はじめに、共にオフ会に参加したクロサワ氏の記事を紹介しておく。内容はほぼ同じだが、わしの主観まみれのごちゃついた記事よりは、こちらの記事の方が客観的で、今回のイベントの流れが正確に記載されているかと思う。
前回のあらすじはこちら
エレベーターの扉が開いた。
受付と思わしき場所に5.6名の人だかり。
とりあえずそこへ向かってみる。
「どうも、受付のしゅーあいすです。」
かっ、カワイイ///
初めてご尊顔を拝謁したしゅーあいすさんはまさにTwitterのアイコンのようでそれはそれは可愛かった。男性であることが残念に思うくら…いや、むしろあれで男性であるということが逆に素晴らしくさえ思えた。
「どうも、ゴリラでーす!!」
かっ、かわいくない…。
合わせてゴリラさんが挨拶する。
ゴリラはゴリラだった。
しかし彼が都会に潜むための仮初の姿であることを知らない会場の方々はやはり面食らっていた。ゴリラさんが"ゴリラ"でなかったことに、困惑する一同、不審な面持ちで、納得のいかない顔をしている受付係や、既に入場を済ませている参加者の方々...不穏な空気が流れるのを感じる。
まずい、イレモノの姿では本人確認が出来ずに入場を認められない恐れがある…
「違うんです!彼は本当にゴリラなんです!!」
すかさず、証人になるべく割って入った。
まずい、ここでゴリラパスを失うと、わしとギャルは門前払いの可能性も否めない、なんとかゴリラを押し通さなければ…!
「え…でもどう見ても人間…」
「まえぷーさんは人間なんかじゃない!!」
「でも…証拠が…」
「まえぷーさん!ほら!」
「ナーフ!!」
「「「おぉお〜〜〜〜!!!」」」
一同から感嘆の声が上がる。
そこからは実にスムーズに受付作業が進んだ。
そして奥の方から優しげなシティーボーイが近づいてくる。
「どうも、ゆらだいです。今日はよろしくお願いします。」
ふぁあんッッ!!ゆらDさん!わし、あなたに会いに来ました!!きょきょきょ今日はよろしくお願いします!!!
簡単な挨拶を済ませるうちに、受付作業で流されていく…またあとで!
とりあえず面通しは済んだ。
ゴリラパスとゆらDパスはやはり強力だった。よかった、わしとギャルの存在は許されたのだ…。
しかし、さらに奥の方のでは、やんごとなきオーラを放つジェントルマン(後にんぺーさんだと気づく)がキレイなギャルズ(正真正銘)達を相手取り場を湧かせていた。都会の大人な、ちょっとラフだけど上品な社交場のような雰囲気…どうみても「ちんちん」とか言える雰囲気では無い…
や、やんごとねぇ…!!
はやくもわしは小便チビりそうだった。
入場から5分も経たずに圧倒されていた。
受付が終わり、名札と入場特典のボードゲームを受け取る。定刻までしばし歓談タイムだ。
とりあえずゴリラと一緒に飲み物を取りに行く。
そこで進行方向になんと小澤社長を発見する。そう、あのおざりんである。
「あ!小澤さんだ!!」
もうウキウキでおざりんへ突撃するゴリラ。いや、ウホウホで突撃したゴリラ!
後から遅れてわしも挨拶をする。
しかし、いったい社長になんと言えばいいんだ?わしのような下賎の者から社長に伝える意見や言葉など持ち合わせていない。
とりあえず、わしはここ1年のクリプトスペルズの思い出を瞬時に振り返ってみる…
わしがゲームを1年プレイして強く感じたこと…
射精…大佐…ぺろぺろ…グラナ…
うっ!!
だめだ!まるでろくな事をしていないッ!!
わしは…わしは……
「クリスペで下ネタばっか言ってごめんなさい。」
「いえいえ!とんでもないです。むしろ言って頂けるだけありがたいです!!」
おっ、おざりんッ!!
聞きましたか皆さん?
