NY株式市場で2021年1月、経営危機に直面している米国のゲーム小売会社GameStopの株価が大暴騰した。2020年12月末に18.84ドルだった同社の株価は、2021年1月末に325.00ドルまで上昇し、わずか一ヶ月間で約1,625%も急伸した。
同社のビジネスモデルは世間から時代遅れと言われ、ウォール街のヘッジファンドからは空売りを仕掛けられていた。それにもかかわらず、何故このような大暴騰が起きたのだろうか。
本稿は、GameStopの創業から現在までの沿革を辿り、株価暴騰の背景を探ったものになる。
設立:1984年
本社:テキサス州グレープバイン
拠点数:5,509(2020年2月時点)
ティッカー:GME(NYSE)
ゲーム機本体、ゲームソフト、ゲーム関連グッズなどを扱う小売企業。中古ゲームの買取・販売事業も行う。近年は、Eコマースにも力を入れている。ゲーム雑誌「Game informer」の出版元。
1984年
創業当時はBabbage'sという社名で、教育用ソフトの販売を手掛けていた。その後、ゲーム販売事業を展開する。
1994年
Babbage'sは、書店小売チェーン店会社Barnes & Nobleの立ち上げたソフトウェア販売会社Softwareと合併。
1999年
Barnes & Nobleに買収され、Babbage'sは子会社になる。
2000年
親会社Barnes & Nobleがゲーム販売会社Funcoを買収。Babbage'sはFuncoの完全子会社になり、Funcoが改称して「GameStop」となる。
2002年
ニューヨーク証券取引所に上場。
2004年
親会社Barnes & Nobleからスピンオフして、GameStopは独立企業になる。
2005年
ゲーム販売会社Electronics Boutique Gamesを買収。カナダやオーストラリアへ進出する。
2008年
フランスのゲーム販売会社Micromaniaを買収。本格的にヨーロッパへ進出する。
2010年
ゲームのダウンロードコンテンツ(DLC)を導入。
2011年
PCゲームの販売を開始。
2013年
無線機器販売会社Spring MobileとApple製品認定販売会社Simply Mac、及び、携帯電話会社AT&T Wirelessの計3社を買収。スマートフォン・タブレットなどの販売事業に参入。
2015年
ゲーム関連グッズ小売店ThinkGeekを展開する会社Geeknetを買収。
近年の経営状況
買収による事業の拡大・多角化を図るも、売上高は伸び悩む展開が続く。ゲーム機本体でソフトをダウンロード購入する消費者の増加や無料オンラインゲームへ傾斜する消費者が増加しており、時代に合わなくなった小売りモデルが同社の収益を圧迫している。これに伴い、店舗数も減少傾向にある。2017年3月に発売した任天堂の家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の販売が一時好調だったものの、「PS4」と「Xbox One」の販売が落ち込み、2018年あたりからは弱い決算内容が続く。株価は2015年後半から2020年後半まで右肩下がりで推移。近年は経営不振が社内外で問題視されている。
2019年4月15日
George Sherman氏をCEOに任命。
2019年6月5日
配当の一時停止を発表し、株価は急落。
2019年8月20日
経費削減策の一環で、本社スタッフのポジション120人余り分を削減。
2019年8月16日
著名投資家Michael J.Burry氏が率いるヘッジファンドScion Asset ManagementがGameStopの株を3.3%(300万株)保有していることを明らかにする。
2019年11月21日
Spring Mobile事業(AT&Tの携帯電話ブランド小売販売チェーン)を携帯電話販売会社Prime Communicationsに7億ドルで売却するこで合意。
2020年1月14日
年末商戦は既存店の売上高が大幅に落ち込んだことを明らかにし、株価は急落。
2020年3月9日
米任天堂元社長Reginald Fils-Aime氏を取締役に任命。
2020年4月20日
GameStopのインサイダー2名が13万5410ドル分の自社株を購入。そのうちの1名はCEOのGeorge Sherman氏で11万2910ドル分、もう1名はCFOのJim Bell氏で2万2500ドル分を購入。株価は上昇。
2020年10月8日
大手ソフトウェア開発会社Microsoftと提携を結んだと発表。GameStopはMicrosoftのクラウド型ツール「Dynamics 365」を店舗運営などで使えるという。株価は急騰。
2020年11月16日
投資家Ryan Cohen氏がGameStop取締役会に『事業の戦略的見直し』の書簡を送り、ブランドを進化させるための明確な計画を求める。Ryan Cohen氏はGameStopの実質的な株式9.8%を保有する大株主であり、ベンチャーキャピタルRC Venturesを代表して書簡を送った。書簡内容は、GameStopは実店舗を優先するのではなく、顧客にデジタルサービスや商品を提供する"テクノロジー企業"になることに注力してほしいと述べている。
