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クリスペキャンプ【2回目】行ってきた!〜前編〜

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  • Zucky
  • 2023/11/04 11:40

 

前日譚はコチラ

 

 

 

 

というわけで、迎えた当日…。

 

 

わしはシオンさん(以下「組長」とする)を最寄り駅まで迎えに行き、そこから2人でキャンプ場へチェックインして場所を確保する算段となっていた。

 

が、約束の時間になるも組長の姿が見えない…。〇ックスのグループにDMしてみても応答がない…。まさか…?

そういえば昨夜、というか今朝の2時ぐらいまでディスコードでクロサワの赤文明に対する愚痴を組長が聴いてあげていたのを思い出した…

 

これは…まさか…

寝落ちした組長が山手線を無限ループしている様子が脳内を過ぎり出した頃、組長のサブ垢からDMがきた。

 

 「着きました。どこにいます?」

 

 あぁ、よかった。組長、ご無事で何よりです。

黒の長袖に黒のズボンを履いていたわしは、

「北口に黒ずくめの男がいたら、ソイツが犯人です!!」

と伝えておく。

その後、駅の構内からゆらりと現れた組長。まさに闇の世界の重鎮といわんばかりの貫禄…!!

こちらです!と手を振って車内へと迎え入れた。

 

組長も黒ずくめだった。

 

組長が犯人だった…。

しかし、闇の組織(にぶにぶ會ディスコード)の構成員の一員として、組長と同じ配色で迎えられたのは光栄だった。やはり闇と言えば、"黒"!!

"男は黒に染まれ"「ガイアがもっと俺に輝けと囁いてくる」系の雑誌でそんな言葉を読んだ気がする。何色にも染められない誇り高き"黒"!それがわし達なのだ。

というわけで、北口から2人の犯人が車に乗り込む…。

 

寝坊を防ぐために眠らずに始発に乗って来たという組長。

 

正直、意味がわからなかった。

が、その決断力と実行力は流石と言わざるを得ない。わしはとりあえず労いの言葉をかける。

「朝早くから遠路はるばる御足労お疲れ様です!組長!!」

 

どうやら連絡がつかなかったのはメインの端末がパケ死状態?のため通信ができなかったためらしく、Twitterのサブ垢を使用すればかろうじで連絡は取れるらしい…

 

正直、意味がわからなかった。

が、前回のわしの圏外キャンプの惨状を知りつつも、本人曰く十数年ぶりとなるキャンプにネット環境無しの状態で挑むその気概、それもスマホ一台で全てを完結させるこの時代においてほぼ丸腰同然で一泊2日の遠征に挑むその漢気にはもはや感服するしかない。やはり組長はスケールが違う。

 

挨拶を済ませると、ここまでの道中を語りだす組長…

電車で寝てくるつもりだったらしいが、対面に座った女性のパンチラが気になって一睡もできなかったらしい。しかも、どうやら丸2日寝ていないという…。

 

正直、意味がわからなかった。

が、組長がひたすらに"自由"なのだということはわかった。

「そ、それは幸運でしたね…!お楽しみいただけたようで何よりです!組長!」

 

ばかな…!

睡眠サイクルもパンチラへの執着も並外れている…‼︎

男ならば目前にパンツあらば刮目するのは当然の嗜み。その習性を如何に自然に、そして集中して行えるかが雄としての"格"に関わってくることは周知の事実である。

しかし、目前にパンツあれど、果たして二日間睡眠をとっていない状態でパンツに集中できるだろうか?

否!常人ならばできるはずもない。電車に揺られるうちに睡魔に襲われてたちまち眠り落ちてしまうだろう…。

 

異端!怪物!雄の中の雄!

 

睡眠欲と性欲のバランスが常人のそれとはかけ離れている!!

 

さらに、パンチラへの飽くなき探究心か、はたまた不眠が及ぼす眠気のイタズラか、組長にはだんだんとパンツが透けて視えてきたという…。

 

正直、意味がわからなかった。

放たれた言葉の意味を理解するよりも早く背筋を駆け抜ける緊張。

相槌もおざなりに畏敬の念に包まれて動けなくなる…

 

邂逅早々、わしはとんでもない人を隣に乗せてしまったものだと、ハンドルを握る手が震えてしまったのを今でも覚えている…。

わしの心は、彼から溢れ出す計り知れない煩悩への畏怖と、目前に座る真の変態と邂逅できた喜びに打ち震えていたのだ…!!

 

そこからキャンプ場へとおよそ50分、組長と二人きりのドライブが続く。

注目の新セールカード、「グラウンドゼノ」と「古代図書館」が話題にあがるも、わしのクリスペの知識が不足し過ぎていてお話にならなかった。

とりあえず古代図書館の方を回してみたという組長のありがたい感想を拝聴するも、正直、あまり意味がわからず気の利いた返しもできなかった。組長の話を聞いて初めて「シーラの宝船」の効果がわかった(もう忘れた)。

 

組長「今日の20時にナーフされずそのままセールが通るのかどうか、注目ですね!」

わし「要チェックですね!!(今日がセールの日だったのか)」

 

 

そんな感じでわしのクリスペ力では組長を満足させることはできず、車内での会話はクリスペ界隈の、闇のちんぽと光のちんぽについての話だったり、終始下ネタだった気がする。

楽しかった。もっとクリスペしようと思った。

 

無事にキャンプ場に着いたわし達はとりあえず場所をとる。

予約なしのフリーサイトのため、先にテント開いたもん勝ちである。

時刻は9時半を回っている、多少出遅れてはいるが、まだサイト内はまばらにテントがあるような状態。

間に合うぞ!!

 

続々と入場してくる他のキャンパーたちに焦りながらも、なんとかテントとタープが張れて、近場に車を三台停車できるスペースがあり、かつ隣のグループが視野に入らずそれなりに距離が取れそうな位置を確保する。

しかし、洗い場やトイレまでの距離は考慮できなかった...すまぬ!

とりあえずさっさと荷下ろしを済ませてタープだけでも展張する。

張り方はよくわからなかったのでその辺の木に登って4カ所に紐を縛っておいた。

テントは…多分、ゆらDがいないとわからない。

っていうかそもそも2人では無理だ。だからテントについては早々に諦めて机やら椅子やらを準備する。

そんなことをしていたら、

「ここってテント張ります?」

って知らないおっちゃんに話しかけられたので

「張りまァす!!」

と威嚇しながら慌ててグランドシートだけ広げておいた。

油断も隙も無い、これが休日のフリーサイトか!恐るべし!

 

 

そしてわしが荷物を広げているうちに、組長が持参した酒とグラス、そして銀色の怪しい器具?を机の上に広げていてくれた。

組長のことなので始めは搾精器かなんかだと思ったが、どうやらそれはカクテルを作るための道具らしかった。

普段酒を飲まぬわしには全然わからなかった。

なんか、怪しい儀式に使われる法具っぽくてとりあえずカッケェ!って思った。

というわけで、シオンズバー!開店!!

組長が手慣れた手つきで酒を調合しする、その滑らかさはまるでマジシャンの如く!そしてなんとバーでマスターがシャカシャカするあの動作をして酒を作っていた!カッケェ!って思った。

酒用の氷まで作って持ってきていてくれた。すげぇ!

とりあえずわしはコーラで乾杯。

青空の下、木々に囲まれながら飲む炭酸飲料は格別だぜ!!

クリスペはじめて早3年、最初はTwitterで絡むことすら烏滸がましく思えたあのシオンさんと今グラスを交わした喜びに打ち震えた。

 

その後、組長のお酒の蘊蓄を拝聴しながらまったりしていると次に団長が到着した。

念願の邂逅…!!わしはずっとこの日を夢見てきました…!!団長ォ!!いま会いにゆきます!!