社長公認ですよ?
いいですか?クリスペにおいて下ネタは是!!気を遣って自分を抑え込んでいるそこのあなた!!よいのです!解放してもよいのです!!今日我々はここに確固たる人権を得ました!!そう!クリスペの下ネタは!社長公にn……
とりあえず、小便漏らしながら挨拶を済ませた後に、まだ入場者が少ないこのタイミングを利用して会場内を散策することにした。見せてもらうぞGOX!!歌舞伎町に構えるクリプト界隈のアジト!新進気鋭なそのセンスと勢いを!!
もうね、田舎モンまるだしで写真撮った。
アバンギャルディ!入場してすぐ目に入る入り口のネオン管のシャンデリア?みたいな奴で圧倒され、そこから広がるシャレオツな空間に息をのむ。
そして2階のVIPルーム
なんなんここ??ボスがいるとこやん!!
最低でも幹部!!露出の多い女を囲ってタバコ蒸して酒かっくらう所やん!!アンダーグランド酒池肉林!悪い奴らの溜まり場やんこんなん!
ワイルドスピードとかHIGH & LOWとかそういう映画で見たことありますよここ!!
それに配色もシアン、マゼンダ、イエローの色の三原色とか…オシャンティ〜!
天井のあえてダクトや建材を見せていくスタイル、そこにぼうっ浮かぶネオンライト、そして壁は打ちっぱなしのコンクリート…
サイバーでパンクでエロス!!妖しく危なげで秘密めいてる!!
しかし三原色の棚とそこに綺麗に並べられたトロフィーや調度品がシックな雰囲気でパキッと室内を引き締めている!荒々しさと上品さが共存する絶妙なバランス!それを妖しげな雰囲気で包み込む遊び心のある配色と電飾!!
こ、ここはやべぇアソビバだ…どんなヤベェことが行われていても不思議じゃねぇ…
この空間に調和する服装はもう高級スーツかアウトローの2択しかないのではと思わされるほどだった。
うわぁ…ここでモヒカン頭の上裸にジーパン、肩パッドして、シルバージャラジャラつけて墨で威嚇しながらソファーに大股開いて座り込んで、両脇に裸の女を抱えながら舎弟に口に咥えたタバコの火ぃ点けさてぇぇ……
裏社会のボスごっこやってみてぇ…
そんな欲求がとめどなく溢れ出してくるヤバい場所だった。東京にイモータン・ジョーが居るなら間違いなくここを根城にしてる。
そんなこんなで会場のブイブイ具合に圧倒されながら入口まで逃げ帰る。
途中すれ違った会場のスタッフっぽい人もめっちゃアウトローな髪型してるしレスラーみたいなガタイしてて怖かった。絶対ブレイキングダウンに出演してる。
「てめぇ、盗人か?キョロキョロしてんじゃねぇ!」
ってぶっ飛ばされないか怖かった。わしならワンパンで脱糞する自信ある。
そして既に入場済みのNoelさんやコタローさんパキラAIさん等と挨拶を交わす。
はぁ、ビックネームに目眩がするぜ。
やはり皆さんゴリラが人の姿をしていることと、ギャルがおっさんの姿をしていることに納得がいっていないようで、まずはそこの弁明からだった。まったく世話の焼けるゴリラとギャルだ。ナイスだ。
そして立ち話もなんだし、ソファーに陣どる。なにしろもうゴリラが限界だったのだ。散々お預けを食らっていたグラナを賭けたカスタムバトル。このままでは持て余したパワーと抑えきれないバトルへの衝動で会場をメチャクチャにしかねないということで、定刻前に一戦することになった。鼻息荒いゴリラとは対照的に、わしは(ここ、偉い人たちの席じゃないですよね?)とか思いながら恐る恐る腰を下ろした。
そして先程の面子にやんぐさんも加わって、わしとゴリラのバトルが見守られる……
が、わしのオンボロイドの回線がクソすぎて一向にバトル画面のロードが終わらない。そうこうしてるうちに会場内に人がどんどん増えてきた。長いお預けをくらうゴリラ。鼻息で発電できそうだ。グダリながらも、なんとかバトル画面まで辿り着けたわしは、未だ画像データの読み込みが完了していない状態のまま、胸筋をピクつかせ、スマホを握り潰しそうな勢いのゴリラとやむなくバトルする。イラストの読み込みが終了していない…マリガン画面にはカードが透明で何も映らない。手札と盤面に表示されるのカードもコストの表記のみで、なにが起こっているのか全くわからない縛りプレイだった…が、なんとわしはゴリラに勝利した。お預けを食らい過ぎていたゴリラは、どうやらバトルの喜びに頭がフットーしてしまって冷静にプレイできなかったらしい。まいったかゴリラ!!!
