これは、記事を書くネタの無くなったひとりの乞食が、プロモーションカード欲しさにしたためた、自分勝手な妄想である。完全なる二次創作、公式設定ガン無視の駄文である。
題して、「勝手にクリスペ小説~あの感動をもう一度~」
この小説は、一時話題となったクリスペ公式小説の内容を、私がTwitterで得た断片的な情報をもとに独断と偏見でもって勝手に復元したものである。
前の記事で小説について言及してしまったが故に、(あ、次の記事小説っぽいのでいいか。)という雑な思い付きである。
その内容に他意はない、いいねがほしい。これだけである。
そう、蒼炎の崇拝者が欲しい。これだけである。
もっというならエスパーダ。エスパーダの蒼炎の崇拝者が欲しいのである。
そのためにわざわざ、ない頭を絞って、重い筆をとったのである。
何しろネタも時間もない。勘弁してほしい。
したがって、特に以降記される内容を読まずともよいので、とりあえずページ下限までスクロールし、早急に「いいね」だけでも押してもらえないだろうか...
事態は一刻を争う。
諸君らに、たいしたメリットはないが、私にはある。ALISがもらえる。
そうだな...諸君らへのささやかなメリットとしては、私が喜ぶというところか。
いいね1つに付き感謝の正拳突きを行おうと思う。いいねしてくれた誰かを想って……
セイッ‼♡
目覚めたらびっしょりと汗をかいていた......。
動悸がする...。
美しい...人だった...。
遅れて、とてつもない恐怖が襲ってきた。
ぎゅっと目をつぶり、必死に忘れようとするが、その恐ろしいイメージは、忘れようとすればするほど、逆に鮮明なものへと変わっていった...。
色が...褪せていく。
世界の色が...失われていくようだった...。
ゆっくりと色の無い空間に浸食されていく空...海...草...。
飲み込まれた一帯が、セピア調の世界へと変化していく。
彩度の抜け落ちる波から逃げ惑う人々...
その波に捕まった者達は、、魂を抜かれたように、先刻までの自分と同じ行動を繰り返す...機械のように...無感情に...。
まるで、複写され上書きされていくような感覚。
魂を抜かれた人形達があふれていく…
まだ色を失っていない者を見つけては、襲い掛かり、自分と同じく『抜け殻』へと追いやった。色のない者達が増殖し、浸食していく...命の感じられない、魂に飢えた世界へ。
ふと、自分のすぐ足元まで色がないことに気付いた。
急激に重くなる身体、自分が自分でなくなってしまう感覚、心臓の音が早鐘のようにうるさい、しかし、叫んでいるはずの自分の声は聞こえない。
冷たい恐怖が全身を這い上ってくる中で、だんだんと気が遠くなるのを感じた。
その時、ひとりの美しい女性が現れた。
「世界が、偽りに飲み込まれようとしています。5色の魔石を集めて、最果ての魔塔を目指すのです。」
その女性の言葉が耳に届いた瞬間、鉛のように重く冷たかった身体は、温かな多幸感に包まれて、自由を取り戻す...。
「期限が...近づいています...新月が再び消える時、紛い物と化した世界は消滅するでしょう...」
美しく天使のような女性が手を差し伸べる。
その手を取った瞬間、目を覚ましたことを思い出した。
「3日後の正午...誓いの大聖堂へ向かいなさい。」
目が覚めているのに、再びあの女性の声が頭に響いた気がする。
声のおかげで、動悸も恐怖も治まっていた...
…夢?
......一体あの人は誰だったんだろう?
落ち着いたものの、先ほどの夢を思い出そうとするだけで身の毛がよだつ。
しかし、思い出そうとせずとも、あの恐ろしい光景は、寝起きと思えないほどしっかりと鮮明に脳裏に焼き付いてしまっていた。
夢...なのかな…
自分に問いかけてみるも、もちろんその答えは持ち合わせてはいない。
ただ、これまで生きてきた中での、経験が、本能が、ただならぬ事態が起こるであろうことを感じていた。夢の一言で終わらせてしまうわけにはいかない...大きな、胸騒ぎがする。
雨が降る前の匂い...それに似た感覚...ただ、先ほど見た夢は雨とは比べようもない邪悪な厄災だった。とても受け入れられる様なものでは無い。胸の中の不安は、刻一刻と大きく膨らんでいくようだった。
このまま、何もせずにいるわけにはいかない...。
半信半疑…思い過ごしならそれでいい。
このまま何もしないでいたら、きっと後悔するはずだ。
顔を洗い、マントを羽織る。
机の上の食べ残していたパンを急いで口へ放り込む。
3日後の正午に...誓いの大聖堂か...。
つばの広い帽子を被って、手袋に指を通す...そういえば、今が何時なのか確認していなかったことを思い出す。外はまだ薄暗い...。味のしないパンを飲み込みながら、使い古された壁掛け時計へと目をむける。
朝の5時...。
まだ...間に合う...。
腰に差した愛剣の柄をぎゅっと握って、フェンサーは勢いよく家を飛び出した。
東の空が、薄っすらと白み始めていた...。
-----3日後------
なんとか正午までに間に合った。
普通なら5日かかるところを、思い切り走ってきたおかげで無事間に合うことができた。
フェンサーは『誓いの大聖堂』の入り口まで辿り着いたものの、その厳かで神聖な雰囲気に、なかなかその先へ足を踏み出すことができないでいた。
『誓いの大聖堂』、古い魔法と、契約に関する建物だと聞いたことがある。
入って、いいのかな...?