 

第一印象は、、、

 

エロ過ぎる。

 

である。

 

エロ過ぎる車からエロ過ぎる男が降りてきた…!!

オフのミュージシャンかと思った!!

もうフェロモンがムンムンだった。

めっちゃいい匂いする。やばい、もう子宮降りてきそう、いや金玉上がってきそう。

わしが女ならホイホイ車の中付いて行ってた。そんで住んでた。もうそこで生活させてもらってた。それくらいエロスがジュンジュワ〜だった。

そして声と喋り方がめっちゃ柔らかい。

変化形の能力者みたいな雰囲気してるのに話せばバリバリ強化系みたいなオーラ出してきて脳がバグる。ヒソカの皮を被ったゴンさん。

団長に合ったらまずハグさせてもらおうとか思ってたけど溢れ出る色気と高潔なるオーラが強すぎて逆にハグできなかった。

感動した。

お互い初心者で、右も左もわからぬままALISでクリスペの記事を書いて、いきかむ氏のカードを巡って戦い、Twitterで握手とハグを交わしたのだ。わしがクリスペトゥイッタランドで初めて"トモダチ"だと認識し、自分から絡みにいったのが団長だった。ついにわしは、その団長とこうして直接お会いすることができたのだ!!はぁん!

(…ォオオ~~~!!)

叫んでる。

(…ョォオオ~~~!!!)

わしの心の中のめちゃコミックの有吉弘行が、「ムリョォォオ~~~!!」と叫んでる。

わしはその有吉が叫ぶ前、涙ながらに「カン…!」と合いの手を入れている。

 

" 感 無 量 "

 

その言葉で胸がいっぱいだった。

わしの「感!」と有吉の「無量ォオ~!」コラボはしばらく続いた。

この莫大な感動を数秒で消化できようもない。

回らぬ脳みそと舌でなんとか挨拶を済ませて、団長を案内しつつ荷物を運ばせてもらう。

 

そしてなんと、団長も黒ずくめだった...。

偉大なる団長と組長、そのお二方と同じ色をした召し物に身を包めていることに、またもやわしの心の中の有吉が叫んでいた。木霊する有吉が止まらない。もはや警報の如く有吉の「ムリョォオオ~~~!!」がわしの心をつんざいていた。

 

ちなみに、どんな黒ずくめかというと、

団長は「シック」な感じ。

組長は「ダーク」な感じ。

わしは「犯人」みたいな感じ。だった。

 

こうして、今このキャンプ場にクリスペ界の黒い三連星が結成された。

団長に組長!!もはや無敵!ジェットストリームアタックで最高の乾杯ができる。

とりあえず、団長が差し入れしてくれたハイネケンで乾杯をする。

 

夜の温泉の運転まで時間があるので、わしも1杯だけ飲んでみることにした。

うむ!苦手なビールもこの時ばかりは最高に美味かった。

 

正直この辺は心の中の有吉が煩すぎてあまり記憶に残っていない。

しばらく有吉は鳴り止まなかった。わしはもう「カン」って言ってないのに、ずっとあいつだけ「ムリョォオ~~~!!」って木霊してた。

 

団長は家からBBQ用のお洒落な机やカトラリーなんかを持ってきてくれていた。

さらになんかお洒落な酒を冷やす入れ物や、組長と同じくバーのマスターが使ってそうな道具一式もである!!なにこれ!

団長の道具だけでバエバエである!

見てくれ!なんだよこのバケツ!!こんなバケツわしは知らない!!え?バケツって雑巾か洗車ブラシを突っ込むモノじゃないの??酒瓶が飛び出してやがるぞ!!?こんなの映画かワンピースのロブ・ルッチがカッコつけるシーンでしか見た事ねぇ!!なんだこの空間は!?エレガント!ロイヤリティ!!いっきに貴族の社交場感が溢れてきたぞ!!?

うひょー!すげぇ!と調子に乗ってTwitterに写真を投稿したら「お洒落な雰囲気の中にイオンのカゴが混ざってて面白い。」とコメントをもらった。

 

わしが持ってきたカゴだった…。なんか申し訳なくなった。

 

 

「じゃあ、私もお酒つくりますね~」

 

!!?

 

なんと、団長もまた組長と同じように錬金術師の如く酒を調合し、洗練された動作でなんかシャカシャカしてる奴をやって酒を作っている!!

え?何!?みんなできるのそれ!?流行ってる??大人の男性必須技能!??よくわかんないけどとにかくカッケェ!!これが"長"と呼ばれる人たちの嗜みなのか!!!?

団長バーが開店していた...!!

そして団長はお洒落なグラスに酒を注ぐと、なんと爪楊枝にオリーブを3つ程刺して酒の中に入れたのだ。

 

ッ!!??

 

なにそれ...

なんか…おしゃれッッ!!!

 

かき氷にサクランボが乗っかってる風な美しさを感じる!!

いや、クリームソーダにさくらんぼか!?

いずれにせよわしのお酒偏差値では形容しがたき様式美のようなものを感じた。

 

「団長!このカクテルはなんていう名前なんですか?!」

「これはマティーニですね。」

 

!!??

 

マティーニ!!?

 

マティーニって007のあれ??

カジノロワイヤルでダニエル・クレイグがカッコよく飲んでたあれ!???

突然思いついたようにバーのマスターに調合させてクイッってやった後に、

 

ふむ、悪くない。ヴェスパーと名付けよう…」

 

とか言ってたあれ!???

 

あのくだりなんなん!?

ただお洒落さだけで殴りつけてくるようなあの演出なんなん!??ただの暴力やん!

 

そもそも『マティーニ』っていう響きからしてもうかっこ良すぎる。

"マ"で入って"ティ"ーで伸ばして"二"で止める!やばい!変態か!?

なんなんだ、このスタイリッシュでセクシーで上品な響は?

そして4音っていうのがヤバい。

もうどこで何とくっつけてもかっこいい。マティーニ。

 

猫とマティーニ

愛とマティーニ

悲しみのマティーニ

夕暮れのマティーニ

真夏のマティーニ

タコ焼きとマティーニ

犬のケツにマティーニ

そこ行く嬢さんちょっとマティーニ

 

やばい!全てをオシャレにかっこよくしてしまう魔法の単語『マティーニ』!

 

映画や楽曲のタイトルにガシガシ使われていても何ら不思議では無い!

 

ドラえもんのび太とマティーニ

こちら葛飾区亀有公園前マティーニ

おどるぽんぽこマティーニ

君がマティーニ

世界に一つだけのマティーニ

スーパーマリオマティーニ

ファイナルマティーニ

 

全部かっこいいぞ!!?

 

やばい。マティーニやばい。

しかも響きがいいからつい口に出したくなってしまう。マティーニ。

チキータでもカチューシャでもベジータでもない、、、マティーニ!

同じ4音からなる単語の中でも一線を画す美しさ、マティーニ!

やばい、もうマティーニ以外のこと考えられない。インフィニティエンドレスマティーニ。マティーニのマティーニによるマティーニのためのマティーニ。

ヤバすぎてさっきからわしの心の中で「オイッ、チョマテヨ!!」って繰り返してたキムタクがもう「オイッ、チョマティーニ!!」って言い出してる。わしの中でもうずっとチョマティーニ!!!!頭マティーニになりそう。

 

やべぇ、お洒落が過ぎる…

完璧だろ、神の4文字だろこれ。早くギネスブックに登録して欲しい。もしかしたら聖書とかに乗ってたりするんじゃないのマティーニ?もはや宇宙言語だろこれ。

 

 

しかも、その後に来るのが……

 

ヴェスパー…

 

ファッ!!?

 

濁音使ってきたぞ!!?

しかもそこに拗音の"ェ"までつけてきやがった!!

なんなんこのセンス!?

おまけに締めは半濁音の"パ"を使ってやがる!!

しかも入りの濁音を一般的なカサタハ行のどれでもなく、"ウ"に付けてきやがった!!