ゴリラさんがショックでドンキーコングの↓Bみたいに机をたたき割っていると、定刻となりアナウンスが入る。
社長のおざりんがマイクを持って簡単な挨拶をして、そこから自己紹介をしたい人はマイクを貰って挨拶していくような流れだった。晴れてギルマスに就任したNoelさんや、他にも数々の著名プレーヤーたちが挨拶をしていく。ここでエクシードさんがココアシガレットおじさんだと知った。ココアシガレットを箱でダースぐらい差し入れしてくれたらしい。なんでも彼はココアシガレット愛好家らしく、今回の差し入れも布教目的とのことらしい。エクシードさんと言えば、ブラウン管テレビ頭で、機械のような正確無比なプレイングを行うことから、実はロボットなんじゃないかと疑っていたが、なんてことはない、ココアシガレットおじさんだった。変態である。
(ちなみにTwitterのアイコンを見て勝手にブラウン管テレビだと思い込んでいたが、よく見たら本だった...前提からもうブレブレだった...。)
一通り挨拶が済むと、そのままスタンカップのルールや景品の説明へと移行し、大会開始の流れ。
大会に参加することで、強制的に相手プレーヤーと顔を合わせて挨拶をすることになるので、人見知りには嬉しいイベントだった。1回戦のわしの相手はあの無貌卿のやんぐさんだった。
顔面触手男爵を想像してたけど、ワイルドインテリジェンスアニキな印象を受けた。よかった…少なくとも外見でSAN値を削られることはない...。
いざ対戦となるも、先程のゴリラバトルと同じくわしのオンボロイドの読み込みが終了しない。
仕方がないのでお時間をいただくことに、申し訳ない。やんぐさんはこの隙にいったんトイレで離席。
こわかった、待たせすぎて触手10本にされるかと思った…こわかった。
一向に進まないわしのスマホの読み込み、しかし同じように姿を見せないやんぐ氏、トイレは会場2階…
おそろしい…やんぐ氏はきっと踊り場で会場を見下ろし選別しているのだ...どいつ触手人間にしてやろうかと、素質のある人間、もしくは甚振りがいのある人間を探していたのだろう...おそろしい...。
そして、わしの読み込みが完了するぐらいに帰ってきたやんぐ。満を持してバトル!
圧倒的実力差!巻き返し不可能のリーサル盤面、イタチの最後っ屁ながら投げやりにブロックチェーンマジシャンを召喚するわし。次ターン敗北。普通に惨敗した...。
「ありがとうございました~。」
「ありがとうございました!あの、ズッキーさんブロマジ禁止されてますよ?笑」
「えぇっ!!!??」
なんということだ、あろうことかわしは、あのやんぐ氏相手にレギュレーション違反を犯してしまったのだ!それも張り合いのない試合をしただけでなく、最後の最後で無意味に禁止カードを見せつけるという悪行!
