日本一周の前半を終えてから、早、2週間が経つ。
実家からアパートに戻り、5年かけて作り上げた1K10畳の僕の城へ帰ってきた。
色々な片づけを済まし、旅中からずっっっっと楽しみにしていた、
かつてのルーティーンへと足を踏み入れる。
それがネルドリップ珈琲である。
冷蔵庫で半年の冷凍睡眠から目覚めたネルは、カビも生えずに帰りを待っていてくれたようでホッと一息。
疑ってはいないけど、一応、煮沸消毒するね。一応ね?
こちらは、旅に持っていったが一度も使うことが無かった珈琲豆である。
5~10月のこの旅では、どこかで淹れようと思っていたホットコーヒーも
地獄の温水と化してしまうのは容易には想像することができなかった。
自慢の電動ミルの埃を落とし、ダイアルを細引きに合わせる。
スイッチを入れると、懐かしく、心地の良い「ガリガリ」という音が耳を通り抜けた。
さあてさあて、ドリップの時間だ。
お湯の温度は70℃、ゆっくりと水を「ろ過」していく。
(あえてろ過と言う。)
完成。
湯気から香る懐かしい香りにドーパミンが溢れる。
お気に入りの益子焼のカップで、ゆっくり一口啜る...。
「ㇰッッッッソマズッッッッ!!!!!」
なんだこれは...
なんなんだこの変な酸味...
答えは明白だった。
約半年間、車内で日光に照らされ続けた豆が酸化しない訳が無いのである。
確かに香りが…かなりヤバい。
さて、どうしたものか...この豆を...。
このままでは悔しいし、
豆を捨てるのもモッタイナイ。
応急処置を試みることにした。
この古い珈琲豆を炒ってみるのだ。
今度はダイアルを粗挽きにしてみる。
粗い粉ができた。
これをフライパンに投入~
数分炒ってみるがこれがなかなかシビア。
足らなくてもダメな気がするし、行き過ぎてもダメな気がする...。
ここだ!というとこで引き上げ、再度ドリップに挑戦。
今度こそ完成~
香りは...さっきより飛んでしまっているな...。
肝心の味であるが…
…嫌な酸味が消えている...!!
さっきの一杯よりは格段に飲みやすい。
連想するのは、コンビニ等で売っているインスタントのドリップ珈琲の味...。
こんな感じのやつである。
まあ、最善の修正はできたんじゃないのかな...。
総じて何が言いたいかというと、
これからは西の旅に出発するまでは
「こういう記事が中心になる」ということである。
まだ見ぬ西の大地に、
そして「焙煎したてのドリップ珈琲」に、
想いを馳せながら、何とも言えない味の珈琲を啜る。
それでは◎