どんだけイレギュラー組み合わせてんの??

意識の外からの攻撃で脳を揺らしに来るのやめてくれませんか???

これにはわしの中の100点の男こと岡八郎も生首で拍手してる。やばい。

 

しかもまた4音!

最初の"ヴェ"で重めに入って、そのあとに軽めの"ス"でスゥッて抜け感を出したあとに、"パー"で余韻つけてくる。インパクトと逃がしと余韻のバランスがもうダビデ像のちんちんかってぐらい美しすぎるんよ。

 

しかもヴェスパーの意味が

 

宵の明星

・ギリシア神話で,世界の西の涯の園に住む乙女たち。

 

ッファア!!?!

 

え、星?

星が出てくるの?地球上の例え超えた!?

しかも

 

"宵の…明星"?

 

普通に金星って言わないところがもうオシャン過ぎる!!

 

で、なに?もうひとつの意味が

 

神話??

 

ギリシャ神話??…の乙女たち…?

 

は?

 

スケールがもうヤバすぎんだろ、ただの水だぞこれ?

何この美しすぎるベールの中にチラッと下心が見え隠れするようなセイントファンタスティックエロスは??ズル過ぎんだろ。絶妙な遊び心!

 

もうヴェスパーと聞いたら、夕暮れ時、オレンジと群青のグラデーションをバックに孤独に輝く美しい金色と神話の世界で美しく戯れる乙女ちがふぁふぁふぁふぁ〜〜っん!って浮かんでくるわ!

 

え?なに?それを?

それを酒飲んだ感想で吐くわけ??

 

どんだけだよマティーニッッ!!!?

 

一体どんな味してんだよマティーニ…!?

 

やべぇよ…

わしもクイッと飲んだ後に

「ふむ、まさにヴェスパーに相応しい味だ...。」

 

とか言ってみてぇえええ!!!!

 

「団長!それ飲みたいです!!!」

「ええ、どうぞ~。」

 

やったぜ!!!!!!

 

 

 

 

ゲロ不味だった...。

 

正確には不味いというよりも。"わからない"だった。

鼻に抜けるアルコール臭がきつ過ぎて、感想はもう「アルコール」って感じだった。

思わず舌を出してスーハースーハーしたくなる。

自分の息がとてつもなく酒臭い。

喉から胃にかけてカァーッっと熱くなる。

 

人の飲むモノなのかこれ?

 

皆こんなの飲んでて大丈夫なの?腸内細菌死滅せん??

間違って歯をガチッ!ってぶつけた時に火吹いたりしない??

くっさ!うわ息くっさ!!

スー!ハー!スー!ハー!

くっさァ!!!

 

スゥー!ハァ~......

 

...くっさァア!!!

 

鼻バカにならん?

アンパン吸ってるみたいにならんのこれ??ヴォエ!!

え?腸で吸収するのと、胃から揮発してくる分を吸入してダブルで摂取できるってこと??それですぐラリっちゃうの?

これは肝臓さんカワイソウだって!!こんなん流れてきたらボイコットするって!やべぇ...やべぇよ。

ッあクッサぁっ!!!!

 

…え?

…"宵の明星"?

……"ギリシャ神話の乙女"??

 

本気で言ってんのか?タコが!!

 

いい加減にしろよジェームズ・ボンド!!

お前の舌はクソだ!女を舐めすぎてイカれてるんだよ!!このスケコマシのキザ野郎め!!

いいか?

コイツを飲んでまずわしの頭に浮かんだのは

 

        "死"

 

だ!!

 

 

カッコつけるのも大概にしろよクソが…

あっ、でもわしが今飲んだのは、マティーニだけど、「ヴェスパー」ではない?

まだ分からない、ヴェスパーだったら本当に、金星輝いていてギリャシャの乙女たちが踊っているのかもしれない。そんなイメージが飲んだ瞬間飛び込んでくるかもしれない…

 

まだだ、まだわしの中でもヴェスパーの評価は保留にしておこう…。

 

っていうか、団長も組長も普通に美味そうにマティーニ飲んでる…カッケェ…ずるい。

どうやらわしの"大人力"ではまだまだ味わえない代物らしい…。どんだけだよマティーニ.

やはりわしには「ほろよい」ぐらいしか飲めないのか…

あぁ…マティーニ…いつか飲めるようになりたいマティーニ…チョマティーニ…。

待ってろよヴェスパー…いつかドヤ顔で飲んでやるからな。

とまぁ、散々ボンドに文句言っちゃったけど、もし違ったら申し訳ないので一応団長に確認してみる。

 

「団長これって007(ゼロゼロセブン)で飲んでるお酒ですよね?」

「よくご存知ですね!はい、007(ダブルオーセブン)で出てくるお酒ですよ」

 

え、待って…

 

だぶるおーせぶんッ??

 

え?

0(ゼロ)じゃないの?

O(オー)なのあれ!?

数字の羅列ではなかったの…!?

 

しかも、あれがアルファベットのO(オー)だとして、じゃあ読み方はOO7("オーオー"セブン)じゃないの!?

だ、

だぶるおー??

 

 

ファッ!?

なにそのシャレた読み方?

え、ずるくない?本当にあってる?

わし今までずっと"エロティカセブン"みいなノリでゼロゼロセブンって言ってきたけど違った??

待ってちょっとまさか…ダブリューオーガンダムじゃ…ない!??WOガンダムじゃなくてOOガンダム!??わしずっと聞き間違えてた??「ワイルドナントカ〜」みたいな機体かシリーズの名前だと思ってたけど、ダブルオー??!?え?嘘?

0って「オー」って読むの?

わしの友達は小学校の頃「ベイブレード2002」のことを「ベイブレード 二ーマルマルニー!!」ってドヤ顔で言ってたけど!?

ええ?!じゃあマルイは??マルイももしかしてあれOIOI(オイオイ)とか読んだりする?

それとも「ダブルオーアンドアイ」とか読んだりする??

 

えまって、もうわからん。やめて…

やめて何でもそうやってシャレた読み方するの!!!

 

とにかく団長がマティーニでダブルオーでオシャレすぎてそれ以上はもう身の危険を感じて踏み込めなかった…。

 

 

その後、組長が作ってくれたカクテルも飲んでみた。

名前は忘れた、けど後味がほんのり渋くて美味しかった。しかもライム入っててオシャンだった。あれだったらいける…気がする。

 

とにかく

酒の世界の広さを知れた気がする。

 

とりあえず、少なくともこれでわしは"マティーニを飲んだことがある男"にはなった。

今度どっかでお酒の話になったときに知ったかぶりができる。

「マティーニ?ふーん、あれね。飲んだ飲んだ。うん、オリーブ入ってるといいよね。うん。」と。

 

団長と組長が楽しそうにお酒談義を交わしているを指咥えて見てたらバローロ(バローロ・クロサワ・ゆらD・んぺ)組から連絡が入る。

 

「渋滞にハマった。」

 

とのこと。

到着はなんと...14時!?

 

とりあえず、もうすぐお昼になりそうな時間だったので、先に3人だけで昼食にしようということになった。

昼に予定していた焼きそばは保留にして、とりあえず火を起こしてだらだらBBQをしながら待つことにした。ローストチキンも2羽ある内の片方は先に作ることとなった。テントは…ゆらDが来てからでいっか!!!

満場一致でテントは先送りされた。これは、後着組のクッキングタイムがオセオセになりそうな予感…。

 

そして始まるBBQ!!

薪と炭は持参したが、チャッカマンを忘れたわし…。

団長がいなかったら火も起こせなかった。危ねェ…!!

無類の肉好きだと言う組長。鹿肉に結構期待してくれているらしい。

なるほど、組長の好きなもの、「酒」「肉」「女」…

この人は完璧か?