2020年12月10日
株価が大幅下落。既存店売上高が予想以上の減収となったほか、売上高も予想を下回る。一方、オンライン販売は世界的に伸びており、こちらは増収となった。さらに、最大1億ドルの増資計画も発表しており、調達した資金は新商品のラインアップ拡大とオンライン市場でのプレゼンス構築にあてるようだ。
2021年1月11日
ベンチャーキャピタルRC Venturesと契約を締結。Alan Attal氏、Ryan Cohen氏、Jim Grube氏を取締役に任命。株価は上昇。
2020年2月末、新型コロナ・ウイルスのパンデミックを受けて、世界中の金融市場を揺るがした「コロナ・ショック」 が発生。3月16日には、ダウ平均株価は前日比−2,997.10ドル(−12.93%)の20,188.52ドル、NASDAQ総合指数は前日比−970.28ポイント(−12.32%)の6,904.59、S&P500指数は前日比−324.89ポイント(−11.98%)の2,386.13となり、世界恐慌に次ぐ歴史的な大暴落となった。しかし、景気対策として行われた各国の中央銀行による大規模な金融緩和の影響もあり、3月末から6月にかけて株価は上昇、6月にはダウ平均株価は27,000ドル台を回復、NASDAQ総合指数は史上初めて10,000ポイントに達するなどした。さらに、12月にはNY株式主要三指数が揃って史上最高値を更新。2021年1月末の現在(執筆当時)、ダウ平均株価は30,000ドル台、NASDAQ総合指数は13,000ポイント台、S&P500指数は3,700ポイント台の高水準で推移している。
この米株高の牽引役として、米国で人気の投資アプリ「Robinhood(ロビンフッド)」が指摘されている。アプリを運営するRobinhood Marketsは、2013年に設立、手数料ゼロを掲げ、ミレニアル世代を中心に急速に業績を伸ばしているリテール(個人向け)証券会社だ。コロナ禍のなか、自宅で過ごす時間が増え、失業保険や給付金などの余剰資金を金融投資に回す若者が急増したことで、同社の顧客口座数は2015年の75万から2020年上半期には1,300万にもなった。投資アプリRobinhoodから株式市場へ新規参入したアマチュア投資家は「Robinhooder(ロビンフッダー)」と呼ばれ、メディアや金融業界で揶揄されるようになる。
米国版イナゴともいわれるRobinhooderたちは、SNSで活発に投資情報を交換するのが特徴だ。その中心的な場となっているのが、人気投稿サイト「Reddit」である。なかでも、投資コミュニティ(Subreddit)の「r/WallStreetBets」では、350万人を超えるユーザーが投機的な取引アイデアや戦略を日々話し合っており、今最も金融業界で注目されている存在だ。
2020年9月29日、WallStreetBetsにハンドルネーム「Player896」と名乗るユーザーが『Bankrupting Institutional Investors for Dummies, ft GameStop(サルでも分かる機関投資家を破産させる方法 GameStop編)』というタイトルの記事を投稿する。さらに、Player896は自身が投稿したメッセージに、「GameStopの"帳簿は磐石"であり、Ryan Cohen氏が2020年12月までに計7,600万ドルを投じてGameStop株を12.9%(900万株)獲得した。それにも関わらず、多くの機関投資家は当時、GameStop株を大幅に空売りしていた。Ryan Cohen氏は1月11日に、自らがCEOを務めるペット専門ECショップ会社Chewyの元同僚2名(Alan Attal氏とJim Grube氏)とともに、GameStopの取締役会に加わり、株価は50%も高騰した。Ryan Cohen氏が取締役会に加わり、株価が回復し始めた後も、一部のヘッジファンドやその他の機関投資家はGameStop株を空売りし続けた。これは恐らく、大口たちによるアマチュア投資家を力技でねじ伏せ、パニック売りを誘発しようとする試みであった」と、記していた。
2021年1月19日
空売り専門ヘッジファンドCitron ResearchがGameStop株の空売りを推奨する。19日終値は前日比+3.86ドル(10.87%)の39.36ドルとなった。
これを受けて、WallStreetBetsに集まるアマチュア投資家(RedditorsやRobinhooder)は、ウォール街の金融エリートに抵抗するチャンスと見る。Gamestop株に大規模な「ショートスクイーズ」を起こし、空売りしていた機関投資家が慌てて買いに走るよう画策する。
2021年1月20日
20日終値は前日比−0.24ドル(−0.61%)の39.12ドルとなった。
2021年1月21日
21日終値は前日比+3.91ドル(+9.99%)の43.03ドルとなった。
2021年1月22日
22日終値は前日比+21.98ドル(+51.08%)の65.01ドルとなった。
2021年1月25日
株価は一時159ドル近辺まで急伸する場面がみられた。25日終値は前日比+11.78ドル(+18.12%)の76.79ドルとなった。
2021年1月26日
