こんにちは!
日頃、制作会社や広告会社との業務委託で活動をしているフリーランスウェブディレクターが、他のディレクターに伝えたい言葉を思ったら即!の精神で書き綴っている雑多なメモ帳です。ちょっと立場が近い方や、若手ディレクターの方にとって、ここの言葉のひとつでも役に立ってくれれば幸いです。
溜まったら整理、気が向いたら記事化したいと思います。(ブログほんとに向いてないです、、、書けない、続かない…。)
支援会社出身の制作ディレクターなので、そちら経験に偏りあり。かつ現在フリーランスなので、ちょっと営業目線やビジネス視点も混ざります。
あくまで、「お客さんのビジネスを前進させる、リードする」ということが第一前提だよ。情熱を持って自らがお客さんかのように積極的に主体的に事業なりゴリゴリ進めていく気持ちを絶対に忘れないで!(ここが抜けると辛くなるよ。)
その上で大事なのが「お客さんのビジネスを前進させる、リードする…自分の得意・専門分野で」ってこと。お客さんではわからないウェブのこと、デジマのこと、ユーザー心理や行動のこと…しっかりとリードし、巻き込みながら進めていくことが大事だよ。
ディレクターって何?業務範囲ってどこからどこまで?これについてはまずは前提として、
・ディレクターの業務・経験領域って広すぎるよ!一人ですべてに関わってすべての経験が豊富なディレクターってほんの一握りだよ。案件の大小、業種、サイトの種別、担当工程、いろいろだよ!だから僕もしっかり偏ってる。偏ってることは悪いことじゃないよ!
・でも偏りあれど、経験領域違えど、ディレクターとしてのエッセンスはきっと一緒だよ!(上記の心持ちの部分!)得意は伸ばして、違う領域のディレクターの話はよく聞いて勉強し、チャレンジしたいことには積極的に機会獲得を狙おう!
・案件の打診を受けたとしよう。それが今までやったことがない仕事や業種、規模といったチャレンジ領域だったとした時に「自分はまだあまりこういう案件の経験ないから…」と萎縮や遠慮するのは意味がないよ!
・今までやったことがある仕事と同じような仕事なら自信持ってできるよね。やったことないから自信ない?そうじゃないよ!あなたの得意な仕事だろうがそうでなかろうが、結局最後はその案件にアサインされたディレクターが頑張って、クライアントやユーザーのニーズに合った良いものを目指して頑張ったものが納品されるんだから。どこの誰がやっても同じものはできない。だから、「自分はこう思う!」を大事にしてそれをしっかり押していこう!
・もちろん、それを見直したり考え直したり、いろんな意見や視点、事情を組み入れたりと、トントンカンカン叩き上げて修正しながらだよ。そうやって進める以外この仕事ってないんだよ。人が思っていることしか実現しないんだから、その人として、胸を張って主張していこう!
・ロジカルに自分の考えを伝えることができると、信用につながりやすいよ!というのは実は建前だと思うんだ。ロジカル=正しいではない。筋道が立っていて抜け漏れや穴がない説明は、単に正攻法で論破しづらいからだよ。できた方が合意形成や進行をスムーズにできる、というテクニックに過ぎない。でもとても有効だから身につけていこうね!そして、必ずしもロジカルだから正しい、というわけではないということ頭にいれながら「本当にこれで正しい?なにか抜け漏れてない?」を常に自問自答しながら仕事をしよう。その習慣があなたをどんどん高めてくれるよ!
・「自分の過去の対応案件と今回の案件は関係が薄いのですが、でも過去こういう案件をやっているときにこういうことを取り組んでいました。今回の案件では、種別は違えどこういうところに共通点があります。こういうリスクや懸念に対し、このような考え(や方法、進め方)を適用すれば、こうこう良くなるんじゃないでしょうか?」みたいな伝え方ができれば、相手も「なるほどそういう発想(や、懸念とか)もあるのか!」と気付きになるし、それがあなたの価値につながるよ!積極的で思慮深く意欲的な人がひときわ輝く。それはどの案件でも一緒だよ。誰でもいいんだよ。だからあなたがそうなろう!
・アイディアよりも、論法の方が大事な場面が多いよ!それを決められた予算、決められた納期を目指して収めたり、収まらない場合はなんとか交渉して妥協点を見出したり、といったところをしっかり抑えるのがビジネスだからね。
・ロジカルシンキングにおいて、ビジネスフレームワークを学んで、活用できるものをしっかり取り入れよう!ディレクターやってきて特に大事だといつも感じているのは、MECE ( https://www.kaonavi.jp/dictionary/mece/ )だよ。要件定義から制作に至るまで、ディレクター業務の多くの場面で気にかけるよ!
