なんで胃袋の大きさって決まっているんだろう…と、いぶかしく思うぐらい、台湾の街を歩いていると、一日中、あちこちから美味しそうなグルメが五感を刺激してきます。
なかでも、朝ごはん専門のお店は、まだ陽の上がらないうちから営業しているところも多く、台湾庶民グルメの象徴的な存在になっているといっても言い過ぎではありません。
今回は、そんな数多ある朝ごはん専門店の中でも、行列と待ち時間の長さでは「台湾随一」と言われているとかいないとか…というお店に行ってきましたので、書き留めておきたいと思います!
読み方は中国語っぽいカタカナで書くと、「フー・ハン・トウ・ジァン」という感じです(声調抜きピンインで書くとfu hang dou jiang)。
「阜杭」がお店の屋号で、「豆漿」は朝ごはんには定番の飲み物の名前です。
「阜杭豆漿」で検索してもらうとすぐにわかりますが、このお店、台北の朝ごはん屋さんとしては超有名で、ガイドブックなどにも必ず掲載されている、台湾に少しでも興味がある方なら「今さら?」感満載のお店です!(≧∇≦)
とはいえ、「台北ナビ」のレポート記事にもありますように、超有名店の超人気店で超行列店なので、ついつい紹介したくなっちゃうんですよね^^;
僕もこれまでに知人と一緒に何度か足を運んだことがあるのですが、だいたい8時〜9時ごろに到着して、1時間ほど並んで、ようやく朝食…という感じなので、紹介はしたいものの、写真を撮ったり、ゆっくり味わったりということがあんまりできずにいました。
でも、今回は初めてひとりで、しかも開店時間前にお店に到着することができましたので、レポート記事としてまとめておきたいと思います!
場所は台北駅から都市交通システムであるMRTのブルーライン(藍線)で東に一駅、「善導寺」駅で下車します。
地下にある善導寺駅の改札を出て、5番出口を上がって見上げると、「華山市場」という看板のあるビルが建っていまして、そこの2階にお店があります。
僕が今回、お店を訪れたのは2018年11月2日、平日の早朝5時20分ごろに到着しました。
ちなみに、営業時間は朝5時30分〜12時30分(ただし、料理がなくなり次第終了)となっています。
写真は朝食購入後に撮影したので2階が明るくなっていますが、僕が到着した時にはまだ真っ暗でした。
お店は2階にあるので、階段を探して上がっていくと…
もうすでに、10人ほどの行列ができていました!みんな、早い!
並んでいる方の雰囲気では、日本からの観光客が3人、あとはみなさん出勤・通学前や朝の運動を兼ねて買いに来ていた感じの方々でした。
このお店に限らず、台湾では朝ごはんを外で買って、その場で食べるor職場・学校で食べるという方が多いので、街の至るところに朝ごはん専門店があります。
外で食べる人が多いから専門店ができたのか、専門店ができたから外で食べる人が増えたのか…そのあたりのことはわかりません^^;
で、上の写真で行列の先頭に位置する場所は注文・会計カウンターですが、振り返るとすぐの場所に、ガラス張りの作業スペースがあり、製造工程を見ることができます。
真ん中の網かごに入っているものが、左側の見るからに熱そうな窯でドンドン焼かれていきます。
奥のほうでは、生地をこねている様子が見えますね。
これ、また後で出てきます!
待つこと10分、フロア全体の灯りも点いて、注文開始!
ちなみに、メニューもありましたが、撮影し忘れてしまいました…このあたりがまだまだブログ初心者ですね^^;
メニューには写真と日本語表記も載っていましたので、言葉に不安がある場合は、メニューを指差しながら注文するというのがベストだと思います。
というのも、たくさんのお客さんが並ぶからか、店員さんの「急かしっぷり」がハンパありません!
まず、注文は、①お店で食べるかテイクアウトか、②飲み物、③食事、④会計の順番で進むのですが、ここでつまずくと、あからさまに迷惑そうな顔をされます。
(ちなみに、お店で食べる場合は中国語で「内用(ネイユン)」、テイクアウトは「外帶(ワイタイ)」です。この表現はどこのお店でも使えます)
僕は以前に迷惑そうな顔をされた経験をしたので、今回は注文の順番を頭に入れて臨みました。
ですが、今回も食事を頼むときに、ひとつずつ頼んでいると、「繼續說!(続けて言って!)」と言われました…
まあ、笑顔だったので心は折れませんでしたけれど^^;
もちろん、店員さんも懸命に働いているわけで、ここでいちいち心が折れても仕方がありません。
みなさんが行かれたときも、「美味しい朝食が食べられる!」と思って、頑張って乗り越えてください!