敗けの中の敗け。最低のクソ野郎ムーブである。
「ひぃぃ!ごめんなさいぃぃ!!」
「たまにやっちゃいますよね~~」
笑顔で許してくれるやんぐ氏。
よかった…触手20本にされるかと思った...。
わしの存在に異議あり!されて黒魔術で生贄にされるかと思った...。
やんぐ氏の器のでかさに、ただただ感動した。
初戦敗退したわしはすることもないので、とりあえず話しかけてもよさそうな人かつ名前を知ってる人に挨拶を試みた。
不思議なことに、名札にTwitterのアイコンやハンドルネームが書かれていると、あ!戦ったことある人だ!Twitterのあの人だ!!と安心感と親しみを持てて、意外とお話できたりした。名札効果半端ねぇ!!
礼儀知らずの田舎者のため、いろいろ失礼があったかもしれず、後から振り返って怖くなったりもしたが、とりあえずいろいろお話しできた気がするので満足である。普通に楽しかった。
スタンカップ終了後は国内仮想通貨取引所のZaifの回し者がスピーチしたり、歓談を挟んで次はタッグバトルの大会へ。
これも相方と対戦相手は運営さんが勝手に組んでくれるので、またもや強制ご挨拶タイムになってありがたかった。共に戦うパートナーや、熱戦を繰り広げたライバルたちとの間に自然と友情が育まれる良い大会だと思った。
が、アクシデントでわしの相方は居なかった。居なくなったっというか、エラー的な存在だったのだ。
それにわしのオンボロイドのクソ回線では足を引っ張ることは明白だったので、わしの組は快く初戦敗退を受け入れた。
とりあえず対戦相手のhinata・りーちゃんペアに事情を説明すると「ズッキーさんが二人分になればいいじゃん。」とゴレイヌみたいなことを言われた。そしてりーちゃんは可愛かった。アナウンサーかと思った。正直りーちゃんとお話しできただけでお腹いっぱいだったが、なんとか二人分になってエキシビションマッチをしてもらった。ありがてぇ。
そしてりーちゃんもまたクリスペ界のアイドルプレーヤー。
丁度わしが始めたころに電撃引退を表明してしまったがため、先輩クリスペプラー達の思い出話の中でしか存在を観測できなかった伝説的な存在である。
そういえば入場した時にゴリラさんが
「りーちゃんがいる!あのりーちゃんですよ!!写真撮ってもらお!!」
とかい言ってウホウホでツーショット撮ってもらっていた。
「ズッキーさんも撮った方がいいですよ!!」
と言われたが、わしのスマホには先ほどメイド喫茶で背負いこんだ爆弾が既に眠っているし、これ以上の業は抱えられる気がしないので遠慮しておいた。し、メイドさんでも何でもない普通の女性に「写真撮ってください!」などとズカズカ距離を詰めることなど田舎のおっさんには無理だったのだ。節操のないゴリラさんが羨ましかった。さすがキングコング、群れの頂点に座す雄だからか、社長にもりーちゃんにもまるで尻込みすることのないゴリラさんに畏敬の念を抱いたものである。
そんなシャイでビビりな田舎のおっさんであるわしだったが、なんとこうしてりーちゃんとお話しできたのである。僥倖!大会の組み合わせに感謝!!自然な成り行きで事務的にりーちゃんにお近づきし、その鈴のような声色や薔薇のような笑顔を堪能した。
そしてバトル。
まず最初にhinataさんの緑ボトルデッキと戦った。
hinataさんはピカチュウじゃなかった。けれども想像通りの風体だった。イケてた。わしが女だったら手のひらで100周ぐらい転がされてた。
そしてどうやらhinataさんはもう酒でベロンベロンになっていたらしく、なんと勝利してしまった。
続いてりーちゃんと対戦。
向かい合って「あー」だと「うわー」だの「やばい!」とか言い合いながらキャッキャうふふと対戦した。
やばい、おそらくりーちゃんの半径1m以内滞在時間が10分以上あった。数多い参加者の中で10分もりーちゃんを独占できた男はそう居ないのでは?おそらくわしはりーちゃんの1m以内に居た人ランキングで5本の指に入るだろう…感無量だ。
綺麗な女性とおしゃべりしながらゲームできるなんて、なんて素晴らしいんだ。クリスペ…感謝。
そんなこんなで、りーちゃんを追い込むわし、相手の残りライフは1!
