新年始まってすぐの頃に、美味しいものを食べると、なんかこの一年、ラッキーかな~などと思う。
先日、何年かぶりの友人と会った。代官山の住宅地の中にあるイタリアンレストランで。友人は、普段イタリアに住んでいて、椅子を作っているのだが、自分も椅子の形状に興味を惹かれる方であり、椅子の話をしているうちに、テーブルクロスの話になった。
椅子とテーブルとテーブルクロス。わざとらしい感じにならず、さりげなく、その場の雰囲気を良くする組み合わせ。テーブルクロスのデザインや、洗濯され具合・・・
チェックのテーブルクロスの、よく洗濯されて色が薄れた感じもいいよね!!
とか、
白いテーブルクロスもいい!などと言っているうちに、思いだしたのは、もう何年か前の正月休みのころのこと。
その前の年の12月頭に、何もないところで足の甲からくるぶしに向かうあたりの骨を折った自分。
信号が変わるっって慌てて渡ろうとして、横にぐきっとなったところに全体重がかかり、ブチって言った・・・筋かと思ったら骨だった。
即行その時履いていたヒールの靴は捨てたのだが、しばらく松葉杖、正月過ぎてやっと松葉杖なしになった頃のこと。
男友達に誘われて、竹橋にある美術館に行ったのだった。
(東京国立近代美術館っていうのがどうも覚えられず、いつも、竹橋の美術館と言ってしまう。)
その友達については、長く知っているけれど、こちらからは恋愛感情皆無。
無害な男友達で、安心ないい人!って思っていた。
昼頃、神保町で待ち合わせ。病み上がり風の自分、チャコールグレーのざっくりしたタートルネックのセーターと、ワイドレッグ気味の紺のパンツにスニーカーという、バブル体験男らからは非難ごうごうになりそうないでたちである。
(その日の友人は、バブルあとに大人になった人。)
美術館行く前に、お昼食べようと言うので、ついていったら、
へっ・・・
え・・・・・ここ?
「ラー エ ミクニ」
美術館にくっついてるレストランなんて大したことないよ!雰囲気だけで、高いし!って考えが変わるようなレストランである。
こんな格好で来ていいんですかぁ・・・・・ちょっとーーダメでしょうと、心の中で呟きながらテーブルに案内された。
白い、テーブルクロスが!まぶしい!
え、こんなところで新年早々ランチだなんて!!!とドキドキしながら、メニューを見て、注文。
まずやってきたのは、パンと、バターなのであるが、そのバターがピラミッド型だったわけ。
ピラミッド型のバターは珍しくないかもしれないが、もっさりと冬眠から覚めたような格好でやってきた自分が白いテーブルクロスとその上のこれまた美味しいそうな薄黄色をしたピラミッド型のバターを前にする。
なんか感動した。
その時、その男友達のポイントは40点くらい上がった。
・・・という出来事を思い出した。テーブルクロスの話から。
菊花っぽく絞り出したバターもあるよね、とバター話を続けると、
その日の友人(イタリア住んでる人ね!)は、自分が今まで見たバターの話をしてくれた。
大きな塊のバターをどーんと目の前に出されて、そこにぐさっとバターナイフが刺さってた時あって、そのバターがこれまたすごく美味しかった!と。
ええ~~!!へ~~~!!写真ないの?
・・・バター話に大興奮した私を、友人は「バターフェチって初めて見た!バターが好きなの?」
いや、バターの出され方、バターの形状が気になるのよ。
そう言う割には、バターの写真を撮っていないことに気づいた。
今年は、バターの写真を撮ろうと思う・・・・