加えて「自分はマヨラーなのだ」と言いながらマヨネーズを取り出す組長。

まさかのマイマヨネーズを持参していた。普段と異なる環境であっても、己の食を貫き通すその姿勢に、組長の揺るがぬ組長らしさを感じた。強ェ…!!

とりあえずモモ肉とピーマンやらパプリカやらを串に差して、串焼きBBQにしてみる。

赤黄緑!肉!カラフルな写真でバエを狙った。SNS映えも考えての隙のない構成!

 

 

しかし実際に焼いてみると、肉と野菜の火の通り方が違うため、肉が焼ける頃には野菜は炭になっていた…。茶黒黒!茶!みたいな感じ。なんかもう炭と犬のうんこみたい。いや、正確には10日目の犬のうんこと2日目の犬のうんこみたいな感じだった。バエとは程遠かった…。

 

串は抜かれた…。

そしてただのピーマンと鹿肉の網焼きとなった。

 

それでもやはり外で炭火で焼いて食べるものは美味かった。

組長は鹿肉がお気に召したようで、バクバク食べていて嬉しかった。

 

おしゃんてぃーな酒を飲みつつ鹿肉をつまみながら団長と組長は新カードやそれを踏まえた今後の環境、クリスペの情勢について盛り上がていた。

彼らがカード談義に花を咲かせているうちに、わしはせっせとローストチキンを仕込む。

ダッチオーブンの中に人参、ジャガイモ、マッシュルーム、ニンニク、セロリ、そして丸鶏をぶち込む!

鶏のケツ穴にはピラフ!!あとは蓋してをして適当に待つだけだ!

 

 

この丸鶏がなかなかスーパーに売っていなくて焦った…近所のスーパーをはしごしても見当たらず、業務スーパーへ行ってみたら売っていた。800gで300円だ!やっすぅい!!

ヒヨコから成鳥になるまで育ててそこから締めて羽毟って内臓抜いて冷凍までされててもたったの300円...。ヒヨコさん...安すぎる命。資本主義の闇を見た気がした。

 

 

このローストチキン...。

 実は事前に材料を買い揃え、家で1度作る練習をしていた…。

 

失敗もキャンプの醍醐味、結果よりも過程!チャレンジにこそ価値がある!もし失敗しても皆で笑いながらダメだったかぁーwwとお互いにクソマズ飯のレビューでもし合えば、笑って許されるっしょ!思い出思い出www的思考のわしは本来このようなことはしない。

いつもならそのマインドで挑む。人は偶発的な出来事の中での発見に喜びを得るものだ。予想通りの結果や体験で得られる娯楽の満足感など、たかが知れている。予想を裏切られるからこそ、大きな情動が生まれ深く記憶に刻まれるのだ。先の見えぬ不確実性の中に生きているからこそ、わし達は明日へ希望を持って暮らせている。安定?再現性??そんなもんは犬にでも食わせとけ。未来を見るな、一瞬一瞬をお前の人生へ刻め、明日を生きるな、濃厚な今日を重ねろ。わかったか?この資本主義の犬どもが!いちいち計算なんてするんじゃねぇ、機械じゃあるめぇし、何のために人間やってんだ?気分で選べ。気分で生きろ。だから精子の数が減ってくんだよ文明人共が!!!

 

そう、だからできれば、ローストチキンも童貞卒業の感動をみんなで共有したかったのだ。

 

 

だが…

 

今回はあの"んぺさん"がいる!

 

唯我独尊不着衣歯系インフルエンサーのんぺさんが!!

わしは、失敗してんぺさんに怒られるのが怖かった…。

んぺさんに「大人を舐めるなよ!?」なんて言われるのが怖かった…。

その時は小便漏らす自信があった。

もし、失敗が許されるならば1度までだろう…。

今回のメニューではこの後に土鍋炊飯とパンが控えている…。

どちらも前回失敗しており、今回上手くいく保証はない……。

非常に危険な状態だった...。

最悪の場合、「大人を舐めるなよ!?」の三段活用が発動するかもしれない...。

「大人を舐めるなよ!?」

「大人を舐めんじゃねぇ!!」

「てめぇ、ぶっ殺すぞ!!」

である。

あのんぺさんに「殺す!」とまで言われたら、わしはもう多分その時点で絶命しているだろう。

わしの中でんぺさんの「殺す」はヴォルデモートのアバダケダブラに匹敵する。いかにわしがジジー・ポッターであろうとも、完全体のあの人には太刀打ちできない。

 

ついでに言うと、バローロさんも怖かった。

彼のことをそこまでよく知らないが配信でよく"舌打ちをしている"との噂があったのだ…。怖かった。

失敗すれば、バローロさんも舌打ちするかもしれない…「チッッ!!」って舌打ちした後、(こんな簡単な飯も作れねぇのかよじじい!)とか思われそうで怖かった。

三回舌打ちさせたら問答無用で首の骨折りにくる系の人かもしれない…。こわかった。

 

だから、一番難度が低そう、かつ一番バエそうな、このローストチキンでコケるわけにはいかない。

もし後に続くきりちんぽとパンが上手くいかなかった場合…まともな食事がナッシングパパなのだ。

 

 

そうなってしまったら、んぺさんはきっと「もうキャンプなんて二度と行きません!!」とTwitterに声を荒らげながら怒りのツイートをするに違いない…。

バローロさんも「チッ…!!」ってツイートするかもしれない。わからない…、「チッ…!!」って2秒だけ音声配信するかもしれない…。

んぺさんにダメ出しをされることが怖かった…。

バローロさんの舌打ちが怖かった…。

 

そしてなにより、十数年ぶりにキャンプをするという、んぺさんがキャンプを嫌いになってしまうことを恐れた。

なのでエレガントな彼に見合う料理として、このローストチキンだけは成功させバエバエキャンプの思い出として持ち帰って欲しかったのだ。

これは、ギャルや組長も同じだ。

わしのせいで、「キャンプはクソ!」という観念を彼らに植え付けたくは無い…。

 

そのため、事前にローストチキンを試作して(ダッチオーブンにぶち込んで焼くだけだった)からキャンプに挑んだのだ。

 

つまり、この料理については万全を期している。今日のわしに失敗は...無いッッ!!

 

ちなみに、他のメンバーは

団長は失敗しても許してくれる。

ゆらDも呆れながら許してくれる。

組長は「おっぱい」って言ってれば許してくれる。

ギャルは「ちんちん」って言っとけば許してくれる。

確信はあった。

 

 

そして、小一時間オーブンを火にかけた後、蓋を開けると…

そこには完璧なローストチキンの姿が!!!

 

 

ディス イズ ローストチキン!!

 

もはやローストチキンの中のローストチキン!!

わしのばあちゃん(88)に見せても1秒で「これローストチキンやん!」って言うぐらのローストチキンが仕上がっていた。

 

ウキウキでスマホを構えてシャッターを切る。

思わず「バエェエッ!!」って叫んだ。

 

 

やったぞ…!無事、ローストチキンを成功させたのだ!(ぶち込んで火にかけただけ)

さっそくオーブンから取り出し、チキンを皿に切り分ける…。

が、切り分け方がよくわからない。

家でやったときは急な来客があり、切り分けは妻に頼んでしまったので、未経験だった。

くそっ…!鳥の構造がわからん...。。

とりあえず適当に四肢をもいで適当に切り分けた。フィーリングで3つに分けてみたけど多分正解はコレジャナイ感はビンビンだった。そしてわしの盛り付けにはセンスがなかった…。

でもどうせ腹に入れるんだ。細けぇことは良いんだよ。バエる写真はもう撮った。その後は関係ねぇ。

っていうか、団長が持ってきてくれたお洒落な食器のおかげで料理の品格とバエ力が底上げされている…

海外の刑務所の飯みたいに盛り付けられたチキンたちが、それなりに美味しそうに見える…!!