あれ?これ勝ったかも?
え、そしたらわしは2回戦いくんだっけ?ゴレイヌ状態で2回戦出場すんの??うん?
とか思ってたらりーちゃんのフリッカが降臨してあっけなく惨敗した。
うん、楽しかった。
そして、また歓談モードへ移る。
影柳さんは鯨のようにデカいし、motiさんはひたすらニコニコビール飲んでるし、んぺーさんの覇気には失神しそうになるし、フレッシュボーイのpepeさんとエイジさんは笑顔が眩しくて浄化されるかと思った。
ゆらDさんに呼びつけられて、みんなの前でギャルと"ともだちんこ"をさせられたりもした。
「ふーん…イイモン持ってんじゃん。」
と満足げだった。
「「ありがとうございます!!!」」
と平伏しておいた。
ゴリラさんと一緒に壱郎パイセンの緑文明講座を聞いたり、愛犬のぽちさんにほねっこを与えたりした。パイセンは強面なのに声と話し方が超優しくてわしが女だったらホイホイ抱かれていた自信がある。そしてゴリラさんとChuyaさんとの紙カード談義なんかを聞いていたらあっという間にタッグバトルも決勝戦に。
喜ばしいことに、わしを倒したhinata・りーちゃんペアが勝ち残っていた。相手はしゅーあいす・エクシードペアの組み合わせ。
もう全力でわしもりーちゃんを応援した。
「りーちゃんがんばえ~~~!!」
結果は激戦の末、しゅーあいすペアが優勝。
開場からは「しゅーあいすナーフしろ!!」との声が次々に上がった。
もう全力でわしもナーフしろって言った。
「しゅーあいすナーフしろ!!」
ゴリラさんがすごく活き活きとしていたのを鮮明に覚えている。
そしてしばらく姿を消していたギャルは、帰ってくるなり
と、しきりにアピールしてくる。ペアはあの黒糖さんだったようだ。
それはもうイキり散らかして美味そうにビール飲んでタバコ蒸かしてやがった。
「ヨグの使い方知りたい?ねぇ知りたい?」とか絡んできてもう完全にキマッてた。
そうこうしているうちに新カードの情報が発表されて盛り上がる開場。
「3回戦までいきました!」
そう言いながら自慢げにりーちゃんに絡みツーショットを撮っているギャルがいた。
アへ顔ダブルピースで。
さらに新レジェンドの情報等も発表され盛り上がる会場。
気付けばあっという間に閉会の時刻だった。
「3回戦まで行きm...」
語彙が「3回戦まで~」だけとなったギャルを遮り、帰り支度をする一同。
楽しかった。やはりオフ会というよりも、イベントという感じだった。
名札のおかげで声もかけやすく、さらに大会システムのおかげで自然とコミュニケーションがとれる楽しいイベントだった。大満足である。
ようやく3回戦から帰ってきたギャルが、終電までどこかで一杯やりましょうかと提案してくれた。
しかしゴリラさんは奥さんに怒られるからと言って駅へ向かった。ゴリラならばウホウホとビルからビルへ跳んで帰ればよかろうに…都会人振った、それも嫁の尻に敷かれた情けないゴリラである。
帰り道、わしの車を停めた駐車場の位置を説明してみると
ゴリラとギャルがしきりに
「ぎょえぇ!」「ぎょえぇん!」と驚いていた。
なにかと思ったら「新宿御苑」のことだった。
こいつらさかなクンにでもなったのかと心配してたら違った。
へー、あれ、「ギョエン」って読むのか…「ミエン」だと思ってた…。
なんだよギョエンって…汚ぇ響きだなぁ、なんて思いながらも、わしはまたひとつシティーボーイに近づいた喜びを噛み締めた。
道を歩いていれば、客引きの兄ちゃん達に間髪入れずに声を掛けられる。
それらをかわしていると、突然やたらとガタイのいい外国人がぬぅっと現れたりする。
街灯の下に佇むパンクな恰好をした銀髪ピアスの女、高そうなスーツに身を包んで早歩しているホスト...。夜の歌舞伎町は刺激が一杯だ!
