「メルカリ」と「渋谷109」は共同で、初売りの風物詩である福袋のリセールプロジェクトを行う。
メルカリは1月2~5日に渋谷109の2階にポップアップショップをオープンし、その場で購入した商品の撮影・梱包ができるようにするほか、「メルカリ」の梱包資材を封入した「売れる福袋」を無料配布する。(WWD 2019/12/18)
渋谷109の福袋、客の転売による2次流通で全国販売が可能になる。フリマアプリのメルカリと組み、客に在庫を販売させる手法に踏み込んだ。自然発生的な客同士の物々交換とは次元が違う、商習慣が行き交う業者の商流に消費者が参加する。アパレルの在庫処分はもうアンタッチャブルな世界、バッタ屋に買い叩かれるか、新品を泣く泣く廃棄処分にするか。「そうだメルカリがあるじゃないか、客に転売業者になってもらいましょう」ということらしい。
澤邊亮SHIBUYA109総支配人は「福袋自体も一部では売る前に中身を見せたり、購入者もすぐにSNSで公開したりと以前とは変わってきていた。今回は、若い人たちにとって当たり前の買ったものをそのまま売ったり交換をしたりという行動自体は、SDGsにも沿った地球のための行動になっている、ということを福袋を通じて啓発したい」と語る。(WWD のインタビュー)https://www.wwdjapan.com/articles/993361
衣料品の市場規模は年々縮小し供給量と余剰在庫が増えている。これが福袋の位置付けだ。大量に作らないと採算が取れない業界の構造に問題があり、客の転売にSDGsを持ち出すのは焦点がずれてグリーン・ウォッシュを感じる。一方でキャッシュレス社会の地ならしが始まり、販売と消費が溶けあう近未来、来るべきトークン経済の一端が垣間見えて興味深い。さて、残り物に福ありや。