 

 

紙皿やプラのコップを使わないだけでこうも変わるのか…これが…大人のキャンプ!!

ピラフの解凍が甘かったせいかちょっと米がベチャっていたが、鶏の味が染みていてちゃんと美味しかった。セロリの香りがイイ感じ。ジャガイモもホクホク!にんにくトロトロ!

これならんぺさんもバロさんも大丈夫だろう!!勝った。もう勝ちましたわこれ。

この時点で今回のキャンプの成功が確定した。

 

3人でローストチキンを平らげてしばらくすると、バロさんたちから到着の連絡が入った。

時刻は15時前ぐらい。受付にいるというので迎えに行った。

団長とはハグ(できなかったけど)、ギャルとは握手をしたいと思っていた。

1年前、ギャルと歌舞伎町で固い握手を交わして別れたわしは、再開した時にはまた握手から始めようと決めていたのだ。これは魂の共鳴のための儀式。あの時結ばれた"ちんちん"の絆なのだと勝手に思っていた。

 

受付付近まで行くと、それっぽい人影を見つけた。声はすっかり忘れていたが、なんか文化人っぽいオシャ髭はしっかり覚えていた。

一年前歌舞伎町で見た髭面の男にわしは声をかけ、そこで再び固い握手を交わした。

"GOX小便ちびり勢"の盟友であり、同じ"ちんちんの民"でもあったギャルとの再会の儀が完遂された。

ちんちんが熱くなる。

そして隣にもう一人男性が立っていた。

「どうも、バローロです!よろしくお願いします!!」

ギャルと握手をした流れで、バローロさんとも握手をした。

ここにもう一人、新たに"ちんちんの儀"が執り行われた。広がるちんちんの和。

わしは感動した。

 

バローロさんは想像とだいぶ違った。舌打ちするからガラ悪そうな兄ちゃんを想像していたが、メチャクチャ爽やかハキハキ系スタイリッシュ兄ちゃんで、頼りになる感ビンビンに溢れてた。しかもなんかキビキビしてるし身のこなしがしなやかで、え、SWATの人ですか?って思った。わしが女だったらとりあえず付いてく。そんで面倒見てもらう。

 

とりあえず、挨拶を済ませてバローロカーの助手席に乗ってテント設営予定地まで案内する。

後部座座席にゆらDとんぺさんもいた。車内はぎゅうぎゅうだし道案内もあるのでとりあえず簡単に挨拶を済ませる。それでもんぺさんの声がちんちんに響いた。おもわず小便をちびりそうになる…。これもんぺさんのただならぬ覇気の一端に過ぎない。気を引き締めろ、わし!

道中たっぷり時間があったためか、4人はすっかり出来上がっていた。めちゃくちゃワイワイしてた。修学旅行、行きの新幹線だった。

団長と組長の元まで案内を終えると、バローロカーから各自降りて挨拶を始める。

 

「どうもゆらだいです。」

ゆらDは相変わらずゆらDだった。

ギャルは前回会った時よりも髪が伸びていたせいか若干尖った印象を受けたが、ゆらDはゆらDだった。

揺るぎないゆらD。安定の安心感である。

 

そして次に、ついにんぺさんが降臨する...。

 

正直、わしはちょっと期待していた。

聞けばカラーワックスなどという見たことも聞いたこともない宝具まで使いこなすと言うではないか、そんなイケてるシティーボーイが、キャンプでは一体どのようなイケイケキラキラな風貌で現れるのか…

なんならまた覇気で泡吹かされることを楽しみにすらしていた。

この変態の群れの中に覇王色の覇気使いが現れるのだ。事によっては天を割る事態をも覚悟しながらもビクビクと相見える瞬間を待っていたのだ。

そして今、わしの前に覇王が降臨する…!!

 

「どうも…んぺです!!」

 

ッッ!!??

 

ジャージ…だと!?

 

そこには、新宿の歌舞伎町で妖しく輝いていたエレガントダンディからは想像もつかぬ、林間学校にやってきた中学生(生徒会長)のような男がいたのだ...!

 

…ッ!!!!

瞬間、脳内に滝のように流れ込む感嘆と後悔…!!

…な、なるほど、ここは山だ。田舎であって街ではない。今日為すのはキャンプ!シティーボーイ?お門違いだ。キャンプにキラキラもイケイケもねぇ。ギャルズのいない野郎だけのキャンプ、己の卍解を模して作るようなキャンプにはまさにピッタリであった。なるほど、これが大人か…!完璧にTPOを弁えている!!溢れ出る余裕!自然体!!実用性と機能美に振り切った潔よすぎるコーディネート!!これこそ真の大人なのだ!!

わしは前日にあわててワークマンに駆け込み、野田洋次郎みたいなキャンプハットを買った己を恥じた。

 直前になってオフ会に着ていく服が無いことに気づいたわしは、あわてて近所のワークマンに駆け込み、そこで"ちょっとわかってる風な奴"感を出すために、なんかそれっぽい帽子を買ったのだった…。

押し寄せてくるインテリ都会人共にビビり散らかしていたわしは、自分も文明人であろうと背伸びをして情けない小細工を図り、ありのままの自分をさらけ出すことから逃げたのだ…。

 

一瞬で理解した。

一瞬でわからせられた…。

 

己を着飾るやつは、自分に自信の無いやつだ…。

 

ジャージ姿で泰然と佇むんぺさんを見て、わしは、自分を見つめ直し猛省した…。

あぶなかった…野田洋次郎みたいなズボンまで買っていたら、今の衝撃でわしはおそらく死んでいた…

完全体洋次郎では耐えられなかった…‼︎

洋次郎(完全体)では即死だった。(洋次郎に謝れ)

危なかった…小細工に留まるわしの思い切りのなさで、逆に命拾いした…

しかし、日和った挙句、致命傷で生き延びて死にきれないじじいほど無様なものはない。

信念なく生にしがみつく亡霊…

愚かで醜い半端な洋次郎…それがわしだった…。

 

くそっ…!!

なぜ…なぜ全裸に鹿革の腰巻で挑まなかったのか…!!

日々の鍛錬を怠り、キャンプまでに肉体を仕上げられなかった己の不甲斐なさ、あげく、土壇場で咄嗟に野田洋次郎へと逃げ込む己の情けなさ(洋次郎に謝れ)。

わしは…とんでもない愚か者だ…!

しかし、津波のように押し寄せる後悔にわしの虚栄心は押し流され、激しい波は感動の渦へと変わった…

 

これがグランドライン!

 やはり新世界の海賊はひと味もふた味も違う。まるでキンタマにノックアップストリームを受けたような衝撃。天にも昇りそうな情動でわしの心は黄金郷へと至る…。魂の奥底で鳴り響く祝福の鐘の音が聴こえる…。

 

あぁ…

 

ありがとう、んぺさん。

わしはまたひとつ、大人になれました!!

 

というわけで、ジャージ姿で現れたんぺさんに小便チビりながら挨拶した。

どうやら覇気はGOXの時の10分の1程度まで抑え込んでいるようで、わしでも正気を保ちながら接するこでき、とても親しみやすかった。

 溢れ出るオトナ感を出しつつも、その御尊顔と振る舞いはまるで少年のようだった…。

 

バローロカーから荷下ろしをしている最中、組長が乳首について語っておられたので、「男なのに乳首を舐められるのはちょっと…」などとわしが日和った発言をした際には「じゃあなんで男に乳首が付いてると思ってるんですか!!」などと横からキレ気味に食いついてきた。彼はそのまま畳みかける。

 

「男に乳首が付いてる理由なんて、"舐められる"か"海上で風向きを測る”かの2つしかありませんよ!!」

 

 !!?ッッ

 

 電流が走った…

 

た、たしかに…ッ!!