・クライアントでも協働するメンバーやパートナー、どこの場面でもそうなんだけど、人によって<具体的に>に話さないと伝わりづらい人、<抽象的に>話さないと伝わりづらい人とでタイプが分かれがちだよ。軽いところでジャブを何発か打ってみて反応から相手のタイプをうかがい知ろう。それによって会議の場などでの話し方もかわってくるよ。適切な選択で優位なポジションを築きながら案件を進めたいね。
・これは資料づくりも同じだよ!<具体的に>に話さないと伝わりづらいタイプの人には、具体例を多く並べて結論として抽象的にくくるような資料がいいし、<抽象的に>話さないと伝わりづらい人なら、頭でしっかり抽象的な概念説明で大枠を落とし込むような資料にする方がいいかもね。その場合、具体例なんかは想像がついたりあてが思いついたりするケースもあるので、具体例なんかはAppendix的にさらっとペタペタ掲載するだけでも全然十分だったりもするよ。
・プログラマーのような思考で物事を考えよう。例えば、作ったものは必ずテストをいれる、といった習慣がそうだよ。プログラマーは作りたいものに対してバーーーっと全てのプログラムを書ききらないよ。必ず細かい単位で命令を記述したごとに小さいテストを入れて思ったとおり動くか試して進める。予期せぬ値が入った時やエラーが起きたときの挙動はどうするかなど、考えうる全てのシチュエーションを加味して書いていく。(厳密にはそれが加味された全てのケースを書いていく。)石橋を叩いて渡るわけだよ。
・ディレクターも同じ思考で仕事をしよう。ディレクターが作るものはなんだろう。WBS、スケジュール、要件定義の際の資料、サイト設計、色々あるよね。それらに対して、ざっくり作っては色んなケースを考えて見直し、ちょっと進めては誰かのレビュー(=テスト)を入れてフィードバックを拾って見直し、をやっていくってこと。
・基本的には、いきなり思い込みで作りきって「どやー!」がクライアントやレビュアーにとっては一番だるいよ!でも作りきってしまってからレビューかけたほうが、クライアントも物事や課題の全容がつかみやすいこともある。どういった進め方で、どの程度のテストを挟み込んだ上で、以降どう進めて叩き上げていくか、その組み立てをしながら仕事をしていくと、質の高い仕事ができるよ!
今まで大規模なれど中流〜下流工程のディレクションが多かったが僕が、コンペ提案書と普段作る要件定義等資料との違いを感じたのが以下のこと。
① ロジカルな表現
② ロジカルだけどおせっかいなスタンス表現
③ エモーショナル全振り表現
制作や、取れた案件以降のドキュメントでは①に全振り。でも提案では②③も盛り込むことが大事。正しさや練り込んだ仮説だけではなく、熱意をしっかり伝えて寄り添う姿勢でクライアントの心を動かそう!(特にリテラシーが低かったりノウハウが薄いお客さんほどその方が響く時があるよ。)
・制作ディレクションにおいて、制作者・作業者のメンバー(デザイナーやコーダー)へ指示する際は、彼らが言われたことをやっただけで完成できるような、極力厳密で正確な指示を心がけよう。
・上記に合わせて、「なんでかはわからないけどディレクターがやれって言うからやる」は彼らにとってもストレスだよ。なんでそうするのかの背景も完結に必要な部分だけ伝えてあげよう。そうすることでディレクターが考えつかなかったようなアイディアやアドバイスが制作メンバーから引き出せるかもしれないよ?
・「こういう悩み、問題があって、これをどうにかしたいんです!」だけだと、何をすべきかは制作者が考えないといけないよね。それじゃあディレクションになってないよ!「こういう悩み、問題があってこれをこうやって解決するために、これをこう作ってほしいんです。どうでしょう?これでよければいつまでにできますか?」までしっかり咀嚼、考えを用意してから動こう。(動くとは、アサインだったり、相談だったり、制作指示だよ!)
