社長イーロン・マスクはアイアンマン主人公トニースタークのモデル、ロケットのスペースX社設立者、ペイパル創業者の顔を持つスーパー実業家。
電気自動車ベンチャーとして2003年に立ち上げたTESLA(テスラ)は、わずか4年で「世界のGM」を時価総額で抜き、一躍世界で注目を浴びたのは有名。
そのテスラが今年の幕張メッセ「CEATEC JAPAN2018」に進出!
EVカーのイメージを覆す、外観と性能。ガルウイングが注目を浴びてました。
CEATECは国際家電見本市としてスタートしたが、当初の白物家中心からどんどん変革中。
少し前は4K,8Kなどまるで映像市、去年はAIやロボットブーム、自動運転カーもまさにこの分野なので自動車メーカー系も参入して話題になった。
ことしはさらにブロックチェーンの活用や、次世代通信5Gビジネスと幅が出ている。
そんな中、超高級EVカーで他の自動車メーカーとは一線を画す戦略を展開中のテスラがついにCEATECに登場!
日本で「電気自動車」というと、「エコ」が全面に出され、街乗り用の「市民カー」のイメージが強い。
レガシーな自動車メーカでは国内外を問わず、EVは大衆車に主焦点を置く戦略を展開している。
しかしテスラは違うよ。
モデルP100Dはスタートから時速100Kmに達するのにわずか2.7秒。
ポルシェを凌ぎ、1億円もするF1マシンに匹敵する超加速性能。
比べる物すら困るスポーツ性、ボリュームある存在感バツグンのデザイン、ゴージャスな内装と、一般のEVカーでの「節約志向」なんかまったく関係ないコンセプトの車です。
電気自動車EVカーは、最大コストはバッテリーにある。
ガソリンやディーゼルエンジンに匹敵するバワーを生むモータはそれだけ電力も必要。
EVカーには給電ポストの設置が十分にない現状では、走行距離の確保のため
バッテリを大きくなる=重くなる
そして高性能リチウムイオンバッテリは大変高価でもある
だから普通のEVカーは大衆車としての価格帯に抑えるため、性能上最低限十分なギリギリのバッテリーにせざるを得ない。
ボディも内装も軽量化を最優先として設計せざる終えず、遊び心は削られる。
このあたりをどう解決したのかテスラの方に聞くことができました。
イーロン・マスクが打ち出した発想は、「まったく逆」だった。
テスラは「あらゆる面で満足を与える車」を考えた。
コストは無視して。
(ここのポイントは「電気自動車EVカーを作る」が最優先でないことね)
・モータエンジンの進化はすばらしく、内燃機関エンジンをしのぐ加速とスムーズさを実現することができる。
・モーターによるEVシステムは、何世紀も続いたエンジンルームや動力伝達系や制御系の配置の制約から自動車を解放する。
結果として、すぐれた加速性能と運動性能、美しく力強いカーフォルム、自由度の高い内外装デザインを手に入れることができた。
そして、この、「唯一テスラだけが実現できた”すばらしさ”を理解しする人」だけに対して車を売るビジネスモデルを展開している。
「高い欲求の満足に対価を惜しまなない富裕層」に特化した車、それが「テスラ」だ。
そして、これが、テスラがEVカーを採用している本当の理由。(EV=エコなんて考え、イーロン・マスクには無かったのかもね?)
トヨタもGMもBMWも、EVカーの電池コストは最大の課題のひとつ。
それをテスラは、「高くても買ってくれる人だけを狙った車」で解決してしまった。
逆転の発想こそ、イーロンマスクが天才実業家と言われる秘密じゃないかな。
テスラがいくらかって?
お値段出てますよ、まあ主力は18,000,0000円くらいってところですね。
おひとついかが?
最後に、どんな日本戦略を描いているか聞いて見た。
*日本市場の可能性は?
日本はこの小さな国の中に、世界トップクラスの自動車メーカがひしめいている。
またGMですら市場の一部と言えるほども取れておらず米自動車は成功していない。
だが、テスラは過去のどの車ともちがう。このショーでの反応を見ても日本で成功できると確信している。
*課題は?
今は充電出来る場所が限られている。
ポストのネットワークを早急に充実させていきたい。
*今後の戦略は?
欧米の展開は順調だ。電池制御についてもかなりのノウハウ※を蓄積できている。
まだ若い会社であり、「EVカー」メーカーに徹するとも決まっているわけではない。まだまだ挑戦※する。
(※これはちょっと意味ありかも。
実はテスラは、アメリカがあるハリケーンに襲われた時、長距離避難や途中充電が困難な事態であることを考慮して、テスラのバッテリー上がりを防ぐため、普段は60KVAのカーバッテリ容量を75KVAまで拡張して、ユーザーの避難を支援した逸話がある。
こんなことが可能だったのは、贅沢に余裕をもって設計・実装されており、且つハイテクなテスラ車だからできたこと。
どうやってバッテリを拡張したか?仕組みはこう。
テスラは、実は一般EVカーより20%ほど大きい75KVAのバッテリを積んでいながら、普段は制御ソフトが60KVAとして使っている。
また、制御システムをリモートメンテナンスできる仕組みを持っているハイテクカー。
上記の時には、この2つを活かして、ネットワーク経由でバッテリー制御ソフトに指令を送り、使用できる上限容量を最大75KVAまで使用できるようにしたそうだ。
なお、なぜ普段は60KVAの範囲で使っているかは、20%を電池劣化への”糊しろ”と使えることと、80%充電はリチウム電池を延命するベストな運用方法ということ、また、そもそも他社にくらべ性能にそん色ない、高い価格で売れるからバッテリをケチる必要がなかった、などなど。
このあたりの電池制御と利用ノウハウは、テスラが一番溜めていそうです。
また、テスラ搭載のバッテリは「Panasonicとの共同開発」と言われていますが、自動車だけでなく、電池周りでもビジネスを描くのかもしれません。
とにかくテスラ、単なるEVカーだけでなく奥が深くて興味深い話が聞けました。
ただ、我が家はきっと一生買えない。ここで触って乗れて、せめてバーチャル富豪気分~。