そうこうしてるうちに、ゴリラさんとお別れに。
ギャルはせっかくだから終電まで付き合うということで、ゴールデン街で一番最初に目についたとにかくヤバそうな店に一緒に入った。
暗い店内に真赤な電灯。
これ見よがしなアングラ感!頭の悪そうな店名!ロックだぜ!ここに決めた!
ピンク色の髪をした小太りの外国人のねーちゃんがマスターだった。顎にピアス。もちろんノーマスク。いい雰囲気じゃねーかおい…。
ギャルと奥のカウンターに座って乾杯する。
渋谷でハロウィン練り歩いてそうなピンク髪の顎ピアマスターとの間に間仕切りなどはもちろんない。
わしのコーラを作る際、顎ピアマスターが唐突にむせ返る。
おい、いま手で口塞いでたよな?洗えよ?まさか洗わずにわしのコーラ作る気かこいつ!!??
何事もなかったかのように飲み物を作るねーちゃん。そして店内のBGMに合わせてくねくねと踊り出した。
ッ!!??
なんだこれは?精神攻撃か!?
しかもめっちゃ近い!!わしの前で踊るな!そしてこっちを見るな!!
とりあえず、わしはマスターのねーちゃんには目を向けないことにした。
幸いにも他の客が入ってきて、ねーちゃんはそっちの客と談笑していた。
小一時間は語っただろうか、お互いビビり散らかしたオフ会、憧れのクリスペプラー達との邂逅…
興奮冷めやらぬ我々が熱く語り合った末、最後に導き出した結論は
"ちんちんの灯"を絶やしてはいけない
という事だった...。
大切なことだ。
歌舞伎町のGOXで、あれほどの濃密な時間を過ごし、刺激的な体験をしたにもかかわらず、その後わしが酒場でギャルと交わした言葉は「ケァナヴン!!」と「ちんちんの灯」ぐらいしか記憶に残っていない…。
しかし、かけがえのない時間だったことを、なんとなくわしの心の中のちんちんがしっかりと憶えている。
その後、我々は、歌舞伎町の交差点で固く握手を交わした後、互いに振り返ることなく新宿を後にしたのだった……。
その後はパンパンに膨らんだ膀胱を宥めながらトイレを求めてコンビニを彷徨い歩き、都会のコンビニにはことごとくトイレが付いていないという衝撃の事実に絶望し憤りを感じながらも、なんとか住宅地の中に公園を見つけ、そこのトイレで事なきを得る。
トイレに入るときも怖かった。
薬の売人が潜んでいたり、縄張り意識の強いホームレスに威嚇されたり、ゲイの巨漢に連れ込まれたり、婦女暴行の現場に出くわしたりするのではないかとヒヤヒヤしながら小便をした。
そして、公園で飲んだ東京の水は不味かった...。見上げれば星空も見えない。どんよりとした墨色である。
わしは感動した。
あぁ、わしは今、東京にいるのだ。
東京の歌舞伎町でめっちゃイケてるバーでワイワイした後、ゴールデン街のなんかヤバそうなバーでファッキンコロナなコーラを一杯煽って、客引きと外国人の間を縫って辿り着いた公園で盛大に小便をぶち撒けて、クソ不味い水を飲んでやった。
どうだ、東京の下水には、今わしの小便が流れてる...。
とんでもない征服感がわしの中に沸々と湧き上がるのを感じる。
わしは東京を、新宿を、歌舞伎町を征服したのだ!!!はっはぁ!見たか?海老蔵ォ!!わしはカツアゲもされなければボコされる事もなく無事に歌舞伎町の土を踏みしめ!小便で便器を汚し!公園でタダ水飲んで帰ってやるぜ!!なんて痛快なんだ!
