先日高円寺に再び立ち寄ることができました。
氷川神社と気象神社に行った後、気になっていたアール座図書館というカフェに行ってみました。
ここの一番の特徴は会話が禁止ということです。
ひそひそ話も禁止。
一人の時間を楽しむための場所で、様々な工夫が徹底されて行われています。
まず入り口を見つけるのに苦労しました。
なぜか目の前にあるのに入り口を見つけられなくて素通りしてしまっていました。
この辺からかすでに隠れ家感があります。
とりあえうビルの入り口から2階に上がると、鉄の扉がありました。
カフェとしてはとても入りづらい扉で、一瞬引き返そうかと思ってしまいました。
しかし覗き穴があって、なぜか外側から中を覗けるようになっています。
ここまで来て引き返すのももったいないので少しだけ勇気を振り絞って、中に入ってみました。
中に入ってみると薄暗い空間で様々なところに色々なタイプの座席があるなんだかルパンとかのアジトになりそうな空間が広がっていました。
店内には本棚があり、様々なジャンルの本が楽しめるようになっています。
空間には絵画があったり色々な置物あったり、その場にいるだけで色々な好奇心が刺激されてなぜだか飽きません。
どうしても長居したくなるような要素が満載の空間です。
ほとんどの座席は一人用。
二人用の座席も少しあります。
目の前に水槽がある空間。
万華鏡が楽しめる空間。
学習机で楽しめる空間。
ベタという魚の金魚鉢が楽しめる空間。
などなど個性的な座席だらけです。
そして嬉しいことに滞在中、他の席が空いていれば自由に席移動ができるので、色々な席を楽しむこともできます。
今回一つ空いていたのが、図では3番の”柱にはさまれたおこもり間No.1の席” に座ることができました。
柱とライティングビューローに挟まれて完全に個室化しています。
隣の座席にある大きな水槽があります。水の循環気があります。
そこから流れ出る水の音が絶妙なbgmになっていて、何も音がないよりもむしろ静寂を演出しているような気がしました。
このカフェを楽しむための注意書きがありました。おしゃべりが禁止など、静寂に関することは厳格ですが、あとは色々な自由が許されていて、一人の時間を存分に楽しめるように工夫されています。
オレンジ風味のカフェオレを注文。
なぜかこの写真を見るだけで、カフェオレのオレンジ風味の味が蘇るような感じがします。
目の前の引き出しを開けると様々な鉱物のコレクションがありました。何も考えずに好物を眺めるのはとても贅沢な時間の使い方です。
引き出しや目の前の棚にあるノートには、これまでにこの席に座った人たちが色々な気持ちを書き綴ってありました。
おこもり間のある座席の雰囲気が、みんなの内面を刺激するんだと思うのですが、本当にみんな心の内側の葛藤や人生の色々なことを文学のように表現していました。
初めは本でも読もうかなあと思っていたのですが、気がつくとこのノートに夢中になっていました。
なんだか色々な人の人生が詰まった隠れ家のような座席でした。
一人の時間を満喫してお店を出ました。
お店の外には普段通りの街の喧騒があって、店の中の静けさとあまりに対照的だったので、かえって新鮮な気分になりました。
帰り道に出会った紫陽花が普段よりも美しく感じました。