たしかに母乳の出ない男では乳首を使う場面などないッ!!男が生まれてから死ぬまでに乳首が生物学的に役立つ瞬間など1度も訪れない!ならば男性にとって乳首の存在意義とは!?なぜ男にも乳首がついている!?その理由はまさに

 "舐められる""海上で風向きを測る"ためなのである!!

どうしてこんなシンプルなことに今まで気づけなかったのか…!

 

わしがこの世の真理を垣間見ることで喜びに打ちひしがれ、彼の金言を咀嚼し、まだ飲み込むこともできないでいる最中…

 突如キレのある動きで、両指を舌につけた後、それを自身の両乳首に擦り付けて風を読む仕草をするんぺー!!!

 

ッ!!!!??

 

洗練されたスマートな動き。一瞬でこのキャンプ場が彼のステージへと変貌したことが分かった…!

 唾液が塗布されたその指は、素早く、そして迷いなく正確に彼の両乳首を捉えた。瞬きする間の、ほんの一瞬の動作であるにも関わらず、その指が乳首を弾く瞬間はまるで舞台にゆっくりと幕が下りるかのような滑らかさと荘厳さではっきりとわしの目に焼き付いた。そのまま両脇に手を開いて添えた後、まるで蝶の群れを思わせるかのようにピロピロと動かされる10本の指…

風を感じるッ。胸を張り、腰に角度をつけた立ち姿はまるでTMレボリューション。、今にも妖精達が夏を刺激しそうな錯覚に襲われる。

わしの周りを、爽やかな潮風がフワァアッと流れたような気がした…。

 

 

 恐るべしんぺー!

 この大航海時代に、彼はこうして風向きを読み、偉大なる海を渡り歩いていたのか!!とんでもねぇ航海術だ!!!

 

しかもこの動作では、風を読むために自身の唾液を乳首に付着させることで、間接的に"舐められる"という目的も達成している!!

僅か2秒にも満たない動作で、彼は男の乳首が持つ存在意義を同時に満たし、「なぜ男に乳首がついているのか?」というテーゼを打ち立てている!!!

 

恐ろし過ぎて目眩がした。

 

しかもこれほど深く大きな意味を内包しているにもかかわらず、その動きは一瞬で、シンプルかつ美しく洗練された動きであるとこがまた驚嘆である。まるで仮面ライダーの変身モーション。日曜朝10時に毎週放送してほしい。もしくは西川貴教とコラボしてMVをとりXの広告やYouTubeのCMで流すべきだと思った。全日本男児が視聴し意識を改革すべきである。

 

そしてこの時、まだわし達は出会って10分も経っていなかった…。

このわずか10分の間に、ジャージと乳首でわしの天地はひっくり返り、世界の大きな破壊と創造が繰り返されたのだ…。

 

ちょっとコワイ人だと思っていた…が、どうやらわしはそのコワさの方向を履き違えていたようだ…

今、乳首を張りだしながらキメ顔でTMレボリューションしている男は、この場においては、きっと「大人を舐めるんじゃねぇ!」なんて怒ったりしない。わしと変わらぬ…いや、わしなど遠く及ばぬマコトの変態だったのだと…!!

 

数分で理解した…。

この漢は"師"であり"友"である。

今夜はアツくなりそうだぜ...!!!!

 

一同が簡単に挨拶を済ませ終わる…。

「団長もバローロさんも身長高ェ~」とか言ったら、ギャルとんぺが小刻みに背伸びやジャンプを繰り返しながら視界に割り込んでくる。乾杯前からこの空気である。

わし達はそれぞれが一目見た瞬間に解ったのだ、日々共にクリスペを楽しみぶつかりあった仲間達だ。既にある程度信頼関係は築けていた。だが今宵、それをより強く確かなものに出来ると!!

 

団長の音頭で乾杯!!

今ここに!7人の変態が集結した!!

年齢も職業も、生まれも育ちも異なる、これまで全く接点のなかった変態達がこうして集ったのだ…!記念すべき感動の瞬間であった。

 

バロさんが「見てくださいよ~!」といいながら上着のジッパーを開け始める。

バーン‼︎と胸元を強調するバロさん!

 

ッ!!?

 

なんとバロさんのTwitterアイコンがプリントされたTシャツを着ていた!!!

イカスでしょう??」

どや顔のバロさん。

「そしてこっちも!」

今度はギャルが上着をどけて胸元を強調する。

するとそこにはギャルのアイコンである髭面がプリントされていたのだ!!!

正直…めっちゃよかった。なんか普通にかわいくてイラっとした。

クリスペトゥイッタランド感めっちゃ出てて超羨ましかった。

なんとあのRIA様にデザインしてもらったんだと自慢してくるバロさん。

くそ!リアメイト共め!!!羨ましすぎる!!!

実は他の参加者の人たちの分も作ろうとしてくれたらしいのだが、なんか著作権にひっかかったらしい。次回はわしも用意していこうと思う。

 

そしてなんとバロさん達は昼食をとっていないらしい。てっきり何か食べてきているものと思ってたが我慢してきたらしい。偉すぎる!腹ペコだと騒いでいる。

というわけですぐに食べれそうなものということで、鹿肉を焼くことにした。

背ロースを切り分けているとゆらDから

「ズッキーさん、、、あれ…。」

と声がかかった、見ると広げられたまま放置されているグランドシートの方を指差している。

 

「んん?うん…ゆらDのためにとっといたYO!!」

「いや3人いればできたでしょう!?」

 

うん、なんていうかもう、やる気以前の問題っていうか、始める前から放棄してた…

だって、なんかさ、でけぇテント広げるだけ広げて、やっぱり「わかりません!!」とか言えないじゃん??そんなこと言えるやついる??

だからね、今回は確実なテントタテリスト、2023年上半期最優秀テントタテナーのゆらDさんが到着するのをお待ちしてたわけなんですよ…。いやぁ、やっと来てくれましたか!!待よかった!よかった!

 

とりあえず、ゆらDが到着するまでは「オロオロしていて何もできなかった。」と包み隠さずに謝ったら許してくれた。さすゆら!とりあえず腹ペコ達のために早急にBBQの準備を終わらせ、その後に手伝ってもらうことに。

 

肉を切り分けたが火が消えていた。

急いで薪を割って焚き木を作っているとギャルが来た。

 

「それ、ちょっとやらせてくれよぉ。」

 

「おん?いいね。ちょっと割ってくれや。」

 

ギャルに手斧を渡して見守る。

自称17歳のギャルがどんな薪割りを見せてくれるのかと思ったら

 

全然ダメだった。

 

90歳ぐらいだった。

 

薪の中心に刃が入らずガスッと端を叩いては空振りしている。

刃が入っても途中で止まって割れない。

それをそのまま地面に叩きつけて割ろうとするも勢いが足らずに全然割れない。

髭面が絶妙な角度のへっぴり腰で弱々しく、トントンしてる様は、駅前を杖を突きながら歩いている老人を彷彿とさせる。

非常に情けなかった。

そのあげく、薪が割れないのは地面が柔らかいからだとか大地のせいしにしてきた。

地球さんに謝って欲しい。どう考えてもギャルの思い切りの無さが原因だ。ちんちんついてんのか?

 

…ッ!!‼︎⁈

コイツ…まさか?この期に及んで力弱いアピールや刃物コワイアピールをすることで自分が"ギャル"であることを、か弱き17歳の女性であることを主張してきているのか!??とんでもない執念と演技、そして計算された行動…!!恐ろしい男、いや恐ろしいギャルだ…。変態達が集結したこの人里離れた山奥でさえ、徹底してギャルで在ろうとしている…!!わしはギャルの信念とその生き様に感動した。

 

いつまでもギャルに斧を持たせていても埒が明かないので、わしがカッコよく手本を見せてやることにした。散々ギャルが苦戦した薪を、いとも簡単にスパーンと割って見せれば、わしに惚れ直すだろうと…

 

刮目せよッッ!!