この日、株価が前日比で2倍に値上がりする。著名ベンチャーキャピタリストChamath Palihapitiya氏がGameStop株のコールオプション(買う権利)を買ったとツイートし、株価上昇に弾みをつけた。26日終値は前日比+71.19ドル(+92.71%)の147.98ドルとなった。
時間外取引では、同社に言及するElon Musk氏のツイートを受けて一時+68%の240ドル超となった。
2021年1月27日
驚異的な株価急騰はこの日も衰える気配はない。過去4営業日で株価が3倍あまりに急伸。この日は通常取引開始直後に前日比+140%となる。だが、チャットアプリDiscordがヘイトスピーチを理由にWallStreetBetsのサーバーを停止したと報道。また、RedditのWallStreetBetsがプライベート設定となり外部からは閲覧できなくなる騒動があり、株価は15分間で100ドル近くの大幅下落となる。その後、買い戻されて一時+157%の380.00ドルを付けた。この日は高ボラティリティーのために売買は少なくとも2回停止された。なお、GameStopの時価総額は月初の15倍を超え、200億ドルを突破した。27日終値は前日比+199.53ドル(+134.84%)の347.51ドルとなった。
この日、空売りを手掛けるヘッジファンドMelvin Capitalはポートフォリオを調整した後、GameStop株のショートポジションを解消した。結果、Melvin Capitalは運用資産の53%を失い、大手ヘッジファンドCitadelとPoint27 Asset Managementは、Melvin Capitalに対して27億5000万ドルの緊急援助に乗り出した。Melvin Capitalの運用資産額は年初時点で約125億ドルだったが、援助後は80億ドル余りとなっている。また、事情に詳しい複数の関係者の話しによると、ヘッジファンドD1 Capital Partnersは、業界有数の好成績を昨年残したが、年初から27日までの運用成績が約20%も落ち込んでいるようだ。資産家Steven Cohen氏が率いるPoint27 Asset Managementも、年初来の運用成績がマイナス10〜15%となっている。Maplelane Capitalは、26日までの時点で約33%の損失を出したことが、複数の投資家の話しで分かった。さらに、空売り専門ヘッジファンドCitron Researchの代表Andrew Edward Left氏は同日、YouTubeの動画でショートポジションの大部分を"100%の損失"で買い戻したと明らかにした。
未曾有のショートスクイーズ(踏み上げ)をきっかけに、同じような標的を探す動きも活発化した。この日はアパレル小売り会社EXPRESSや雑貨小売会社Bed Bath & Beyond、映画館チェーン会社AMC Entertainment Holdingsなどの"Meme Stocks(ミーム株)"と呼ばれる銘柄が急伸している。
これを受けて、ホワイトハウスのJen Psaki報道官は、「動きを注視している」と語った。米証券取引委員会(SEC)は、「オプションや株式市場でみられる乱高下を監視している」との声明を公表。公正で秩序ある市場を維持するために関係機関と連携して対応する方針を示した。NASDAQのCEOのAdena Friedman氏はCNBCに出演し、「SNSを注視しており、異常な値動きがあれば取引停止もあり得る」と述べた。なお、米連邦準備理事会(FRB)のJerome Powell議長は連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、個別銘柄や株式市場の1日の動きにはコメントを拒否した。
2021年1月28日
この日、オンライン証券RobinhoodとInteractive Brokersは、GameStop、AMC Entertainment Holdings、American Airlines、Nokia、BlackBerryなどの銘柄の取引を制限したと発表。市場のボラティリティーや情報の周知徹底の必要性を理由に挙げ、このところ急激に値上がりしていたこれら銘柄の取引を制限するとした。また、特定の証券の取引に必要な証拠金も引き上げた。取引を制限された各銘柄はこの日の取引で急落。GameStop株も急落し時価総額は110億ドル近く吹き飛んだ。28日終値は前日比−153.91ドル(−44.29%)の193.60ドルとなった。
Robinhoodによる突然の取引制限は、一般顧客や芸能人、政治家の間で波紋を呼ぶことになる。民主党のAlexandria Ocasio-Cortez下院議員は「ヘッジファンドが自由に取引できる一方で、個人投資家の株式購入を妨げるRobinhoodの決定についてもっと知る必要がある」とツイート。自身が委員を務める下院金融サービス委員会での公聴会開催に支持を表明した。
この意見に対して、各方面から支持するツイートがあった。
Robinhoodへの批判も殺到した。