入って、いいはずだ。夢?でこの大聖堂と同じくらい神聖な女性に、「行け」と言われたのだから、わたしにはここに入る資格があるはずだ。
そうだ、きっと神殿の中には、あの天使のような女性が居るに違いない。
それに本来なら5日かかるところ3日でやってきたのだ。それなりに苦労している、ここで中に入らず帰っていいわけがない。
うん、頑張った。わたし...!
満足いくまで一人で胸を張ると、深呼吸をして、ついに足を踏み出す。
「あら、今日もいいお天気ねぇ。」
後ろから、少女の声がした。
えんじ色の髪をした少女、蒼い和装のような姿はとても絢爛で上品だ。異国情緒のようなものを感じる。
大きな袖が。どこか金魚を彷彿とさせる。手には傘を持っている。
おっとりとした喋り方だが、その表情はとても理知的だ。
「あなたも、ここに用事が?」
「あっ、はい、たぶん...そうです。」
「そうなの、うふふ、じゃあ一緒に行きましょ。」
「えっ、あっお願いします!」
少女に連れられて歩く...
中は入口よりもはるかに荘厳で、フェンサーはその雰囲気にたじろいでしまったが、同伴する少女のおかげで、なんとか進むことができた。
大聖堂の雰囲気に吞まれてしまい、隣を歩く少女が一体だれなのかを考える余裕はなかった...。
キョロキョロして落ち着きのないフェンサーとは反対に、えんじ髪の少女は落ち着いて、優雅に堂々と歩みを進めていた。
「ところで、あなたはフェンサーよね??誰に呼ばれてここへ来たのかしら?」
「えっはい、フェンサーです。呼ばれた...というか、命令?」
「あはは、まさか『中立』からも代表がでてくるとはね」
「代表??ちょっとわかりませんけど、とにかく3日前にここに来るように言われたんです」
夢で、と言いかけて、やっぱり言わないことにした。
せっかく一緒に中に入ってくれるのだから、気を疑われるようなことは言わない方がよさそうな気がした。
「いいこと?会場に着いたら黙って席に着くこと。あなたの席は、たぶん一番手前の入り口側の席だわ。それから、誰かに聞かれるまで自分からは口を開かないこと」
「はい、わかりました。」
わかんないけど。
返事を終えたところで、大広間へ着いた。
中央には大きな円卓がある。白い大理石のでつくられており、とても美しい。
置かれている椅子は全部で6脚、空いているのはそのうちの2脚。
すでに4席は誰かが座っていた。
少女の言っていた通り、一番手前の入り口側の椅子は空席だ。
フェンサーは黙ってそこに座ることにした。
えんじ色の少女が席に着くと、隣に座っているエルフの老人から声がかかる。
「これはこれは、シーラ王女、ご無沙汰ですな」
「アルベリッヒ翁もお元気そうでなによりだわ。変わらないわね。この前は1200歳のお誕生日おめでとう」
「ほっほっほ、若き王女様に祝ってもらえるとは、たまには森から出てみるもんじゃな」
えっ、あの人王女様だったの...?
どうりで、綺麗な着物、それに上品なふるまい。
っていうか、あのいい匂いがしそうなおじいさんは1200歳!?
とても1200歳には見えない。スケールが大きすぎて想像もつかないけど、彼にとっては、わたしが生まれてから死ぬまでの時間なんて、瞬きする間の出来事ぐらいに感じるんだろうか...。
この世の英知が全て詰まっていそうなその瞳は、深く穏やかで、目を合わせようものなら、そのまま吸い込まれてしまいそうだった。
ふっくらと二本に結われた豊かで真っ白な口ひげが、キュート...
飛び込みたい...あの髭の中に飛び込みたい...。絶対いい匂いがする。
「おっそーい!どこで油を売ってたのよ!」
反対側の席から、白いローブに身を包んだ少女が声をかける。
蒼い瞳に月光のように美しい髪色、見事な装飾の施された冠をかぶり、背中には白い羽が見える...
天使...様??