 

振り上げた斧を一心に下ろす!

 

ガスッッッ!!! 

 

...。

...、...。

 

最終回裏二死満塁逆転チャンスで微妙なファールチップをそのままキャッチャーに捕られてゲームセット…そんなしょーもない空気が流れた…。

 

大人の時間の導入に、そこそこ盛りあがった末ちんちんが勃たなかった夜がフラッシュバックした…。

 

「そういうの俺が困るからやめてくれない??」

 

「…ごめん…!!」

 

わしが悪かった…。

バッチコイ状態なのに上手にデキなかった…

やめて、優しくしないで…。

なんとなく前回のキャンプの釣り堀を思い出した…。

実は丸太のままの薪とでっかい斧も持ってきていたので、巻き割りグランプリみたいなのもやってみようかと思ってたけど、バタバタしていてできなかった。誰が一番情けなく斧を振るのか見定めてやろうとか思ってたけど、できなくてよかった。うん。

 

とりあえず火は起こせたので肉を焼く。

 

腹ペコじゃない組長までフラフラァ~ッと肉に寄ってくる。

BBQコンロの上で肉が焼かれている様を見てギャルが謎に感動したらしく、

「なんかぁ…これいいっすね…!…これなんていうんですか!??」

とか目をキラキラさせながら意味の分からないことを言っていた。

カマトト振りやがって、見ればわかる。BBQだろうが!

都会で生まれて、初めて自然と触れ合う少女を装っているのか?

徹底されたギャルアピールが恐ろしかった。

 

 ギャルは他にもわしと同じく団長の持ってきたバケツにも感動していた!

 

 ギャル「なななんですかぁ!?このバケツ!?こんなん見た事ねぇよ!!」

 

(うん、わかるよ。わしも小便ちびった。その気持ちちょーわかる。)

 

 ギャル「こんなん家で使うんですか!?」

 

 団長「ホームパーティーとかやったりする時に使いますね〜」

 

 ギャル・わし「(ほ!?ほぉーむぱぁーてぃ〜!?)」

 

いま、今、なんて言った?

 

ほーむ・ぱーてぃー??

 

なんだ?その、ほぉむぱあてぇってのは???

そんな文化が我が国にあったか!?団長実は西側の人間!??

バケツに続いてまたしても洋画の中でしか見たことない世界がでてきたぞ!?

 

団長「いやぁ~、田舎は娯楽が少ないもので…」

 

娯楽ゥ!!?

え、まさか~週末はホームパーティ~的なノリでホームパーティーッてるの!?

優雅ッッ!!!

ホムパ??若者たちはマクド行く?みたいなノリで今日ホムパくる??って交流してるのか!?しかも田舎?じゃあ港区的なギラギラキラキラなホムパではなくて、牧歌的なやつ???恋とダンスと歌と手料理的な??陽気なおじさんがフォークに刺さったソーセージをマイクに歌い始めて、赤いスカートの小さな女の子が踊り始めるんだ!そんでビールジョッキ持ってる周りの奴らはヤギとか馬と肩組んで一緒に歌うんだ!年頃のカップルはそろっとパーティーを抜け出して近所の池やら湖やらでハグやらキスやらし合うんだ!うわ!うわわわ!!!

素敵ッッ!!!

 

ほーむぱーてぃがなんなんのかよくわかってないわしの中で、団長の家が勝手に1960~80年代のアメリカンホーム的なサムシングへと固定されていった。今度団長ん家のプールで泳がせてもらおう。

それにしても、もう無理だった…「マティーニ」とか「ダブルオー」とか「ホームパーティー」とか言ってる人をこれ以上深堀りできる余裕はなかった...。限界だった。

一日に摂取できる"お洒落ワード"の上限をとうに超えていた...。

下手につついてまた新種のハイカラ言葉が出てきたらわしはもうお洒落死していたと思う。やばかった。

 

わしとギャルが「ホームパーティー・ショック」で放心していると肉が焼けてきた。

 

「んめぇ!んめぇ!」といいながら鹿肉をつつくギャルとんぺー、肉にベストマッチする調味料を探してテーブルとコンロの周りをチョロチョロしていた。組長もいた。そして意外にも、ここで輝いたのは組長が持参してきたマヨネーズだった。興奮するギャルとよんペー横に、満足気にマヨ肉を口に運ぶ組長…。

 

そしてゆらDとテントを立てる。

荷下ろしを終えたバローロさんが積極的に手伝ってくれた。頼もしい!やっぱりめっちゃ頼れる!!

寝袋や防寒着をギャルやんぺさんの分まで用意してくれららしい。頼もしすぎるぞバローロォ!!

 

バローロ「テントは一張で足りそうですか?」

わし「8人用なんで多分大丈夫です。大丈夫じゃなくても我々がシュウマイ弁当になるだけなんで、大丈夫です!」

ギャル「今日は女を連れ込むようにバローロがテントをもう1つ持ってきたんだ!見ろ!俺たちは爪も切ってきたぞぉ!」

用意周到にして準備万端だぜ!と言わんばかりに自慢げに爪を見せ合うバローロ組...。

 

ジャージ上下とよくわかんねぇTwitterアイコンのTシャツスタイルのペアルックでなに言ってんだコイツら…と思った。

そもそも連れ込む女が居なかった…残念ながら女性のほとんどがファミリーキャンパーだった。ジャージ上下でギャルズを口説くんぺさんの姿を見てみたくもあった...。

そうこうして、ビビってたテントもあっけなく展張完了。2回目だからスキルががあがったのかも、流石ゆらD!

もちろんテントは一張で足りた…。サイト代はテントとタープ1張ずつでで3500円。それを7人で割って一人500円。安い!!

 

そしてそのまま2羽目のローストチキンへとりかかる。

ここでもバローロさんが「ズッキーなんか手伝う?」と聞いてきてくれた(流石キャンプ経験者!)ので鶏のケツにピラフをぶち込んでもらった。めっちゃテキパキしてる...やはり何か特殊な訓練を受けたアーミーの方ですか?これ、失敗した時マーシャルアーツで腕折られたりしませんよね??とかビビりながら下準備を終えて火にかける。すると、クリスペ談議に熱が入っている実力者達のテーブルからギャルの大きな声が上がった。

 

ギャル「おぉい!見ろよ!俺今クリスペの話してんだぞ!?入ってくんなよ??」

 

と、どや顔でアピールしてきた。

組長、団長、んぺ、ゆらDというハイレベルなテーブル、その中から酔っぱらった髭面のギャルが吠えてきたのだ...。

舐めやがって…!

これは負けじとわしとバロさんもすかさず割って入る。

 

わし「あー!宝船(今日組長に教えてもった)ね?宝船?知ってる知ってる!あれめっちゃ強いよなぁ!」

バロ「パプミンがさぁ~…!!」

わし「そー!パプミンがいるとなぁ~!!」

バロ「…パプミンってどういう効果なん?」

わし「……さァ?…」

 

...わし達のクリスペの話は終わった。

 

この辺が限界だった。

バロさんがいてくれてよかった。まじで。

そんな感じに火の番したりバタバタしてたらローストチキンが完成した、と思った。

めっちゃ煙出てるし、なんかシュー!シュー!鳴ってるし、頃合いだと思った。

団長のお洒落テーブルにドン!とオーブンを乗せて白熱しているクリスペジャンキー達にアピールするわし。できたぞ!バエ料理が!!一同の視線を一身に浴び満を持して蓋を開けてみる...!!!

 

...なんか煙めっちゃでてきて中が見えない。

あれ?なんか1回目と違うぞ…?