・エクセルやスプレッドシートを共有して使うなら、書式はきれいに整えよう。
・最終行は予め決めておき、新規行の追加はそれよりも上でやってもらうように明示しておこう。そうすれば関数や条件付き書式の範囲が崩れずらいよ。
・記入漏れなのか、そのセルに該当する情報がないのか、わかるようにしよう。記入漏れは条件付き書式で色を付けるようにして漏れを防ごう。セルにいれるものがないなら「なし」とか「---」とか入れて、わかるようにしよう。例)B列:担当者、C列:同席者の場合、同席者がいなければ、B列:山田、C列:なし、とかね。
・スプレッドシートなら、同じ行に同じ関数が入る場合は、arrayformulaをうまく使うことで表がとっても軽くなるしメンテがしやすくなるよ。小・中規模案件だったら気になることはないけど、大規模なサイトリニューアル案件とかでページの量産対応をするとき(例えば何千〜何万ページの移行をするような案件で、各ページのURL一覧に対応要否、制作ステータス、検証ステータスなどいれて、別シートで全体の何%終わった、何%が作業中、確認中、とか色々煩雑に管理するような場合)スプレッドシートで進捗管理をする時なんかは、シートがめちゃくちゃ重くなるよ!※こんな案件のディレクションは、ほんとにスプレッドシートとの戦いばかりだよ!
・ステータスはステータスのみ、プルダウン選択で。メモ書きは絶対に同じセルに入れさせちゃだめ。右隣に備考を設けてそこに促そう。ソートしづらくなるよ。
・全部に繋がるけど、人間は目で情報を探す動きがとてもストレスで効率を下げるよ。(参考:https://togetter.com/li/1588408)だからエクセルは列ごとに入る項目の種別がきちんと揃うように管理して、書式もルール付けて見た目を整えよう。フラグ系は上下左右中央寄せ、文章系は上詰め左寄せ、とかね。ソートして使う前提として作ろう。セルの結合なんかしちゃだめだよ。ソートできなくなっちゃうからね。セルの幅を変えればいいだけだし、せいぜいこれだね。(https://www.crie.co.jp/chokotech/detail/117/)
・見積もりはとっても大事だよ。ここでうまくやるかミスるかで、得るもの失うもの大きく分かれるからね。
・僕の基本ポリシーは「とれるだけしっかりとる」だよ。でも文字通りの意味とは違って、以下の条件下での最大値を狙うことを考えているよ。
1. 見積もりの妥当性をきちんと示すこと。クライアントがそれに納得していること
2. クライアントの要望や自分に降りてきた案件概要=すべきこと、もしくはすべきことの全てとは多くの場合において限らない。要望の背景まで把握した上で、最適だと思う手段・方法で提案していること
3. 上記2点に対し、クライアントのレビューが入った上で、妥協点や事情が組み込まれている状態であること(例えばクライアントの体制事情、予算事情、既存パートナー/ベンダーやシステム事情など)
・だから見積もりの際に、案件における要件や必要タスク、スケジュールの大枠をしっかりと整理するよ。だから見積もりには時間もかかるよ。でもちゃんとその分の時間は見積もりに含めるよ。見積作成、と項目立てるといやらしいから、要望整理、とかってことで工数つけるかな。見積書は結論であって、妥当性やそう落とし込んだ経緯を示すための資料を作ることも多いよ。整理したものをクライアントにレビューしてもらって修正もするよ。それらの工数も入るよ!
・大変だね!でもそこまでやってくる他社ばかりのクライアント相手には当然必要だよね。そうなったらその上で提案内容や価格感、信頼感で競合に差をつけてしっかりと勝ち取るしかないね!でもそこまでやってくる競合がいないようなクライアント相手なら強いよね。他になにか問題や事情がなければほとんどの場合は受注できるはずだよね!!
・見積もりは、既存の項目に対して工数を当てていくばかりじゃだめ。ちゃんとタスクを整理して、足りていない項目や工数がかかる項目があれば追加して工数を計算しよう。じゃないと、実際に動き出してから、ここは見積もりに項目ないのにめちゃくちゃ働かなきゃいけないじゃん…みたいな悲劇を避けられるよ。
・上記に関連して、もし既存項目で「ここで余分に工数設けておけばいいや」みたいなことをしてしまうと、クライアントからの不審を買っちゃうかもよ?「●●さんとこに頼むと、制作でこんなに工数かかってたけど、この間話聞いた他社だとそんなにかからないっていわれたよ?」「いや、そこにはコミュニケーションや資料作成の時間も入ってまして…」「見積もりの正当性がわからないな…(他者の方が明確そうだな。切り替え検討しようかな。)とか。見積もりの怠惰が原因で、どんなにいい仕事してても不信感を買っちゃうよ?