で、今回は宿泊したホテルも近かったので、テイクアウトにして部屋でゆっくり食べることにしました。
ちなみに、お店の食事スペースはこんな感じ。
いわゆる「フードコート」のような感じで、ほかのお店と共有のスペースなのですが、この時間に開いているのは阜杭豆漿だけなので、このお店のお客さんで席が埋まっていきます。
僕は朝ごはんが冷めないうちにホテルに帰って、部屋のテーブルに広げていただきました。
紙袋1つ、ビニール袋2つ、紙コップ1つ。
(ちなみに台湾では、ビニール袋に食べ物を「直入れ」することがよくあります。ラーメンとかもビニール袋に入れてテイクアウトします)
で、それぞれの中身はというと…まずは、こちら!
上の写真で窯の外に置かれていたアレを半分に割って、中にネギ入りの玉子焼きを挟んだ「厚餅夾蛋」です!1個40元!日本円で約150円!
「厚餅」が外側の生地の名前、「夾蛋」は「玉子を挟む」という意味です。
中国語では、小麦粉で作った生地などを「餅」といいます。
で、食べてみると、生地は外がパリパリ、中はモチモチ…
外側に振ってあるゴマも香ばしくていいアクセントになっていますし、玉子焼きとの相性も良いです。
特に調味料による味付けはされていないので、素朴な風味が口の中に広がります!
これだけでお腹いっぱいになるのですが、今回はもうひとつ、台湾の朝食といえば定番の、こちらも買いました!
薄めのもっちり生地に玉子焼きを挟んだ「蛋餅」です!1つ30元!約110円!
…ちょっと、玉子を摂取しすぎました^^;
蛋餅は台湾の朝ごはん屋さんならどこでも売っている定番中の定番メニューで、お店によって玉子にツナやコーン、チーズを入れるなど、いろんなアレンジが大人気です!
こちらは甘辛い醤油ベースのタレをかけて食べます。
生地が本当にモチモチしていて美味しいのですが…
確か、お店で食べたときには切り分けてくれていたはずなのですが…忘れたのでしょうか?
味は醤油ダレと生地の風味と玉子がマッチしていて、朝から食べても濃くない感じでペロッといけますよ!
で、こうした食事と合わせて飲むのが、こちら!
お店の名前にも入っている、温かい「豆漿」です!1杯30元!
大豆から絞り出した、いわゆる「豆乳」ですが、これは甘い風味がつけてある「甜豆漿」と呼ばれるものです。
これには温かいもの(熱豆漿)と冷たいもの(冰豆漿)があります。
実は、冒頭に挙げた台北ナビの記事などで「名物」としてよく挙げられているのは、「鹹豆漿」という、塩味がかった豆乳に揚げパンやネギなどが入っているものなのですが、こちらは飲み物というより料理に近い感じになります。
今回は上に挙げたおかず2品と合わせたかったので、甘い風味のこちらにしました。
甘いといっても、本当に風味付け程度のほんのりとした甘さで、大豆の風味と相まって、やさしい味に仕上がっています。
温かいというのもまた、身体に染み入るようで、栄養が行き渡っているな〜と感じます。
これだけで十分にお腹いっぱいなのですが、最後にどうしても一口食べたいなと思って買ってしまったのが、こちら!
「焦糖甜餅」というスイーツです!1つ25元!約90円!
「焦糖」は「カラメル」、「甜餅」は甘い生地という意味です。
白ゴマたっぷりの生地の中は空洞になっていて、薄くカラメルソースが入っています。
これがまた、甘ったるくなくて、朝食に食べるのにはもってこいなんです!
これで朝食を「〆る」というのもまた、朝からいい気分になるな〜と思いました。
という感じで、朝からお腹いっぱいになりました!
これで全部で125元。日本円で言うと約460円ほどですから安く感じますが、台湾の朝ごはんとしては食べ過ぎ、支出し過ぎな感じがします^^;
僕は「蛋餅」と「豆漿」の組み合わせで済ませることが多いので、60元(約220円)ほどで収まる場合がほとんどです。
台湾には朝ごはん屋さんがあちこちにあるので、ホテルの朝食も良いのですが、台湾の朝を楽しむならぜひ、街角にある朝ごはん専門店で食事をしてほしいと思います!
そのなかで、この「阜杭豆漿」は安定の味!という気がしますので、一度は食べてもらっても良いかもしれません。
もちろん、お店に行かれる際には、めっちゃ早起き、もしくは夜中眠らずに、陽が昇る前の開店時にお店に着くか、または行列覚悟でお店に向かってください!
ちなみに、翌日の土曜日、朝9時ごろにお店の入るビルの前を通ると…
2階の注文カウンターから階段を通ってここまでズラッと人が並んでいました。ここまででたぶん、50〜60人ぐらい。
さらに、そこから行列は伸びて…
奥が、上の写真の曲がり角です…総勢、100人ぐらい並んでいたでしょうか^^;
台湾で行列に並んで朝食を食べるというのもまた、旅のいい記念になるかもしれません!
ぜひ、美味しい朝食を台湾で食べてください!