足取り軽くわしは駐車場へと帰り、エンジンを吹かす。
さーて、東京も征服したことだし、帰るかぁ!
今出発すると、家に着くのは3時半か...。どうせ朝帰りだ。あと5時間ぐらいどこかで遊ぶ余裕はあるな...。
......
.........まぁ、帰りながら考えるか。
ーーーわしに、一人で東京で時間を潰す度胸はなかったーーー
新宿のメイドカフェ、夜に歩いた歌舞伎町、新大久保。とても面白かった。案内してくれたゴリラさんに感謝。クリスペ抜きで楽しかった。
そしてわしがビビってた歌舞伎町のこのイメージ...
まず会場がイケイケブイブイ、BCGという事でクリプトつながりでゆかりのある会場をお借りしたんであろうが、そのセンス、クリプトの波に乗れているのがすごい。取引所関係の人も顔を出しに来ていた。
景品も協賛も豪華。
そして参加者全員がめいっぱいイベントを楽しんでいた。
60人の大人達を4時間みっちりここまで夢中にさせてしまうゲーム。素晴らしい。大会はとても盛り上がった。スクリーンに映し出された決勝戦をみんなで観戦している時なんかは、カードをドローするたびに「うぉー!」とか、「あぁ~~!!!」とか歓声が上がっていた。年齢も職業も、生い立ちも違う人達が、1つのゲームに魅せられて和気藹々と盛り上れるなんてそうはないはずだ。
これだけの素敵な人に、それなりにお金をつぎ込ませて、こうしてオフラインで60人も集めて熱狂させるなんて、クリスペ半端ねぇな。
この辺は人それぞれ身を置く環境にもよると思うけれど、成人して、就職した後ってなかなか新しい友人ができにくい気がする。価値観も環境も固まった後だと、なかなかそこに新しいものは入り込めないというか、それまでに築いたものに囲まれて、それまでに築いたレールの伸びる方向へ漫然と進んでいきがちな気がするというか...
そういう田舎で小さくまとまってる、鈍くて保守的な中年にとっては、思春期を共に過ごさずにできる友人とは希少で貴重なのだ。
それが得られるクリスペすごし。まったく違う環境に身を置く人間同士が、趣味のゲーム1つを媒介に繋がり共感できるのだから面白い。おそらく価値観も哲学も自分とは大きく違う人達と触れ合い、親しみを持てることがすごい。世界の広がりを感じた。
もちろんゲームで対戦したりTwitterで絡んだりしてる時にもトモダチ感は感じられるけど、あくまでもそれはネットの友達であって、画面の向こう側にいる見えない人間というイメージが拭えず、あまり実感を伴わない気がしていた...。
が、今回のオフ会でこうして顔を合わせて、文字ではなく言葉を交わしてみると親近感が爆上がり、知人、友人としての解像度がいっきに鮮明になったのである。恐るべしオフ会!オフ会参加後では、たとえ画面越しでもお会いした方の人相が浮かぶので、クリスペもTwitterもより楽しくなった。クリスペ仲間としての繋がりが、より確かなものになった実感が持てたのだ。是非皆参加すべきだと思う。
ゴリラさんと訪れたメイドカフェとオムライス、新大久保の景色や雰囲気、イケイケブイブイなGOXで盛り上がるクリスペの熱狂、ギャルと一緒に入ったゴールデン街の怪しいバーとそこでコロナに怯えながら飲んだ不味いコーラ、ホームレスに怯えながら夜の公園でぶちまけた小便を、わしは一生忘れないだろう...。
わしを東京へ連れ出してくれたクリスペに感謝
わしと遊んでくれるクリスペプラーに感謝
クリスペとクリスペを支えているクリスペプラー達に感謝
クリスペ半端ねぇ!!
もう、感動と驚嘆のあまり現地で何度小便を漏らしたか分からない…
衝撃のあまり、夢や幻、脳内で漏らした回数も計上すれば、その数はゆうに100を超えるだろう…
とんでもない体験だった。そう、まさしく……