というのは、労働に対する対価であり、労働基準法に定められた通りに、規則を守って働くことが、労使共に求められる。一方、ティール組織はというと、危機にはみんなで、賃金カットを受け入れたり、逆に残業を自ら買って出たりする。一人の知識で、今の残業時間が36協定をオーバーしないかを計算しつつ、また安全衛生の法律を守りながら、外の各種法律を守りながら、労働するのが、負荷が大き過ぎる‼だからこそ、総務課のような、各種の管理をしてくれる部署が必要になり、やはり組織図ができあがる。組織図がない組織のイメージが湧かないのである。
やはり、実際にティール組織に入ってみないと、頭でっかちには、理解できない!?
まだ、今の組織が多元型にいて、さあ進化型を目指すぞ、というなら理解できる。順応型から、進化型に、いきなり組織が飛躍できるのか?これが飛躍と感じる理由である。結局は、順応型➡達成型➡多元型➡進化型と順番に何年もかけて階段を登らねばならないのであろうか?いや、これではラルー氏が言うように、組織を○○型と決めつけているやり方になる。決めつけてしまうと、どうしても上記のような順応型→達成型と順番に行かねばならないという発想になるのだが、そうではなくて、さまざまなパラダイムがひとつの組織内にもあると考えればよい。つまりは、それぞれのパラダイムごとに自分の組織がどのような型をとっているのか、分析して、ひとつずつ上をめざせば良い。具体的には、”採用”というパラダイムを見た時、
・達成型→ 訓練を受けた人事スタッフが面接
・進化型→ 一緒に働く社員が面接
というように、採用なら現在でも進化型のパラダイムだからこれを維持しよう!という具合である。
2.本当にこのメンバーで実現化出きるのかわからない
たとえば、癇癪を起こしまくる女性、パワハラまがいの部長、やる気ない新卒、こんなメンバーが集まる組織が、いきなりティール組織になれるのか?どう考えても難しい。。では、素晴らしくやる気に溢れ、モチベーションの高い社員のみで構成された組織が世の中に幾つあるだろう?恐らく1%未満であろう。では、99%の組織はやはりティール組織は夢のまた夢なのか?希望を込めて、ノー、と言いたい。つまり、夢ではないということだ。
では、どうしたら?
これは世界トップクラスの電力会社AESがそうしているように、正善説を信じればよい!人間はもともと善であるため、その環境下に置かれれば、やがては善の部分が現れて、馴染めるようになる!という具合である。ただし、馴染める人、馴染めない人、のように差がでる。これは何故なのか?その理由は、個人の発達課題と呼ばれるものに原因があるのだが、ここでは記載は割愛する。個人の発達課題については、発達心理学のページを参照願う。
とはいえ、簡単にいうと、個人の発達課題で、第4段に課題が残っている人は、Lv4の順応型の組織に馴染みやすい。第5段に課題が残っている人は、Lv5の達成型の組織に馴染みやすい。第1段~6段までの課題をクリアしていて、第7段の発達課題(エリクソンは”伝承”という課題を提唱)に取り組んでいる人は、Lv7の進化型の組織に馴染みやすい。第1段~7段までもすでにクリアしている人は、Lv8の続・進化型組織に馴染みやすい、ということである。
それゆえ、採用プロセスでは、この個人の発達課題が第6段までクリアできているか、それとも残っているのかを、確認していくことになるのであろう。
3.新たに新ティール組織を自社内に部分集合的に立ち上げても上手くいかないので、結局は1から会社を立ち上げないといけない?
これに関しては、ラルー氏も言うように、一部署でやったとしても、やがては孤立するだけで、上手くいかないであろう。ではどうすれば?そう、一部署でやるのではなく、一パラダイムごとにやっていくのである!つまりは、パラダイムを一つずつ分析していき、そのパラダイムごとに自分の組織がどの型なのかを理解し、そのパラダイムを進化型に近づけていくというやり方であれば、今すぐできる!”今できるパラダイムから取り掛かる!”これそこが、ティール組織実現に近づく第一歩といえる。