「落ち着いて、オク姫、まだ正午は回ってないわよ」
天使様で、お姫様???
フェンサーは混乱した。断片的な情報しか得られていないが、その少ない情報の全てが、聞き捨てならないキーワードに思えるのだ。まるで大砲を散弾で受けているような気分だ。理解が追い付かずに目が回りそうになる中で、自分がとんでもなく場違いな場所にいるのではないかと血の気が引いてきた...
王女と姫が、かしましいやり取りをする中、向かいの席から低く響くような声がした。
「ところで、その女はなんだ?」
向かいの席に目をやってフェンサーはめまいがした。
スケルトン!?
骨が座っている。いや、目の前の骨が身に着けている見事なローブ、大きな杖に怪しく煌めく指輪の数々...目の奥で赤い光が禍々しく揺らいでいる。このメンバーから考えて、彼はリッチだろうと推測する。リッチといえば...冥界の王...。また...王様だ。昔、お母さんに読んでもらったおとぎ話によく登場してきた。
よりよって、リッチがわたしの対面だなんて……。
「私もさっきそこで会ったばかりだけど、たぶん彼女が中立の代表者だわ」
「中立に代表など居るのか?」
「あっ!あなたがフリッカ様の言っていた『案内人』ね。よろしくたのむわよ」
天真爛漫にほほ笑む天使の顔を見て、普通なら気持ちが安らぐはずなのだが、この状況のフェンサーにとってはただ混乱するだけであった。
案内人???何のことだろう?わたしはただ、夢でここに向かえと言われたから来ただけなのに...ますます状況と話の行方がわからなくなる。夢で見た綺麗な女の人はどこなの??
「中立に代表など、聞いたこともないぞ...?」
リッチが訝しげに唸る。
こわい...。
「私だってそうだったわ。でもフリッカ様が言のだから、まちがいないはずよ。」
「ふん、天使風情が偉そうに決めつけおって...」
「なに??フリッカ様を悪く言うわけ!?」
白の姫君と黒の王の間に緊張が走る。
意外にも、その緊張を破ったのは、先ほどからずっと沈黙を守っていた6人目の赤い甲冑の男だった。
ドン!!
ものすごい力で円卓を叩いた音が響き渡る。
「くだらん。こんなところへ呼びつけておいて、さっさと本題を話せ。」
正直、円卓が割れてしまったのではないかと心配した。それほど大きな音だったのだが、大きな円卓はびくともしていなかった。
男は全身を赤い甲冑に身を包んでいる。見るからに戦士という出で立ち。くつろいでいるようで全く隙がない、間違いなく達人だろう。フルプレートの兜の隙間から覗く眼光が赤く光っている。
アブナイ人かも...。
「ふん、まるで猿だな、血の気が多いばかりで知性が感じられん...」
「なんだと...!?」
今度はリッチが赤い甲冑の男を煽りだした。
再び場に緊張感が走る。
かえりたい...。
「いいから、まずは茶でも飲んで落ち着くがよい」
茶?
リッチがそういうと、どこからともなく円卓の各席へティーカップが現れた。
カップからは湯気が立ち上り、紅茶のいい香りがしている。
対面のリッチは優雅にカップを口元に持っていくと、上品にその中身を口へ流し込んだ。
おかしい...。
この骨はどうやって今、紅茶を飲んだの?
口に入った紅茶はいったいどこへ行ってしまったんだろう?
舌もないのに味がわかるのかな?
そもそも声帯もないはずなのに、目の前に居る骨はさっきからどうやって喋っているんだろう?
あれ?そういえば、腱も筋肉もないのにどうやって動いているの?
う~ん...
考えれば考える程、対面の骨はオカシイ。
おそらく...すべては魔法的な力でなんとかなっているのだろう...
リッチとはこういう生き物なのだ。いまはそんな問題、全く重要じゃないはずだ。
うん、納得しよう。
もっといろいろ突っ込むべきところがあるような気もするが、状況が状況なだけに混乱してしまっている。とりあえず、この問題は忘れることにした。目の前円卓、そしてこれから起こるであろう会議?に集中しなければ…
しかし、口に流した紅茶の行き先と、その味わい方の秘密が、どうしても気になって頭から離れなくなるフェンサーだった…。
そして次にここで新たな問題に直面することとなる。
果たして目の前の禍々しい骸骨が出した紅茶を、素直に飲んでよいものか…
なんとなく、嫌だ...。
固まっているフェンサーを見て、横でシーラが紅茶を口に入れる。
「あら、相変わらず美味しいわね。」
「当然だ...」
紅茶の感想を言いつつ、シーラはフェンサーの方へ軽く目配せをしてくれた。
どうやら飲んでも大丈夫そうだ。
ありがとう、王女様...
フェンサーも思い切って紅茶を飲んでみることにする。
手が震える...