ドライアイスピッチャーで入れたんじゃねえかってぐらいの煙…

なんかもう玉手箱開けたんじゃねえかってぐらいの煙…わしら全員じじいになっちゃいそうで怖いぐらい煙出てる。

ここでわしは重大なミスを犯していたことに気づく。

 

そう、ダッチオーブンを使いまわしていたのだ。

 

本来ならオーブンを2つ使って2羽同時に調理するはずが、バロ組の遅刻によって1羽ずつの調理となった…。

ここでわざわざもう1つのダッチオーブンまで汚す必要はあるまいと、同じダッチオーブンをそのまま使ったのだが...

おそらく1回目の調理ででた油やら肉かすやら焦げた野菜やらが底面に付着していたせいで、2回目の過熱で焦げ焦げパニック状態となり変な煙が大量に放出されたのだ…!

しかし、よくわからん煙がでようと火が通っていれば問題ない…。

オーブンから鶏を取り出して軽く確認すると、なんか焼けてそうだったのでGO!

切り分け方はわからないので、「はい、バロ組さん達であとはご自由に♡」

と、ロジカルシンキングゆらDにナイフを渡して丸投げした。

ゆらDならきっと寸分の違いなく、きっとmg単位で平等に肉を切り分けてくれるに違いないと信じて押し付けた。

しかし、流石にゆらDも戸惑っていたので、わしもんぺさんとゆらDと一緒に解体作業に取り掛かることにした...。

 

「こう、思ってるよりも付け根の方を切るとね…関節が見えてくるから…」

 

ドヤ声で知ったかぶりながらフィーリングで足をもいでいくわし。

 

お腹が空いているせいか、んぺさんの目が切り分けられていく肉に釘付けになっている。

 

「ほら、ここまで切れば…あっ...。

 

わしのナイフの切り口から、薄っすらとピンク色をしたレアっぽい部分がハロー・ワールドしていた...。

バッチリんぺさんに見られた。

わしの背筋に冷たいものが流れていく…。

 

「も、ももももうちょっとかなぁ~。一回戻してまた温めますね~、あ、あははァ」

 

にっこりと笑いながら頷くんぺ…。

 

...生きた心地がしなかった。

 

「大人を舐めるなよ!!?」

 

って言われるかと思った。

よかった…。

あとこの場にバローロさんが居なくてよかった…。

舌打ちで鼓膜割られるかと思った。

 

とにかく、よかった…!許された…!!

 

 次の粗相は許されない…

 気を引き締めて完全に火の通った鶏を提供する。野菜はなんか表面に炭がついて真っ黒になっていた…。全然バエてなかった。

も、もも問題ない!大事なのは味だ!

 

とりあえず、んぺさんとギャルが「すげぇ!!」って興奮してたからひとまずは成功な気がする。うむ。とにかくインパクト!インパクトさえ与えられればいいのよ!!

切り分けるのはバローロさんがやってくれた。流石頼りになる男!バローロ!

 

「すげぇ!皮がブリンブリンだ!!」

 「噛み切れねぇ!」

なんて言いいながら鶏肉を口に運ぶギャルとんぺー

 

(あ、あそこわしが食べるの諦めて捨てたところだ…)

 

 何も見なかったことにして、わしはダッチオーブンの片付けにとりかかった。

そしてここでとんでもないミスに気づく…

 団長のオシャンティーな机に、ダッチオーブン形の焦げ跡が!!!

 

 ダンボールを鍋敷きにしていたが、それでは全然熱を防げなかったのだ…!!

 人様のギアをキズモノにしてしまったァ!!!

 

しかも!

 このテーブルを出す際、わしがテーブルのお洒落さを褒めた時に団長は仰っていた…。

 「今はモデルが変わっちゃったみたいで、この色の奴は売ってないんですよ〜」と…!!

 

ということは…

ひっ、非売品!?プレミア!?

とにかく、団長が気に入っているテーブルだということは間違いない!!

 

 「だっ、だだだだんち、だんちゃ、団長ォオオオオオオ!!!」

 

 団長すみませんんんん!!!

 

 「ズッキーが!このズッキーめが大変な粗相をぉおおおおお!!」

 

団長がホームパーティーでご家族と使われるだろう大切な机にでっかい丸型の黒い焦げ跡が付いてしまったのだ。これから団長がホームパーティーでこの机を使う度、この焦げ跡を見ては家族の時間にわしの事を思い出すだろう。なんということだ!?未来永劫強制的に団長のホムパタイムにわしがねじ込まれていく精神攻撃系の呪物と化してしまった…!!!!申し訳なさ過ぎて貝になりたくなった。そのままハンマーで叩き割って欲しい。

 

団長「ズッキーさん。。物はいつか壊れるものです。気にしてませんよ。」

 

だぁッ!!?

だだだッ!だだッ!でぁッ!だぁんッ!だァんちょぉォオオオオオオオオオオッオー!!!!(激涙)

 

仏か!!!??ブッダ?ブッダ再誕!???

それかおじいさんガンディーだったりしません!??ちがう?じゃあおばあさんがマザーテレサだ!!!!

懐がブラジル突き抜けて火星まで行ってる!器に銀河いれてもまだ足りない!!優しさの権化!バファリンの半分とバファリンの半分でできてる!!魂のステージが違ぇ!!もはや人間よりはるか高次元の知的生命体SEX!!

 

感謝と感激、尊敬と畏怖…!!

これは…濁流!!

感動の濁流!!心の中に襲い来る濁流にわしの隣にいた有吉が「ムリョォオオオオオオォォォ…!!!!」と叫びながら流されていった。わしも目を瞑りそれに続く。流された。流され続けた。荒れ狂う水流にもみくちゃにされ、体がバラバラになろうかという衝撃を受けながらわしと有吉は流され続けた...。気付くと、最上川の始流から地中海沿岸くらいまで流されていた…有吉を探すとビーチに犬神家状態…丁度、彼の股の間から朝日が昇った…

美しかった...!!

こうしてわしの世界はまた新たな夜明けを迎えた…本当にここに来てよかった…!

 

感謝…団長の慈悲に深く感謝...!!

わしはこれから何かを焦がす度に、団長のテーブルと今日のキャンプ、そして団長家のホームパーティーを想像しながら生きてゆきます!

 

団長に許してもらえた後、今回の難所である米炊きへと移る。

バローロさんが本格的な2口ガスコンロを用意してくれた。

すげぇ!何でも持ってるぞこの人!!

インターネッツで米の量と水の量を調べて土鍋へ入れる。

…容易い、完璧だ。

 

とか思ってたら、米入れてる途中で今何杯いれたのかわからなくなった…。

ええいままよ!と勘で調整する。

南無三!!きっとうまくいく!ビリーブマイセルフ!わし!

 

「沸騰したら10分弱火で!!」

バロさんに炊飯時間を伝える。あとは任せた...!!

 

米が炊けるまでの間、団長が差し入れしてくれたコストコのソーセージを焼いたりムール貝の酒蒸しに挑戦したりした。団長がダッチオーブンの中に酒をぶっかけたら、レストランで見るような鍋から火を噴くアレが始まってすごかった。業火の崇拝者だった。プラトーンのポーズとって写真撮ってもらえばよかった。それにしても酒瓶を片手にダッチオーブンの炎を操る団長はまたしてもお洒落だった。突然致死性のお洒落振りまくのやめて欲しいほんと。マジでヤバイ、お洒落過多!もう明日の朝わしテントの中で動かなくなってるかも...。

 

そして米が炊けた。

バッチリだった。固くも柔らかくもない!

完璧だ!!

 

流石インターネット!インターネットはすべてを解決する!!

わしの勘は冴えわたり、バロさんによるミリ単位のガスコンロのつまみの調節具合も完璧だった!

イケる!!この米ならば"アレ"が作れる!!

 

さぁ...準備は整った。

わしは全員を集めて、これより執り行う"儀"の説明を始めた...。

 

「今から、みなさんに"きりちんぽ"を造っていただきますッッ‼︎‼︎」

 

 

 

 

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