クリスマスは夜の街に灯りが増え冷たい風の中で煌めく様が雪のない街でもそれを思い出させる。
ミスドのクリスマスといえばポンデリースであるがこれと言って食べたいものでもない。しかし今回はピカチュウに使われているプリン風味のチョコがかかっているので選んだ。他の要素は特にないただのポンデリングである。
同時期に出ているショコラと違い本来のまっちりきじである。皿においたまま作業をしているとどこからか甘い香りが漂ってくる。辿ってみるとそれはプリンフレーバーのカラメルの香りであった。強い香りに誘われひたくちかじるとなんとも言えない感情が湧き上がるさっきまでの香りもそこから想像した味も全くしてこないのだ。
必死に口内にプリンを探すとほんのり流れてくる風味。その僅かな味わいにさみしさを感じながら上についたチョコのカリカリと音を立てるのを感じる。プリンが失敗なのかポンデ生地との相性か。
少し逡巡してわたしはコーヒーでそれらの思いを流し込んだ。ここはミスドである。