Wordpressのセキュリティ対策、ディレクターもしっかり手立てを把握しておこう。
プラグイン選定の際は、検討しているプラグインの過去のセキュリティリリースを確認して、インシデント毎に対応しているアップデートを調べて、セキュリティの硬さの根拠として提示するのもひとつ!
プラグインはとりあえずいれちゃえは危険だから、良さそうなのがあったとしても一回調べたいね。引き継いだ案件で、プラグインがたくさん入っている場合はツール診断などで脆弱性を調べて、もしセキュリティ面で危ないものがあればお客さんに断りをいれて削除を検討してもらうといいよ!
・営業かけるなら、しっかりリストを作ろう。会社名だけじゃなくて事業部、何を相談されたのか(逆に相談されていないことを知りたいから。掘ったら意外とソリューションはそっちだったり、話の過程でそっちに広がるかもよ?)
・制作ディレクターってなんだろう?って問に対して、「制作の進行を管理する仕事でしょ?」「作る仕事でしょ?」と思ってたら残念だけどディレクターとしては三流だよ!受けた仕事しか見えてなくない?
・視野を広げて見てみよう!対クライアントのプロジェクトという捉え方ではなく、あくまでクライアントのプロジェクトだよ。そしてクライアントの目線の先にはユーザーがいるよ。対ユーザーに向けたクライアント目的や目標を達成するための成果物を求められるのがディレクターだよ。何を作るべきか?これをやってくれっていわれてるけど本当にそれでいいの?といった視点や切り込み方で目の前のことを掘っていかないと!となると、作るだけの仕事ではないってのがわかるよね?
・だからディレクターは常に三方良しを探そう!その三者というのは「クライアント、自分たち、ユーザー」だよ。クライアントのニーズがユーザーニーズと合致しているか、クライアントニーズが自分たちのニーズ(例えば費用感やスケジュール感)と合致しているか、自分たちの作るものは、しっかりとクライアントとユーザー双方のニーズを組み込めているか、そういう目線での仕事するのがディレクターだんだよ。クライアントの成功と向き合うプロデューサーや、プロジェクトの成功に向き合うPMにはできないこと。ユーザー目線で立ち回れるのはディレクターだけだよ。だからディレクターは社会的意義をインパクトを生み出す気持ちで日々の仕事をしよう。
・頭を使うべき仕事と、頭を使うべきでない仕事を整理しよう。タスク管理なら、GTD( https://minchalle.com/blog/getting-things-done )を習慣づけることで、脳の疲れを回避できるよ。頭を使うべき仕事にのみ、その脳力を発揮しよう!仕事のスピードや効率もアップするよ。
・これらは、自分ではものすごく重要視していることばかりだよ!
・これらを伝えたいって思う場面の多くが、日頃業務の中で他のディレクターと仕事したり、若いディレクターの方と仕事する時に「もっとこうだったらいいのに」って思う場面で思いつくことが多いよ。
・けど、中々これ直接は言えないよね。煙たがられちゃうし、傷つけちゃうし。お互いに時間もないし自分の信じるやり方やこれまでやってきたやり方、あるよね!(僕も同じだよ!)
・だから、全然関係ない第三者の言葉として受け取って生かしてくれる人が読んで役立ててくれるとうれしいよ!
・僕よりももっと熟練手練のディレクターの方や、僕とは経験分野・得意分野がことなるディレクターもいるよね!そういった人の言葉ももらってマージできたら、ディレクター全体にとってとても有益だと思ってるよ!
・ディレクターとか、ウェブディレクションって曖昧だし、みんなが共通のこれっていう定義って見つけづらいよね。バズワードも多いし。そこの組織の古参や立場の強い人が正解になりがちなのがいやなんだよね。そういう靄を取り払ってきれいにディレクターって、、、みたいなことを整理して役立つ金言やノウハウをまとめたいよ。
・「ディレクターとは」を仕事の習慣や仕事のやり方、気構えから社会意義まで定義して、誇りを持てる仕事として昇華させたい気持ちがあるよ!そうできる気もしてる。
・いつかそういうものさしや気持ちを共有できるディレクター集団を作って、いろいろな案件を回してやりがいと誇りを持って社会の役に立つ組織や会社にしたいって思ってる。歴10年そこらディレクターの僕の今の夢だね!
・共感できる人、是非気軽に声をかけてね!!