...ゴクリ。
うっ、、美味しい??!
思わず頬が緩む。
そんな表情を見てか、リッチはどことなく満足気だ。
そして、問題の赤い甲冑の男だが、
なんとこの男も紅茶を飲んでいた。
それも甲冑を被ったままで。
どうやっているのかわからないが、カップを口元に持って行った瞬間中身は空になっていた。
男はカップを置くと、満足げに一言こぼした
「甘い...な」
先程とは打って変わって和らいだ声に驚いた。
「誉め言葉として受け取っておくぞ...」
「茶菓子はないのか?」
「それはまた...今度だな...」
二ヤリとリッチが笑ったような気がした。
骨と甲冑が互いに目を合わせ(合わせたように見えた)大きく頷いた気がした。
そこにはどこか、わかり合った者同士の、絆のようなものを感じた。
なんだこの人たち...
…あ、人じゃないか...。
骨と甲冑の関係性が掴めない。
「あんたたち、なんだかんだで実は仲良しでしょ。わたしには、すべておみとおしよっ!」
オクが怪訝そうな目で2人を見る。
うん、わたしもそんな気がする。
「しかしのう、フェルトゴルトよ...部屋の中、それも茶を飲む時ぐらい、その甲冑をはずしてもよかろうて」
「本当にそうね、わたし、前からあなたの素顔が気になってたんだけど、ちょっと兜とってみてよ」
アルベリッヒが苦言を呈し、オクが面白そうにそれに乗っかる。
「くだらん...断る。」
「ほう...面白い。だいたい貴様が本当に人間かどうかも怪しいものだ、その兜の下を見せてみてはどうだ?得体の知れないやつとは腹を割って話せんな...。なにやら今日の話は『信頼』が大事らしいじゃないか、なあオク姫よ?」
「ふふん、リッチのくせによくわかってるじゃない」
「くだらんといっているのだ!!!」
再び円卓を激しく叩くフェルトゴルト。
まるで瞬間湯沸かし器。
この人絶対初手で火山を並べる人だ...。
「なんだか雲行きが怪しくなってきたわねぇ。」
シーラがイライラした声で呟いた。
まずい、状況は悪くなる一方だ。
いつの間にか話し合いどころではない、円卓の上には罵声が飛び交っている。
同時多発的に各所で発生するいがみ合いの内容は、断片的にしか聞き取れなかった…。
...500年前の恨み…雨を奪うな...ブタ...悪魔に人権...
...森の縮小...ハゲ...ゴブリンに地位を...海を汚すな...
...死者の臭い...食糧難...ブタ...
…エルフの干物…脳筋ヤンキー…つるぺた…出乳金魚…カルシウム……
このままでは収拾がつかない。
室内には魔力が立ち込め、炎や雷が飛び交い始めていた。
このままでは、流れ弾にあたって絶命しかねない、
3日も走ったのに、そんなのは絶対イヤ。
徒労の末、理不尽な死を遂げる未来が脳裏によぎったフェンサーは、この状況を打破すべく頭に浮かんだ"ある行動"を実行するほかなかった...。
フェンサーは円卓の中央に飛び乗ると、目にも止まらぬ速さで懐から取り出した"あるもの"を6つに切り刻んだ。
大きく息を吸い込み、続いて"ある言葉"を発する。
古のまじない...太古から伝わる呪文...世界のコトバ...
大声で叫んだ。
5人の代表の誰もがフェンサーのこの行動を予測できていなかっため、フェンサーの大きな叫び声を聞き、広間は水を打ったように静まり返った。
各代表の席それぞれに切り分けられたとんかつが並べられている。
サクサクの衣に染み込んだ輝くソース、肉と油とソースの芳ばしい香りが、広間を包みこんだ。
「ほう、娘...これはとんかつというのか」
「うわぁ、いいにおーい」
「どれ、わしも一つ、ここはご相伴に預かろうかのう」
「とっても美味しそうね」
「...興味深い香りだ。じつにそそられる」
5人が一斉にとんかつを口に放り込んだ、
すると突如広間は眩い光に包まれた。
もはや...言葉は、いらなかった...
世界は...とんかつで繋がったのだ。
赤青緑白黒...全てはとんかつに包まれ、とんかつに始まり、とんかつへと還った...。
そこには、憎しみもわだかまりもない...優劣も階級も存在しない...
等しく...とんかつであるだけの世界。
眩い光が収まり、至福の時が終わろうとしていた...
しかし、これは終わりではない。始まりなのだ。新しいとんかつの始まりに過ぎない...。
とんかつを平らげた6人は静かに席を立ち順に去っていく。
まるで何事もなかったかのように...
今日もどこかの世界で、誰かの夢枕に美しき大天使が現れてこう告げるだろう...。
参考記事