さらに、Robinhoodへの訴訟の提起が相次ぐ。マサチューセッツ在住の個人投資家Brendon Nelson氏は、28日にニューヨーク連邦地裁に提出した訴状の中で、RobinhoodがGameStop株の取り引きを制限することで、ユーザーのサービス利用を阻止したと主張。同氏はRobinhoodが、「顧客から受けた注文を即時に、かつ完全に履行するためにあらゆる努力をする」ことを定めた米金融業規制機構のガイドラインに違反していると主張しており、集団訴訟に発展させたい考えだ。イリノイ州ネイパービル在住の個人投資家Richard Joseph Gatz氏も、シカゴの連邦地裁に訴訟を提起し、BlackBerryやNokiaなどの取引制限は「個人顧客を犠牲にして機関投資家を保護するものだ」と指摘。自身は「オプション取引で公正な市場価値を得られない」とした上で、「株取引が認められなければ、被告の措置やその取引プラットホームの操作だけで原告が金融上の損失を被る可能性が高い」などと主張した。フロリダ、カリフォルニア、ニュージャージー各州でも別のユーザーが提訴した。ニューヨーク州のLetitia James司法長官は「GameStop株を含めRobinhoodのアプリ上の取引について生じた懸念を承知している。我々はこの問題を精査している」と語った。
RobinhoodのCEOであるVlad Tenev氏は、CNBCのインタビューで、一部の取引制限は「当社と顧客を守るためだ」とし、マーケットメーカーもヘッジファンドも取引制限を指示していなかったと述べた。
なお、Bloombergが28日、関係筋の話として伝えたところによると、Robinhoodは、銀行の信用枠から一部の資金を引き出したようだ。JPMorgan Chase、Goldman Sachs Groupなどから少なくとも数億ドルの資金を引き出したという。同社はブログで、ボラティリティーにより、資本要件や清算機関の預託金に関する義務に影響が出ていると投稿していた。
2021年1月29日
この日、株価が前日比で一時2倍超となる。RobinhoodとInteractive Brokersが一部の取引制限を緩和したことで個人投資家の買いが再び活発化した。だが、RobinhoodはGameStopを含む13銘柄の端株の売買を認めておらず、取引するためにはまとまった資金が必要になる。また、一つの口座で保有できる一銘柄当たりの株式数にも制限を設けており、既存ポジションの積み増しが抑制されている。29日終値は前日比+131.40(+67.87%)の325.00ドルとなった。
なお、金融分析会社S3 Partnersによると、GameStop株の空売り残高は112億ドルとなっており、金額ベースではTeslaとAppleに続き3番目だが、減少しているという。空売り株数は過去7日間で8%減少し5,783万株。また、同社を空売りしている投資家の含み損は、年初から29日朝までで197億5,000万ドルという。
さらにこの日、Citron ResearchのAndrew Edward Left氏は、20年間続けていた「空売りレポート」を今後公開しないとYouTubeの動画で発表。自身で空売りするとともに、個人投資家向けに株価が複数倍になる可能性が高い銘柄の買い推奨に注力していく方針を示す。
また、証券取引委員会(SEC)は29日、特定銘柄の取引を「不当に阻害する」可能性のある行為を調査し、不正行為を注意深く監視していくと発表。「中核となる市場インフラは今週の異常な出来高でも耐性があると実証されているが、株価の極端なボラティリティーは投資家に急速かつ深刻な損失をもたらし、市場の信頼を損なう可能性がある」とした。ホワイトハウスのJen Psaki報道官は同日、SECは米市場の動きを監視・監督する規制当局だとし、SECの判断に従う意向を示した。
2021年1月30日
一連の騒動で個人投資家に標的にされた資産家Steven Cohen氏が、Twitterのアカウントを削除していたことが30日分かった。29日夜のTwitterへの投稿で「当面、休止するつもりだ」とし、「個人的な脅し」に言及していた。同氏が空売り筋の1人だったかどうかは不明である。
2021年1月31日
Robinhoodは、取引制限リストの対象を先週末時点の50銘柄から8銘柄に減らしたことをブログで明らかにした。
新型コロナ・ウイルスの感染者や死者が最も多い米国で、特に経済的な打撃を受けているのが貧困層や人種マイノリティーなどの社会的弱者といわれている。一方、米シンクタンクInstitute for Policy Studies(政策研究所)が発表した"富の不平等"に関する最新の調査『Billionaire Bonanza 2020』によると、2020年3月18日から9月15日までの間に、米国内で長者番付入りしている643人の資産総額が29%増加し、計8,450億ドル(約88兆4600億円)に達したそうだ。コロナ禍でますます格差が広がり、持てる者と持たざる者が浮き彫りになってしまった。Robinhooderは余剰資金を投資へ回しているようだが、その口座残高は決して多くない。昨年のある調査によると、口座残高は一人あたり平均1,000ドル〜5,000ドルといわれている。GameStop株の暴騰で儲けたアマチュア投資家のなかには、学生ローンの返済にあてる者もいたそうだ。この一連の騒動は、金に物を言わすウォール街のエスタブリッシュメントに対して、アマチュア投資家たちが結託して勝負を挑んだ、ある種の階級闘争のようにも思える。