前回の決意表明の記事から早1カ月半…。
不安いっぱいで成り行きで独立することになった僕ですが、ちょっと売り上げ面で希望が見えてきたので、そろそろこちらでここまでの状況を書き綴っていきたいと思います。
とりあえず、独立したディレクター、と自分の中では軸を定めているつもりですが、実際に現在やっている仕事はディレクター職とはちょっと異なる業務範囲の仕事です。
ECサイトの商品アップロード
一つはECサイトの商品アップロードオペレーター。オフィス器機や家具を販売するショッピングサイトの商品情報のアップロード作業の仕事を紹介していただき、一件単価いくら、といった形態でコツコツやっています。
ウェブ制作およびマーケティング支援
もう一つは、接骨院の新規店舗オープンに伴うウェブマーケティング支援とその流れの中でのウェブ制作。
営業・プロデューサーも兼ねつつディレクターなので、規模は小さいけど今までやってきた仕事に近いようなお仕事。友人がやっているウェブ制作会社にコーディングなどをお願いする形で連携して対応します。サイト制作後も、運用サポートやコンサルで月額の仕事に繋げられたらうれしいと思い提案中。
ディレクションコンサル
そして、ウェブ制作会社に対しての僕の経験や知見をベースとしたウェブディレクションのコンサルティング。これは接骨院のお仕事を一緒にやるパートナーの制作会社に対して行っています。
ぽろぽろ単発のデザイン仕事
その他、もう終わった仕事もあるので現在抱えている仕事ではないですが、いくつかのウェブサイトのデザインのお仕事をこなしたり、イベント会場で配布するサンプリングのティッシュのパッケージデザインを単発で行いました。
イラスト
さらに、Youtubeチャンネルのイラスト等のデザインを受けてやっています。こちらは現状無償で受けている状態なのですが、古い仲の良い友達の依頼なので将来に期待して…。
サイトアフィリエイト
あと、サイトアフィリエイトをやっています。サイトアフィリエイトはディレクターとしての知見が活きて尚且つ売り上げに繋がりやすいので、ディレクターにとってはすごくいい場だと思います。
コンテンツの企画や画面設計、それこそユーザービリティやUI/UXと日頃から向き合っているWebディレクターは、サイトアフィリエイトという戦場では競合と比べてスキル的な優位性が高いと思います。
6月にサイトを立ち上げ、7月の末に広告を設置してから、8月、9月、10月と順調に売り上げを伸ばしており、記事の追加もあまりせずとも放置状態で収益が出ているのでありがたい限りです。
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といった感じで、なんかいっぱいやってそうな感じですが、実際まだまだ暇で、悠々とやりつつ、ちょっと数日遊んでしまうとニートのような感覚に陥ってしまうので、要所要所で気を引き締めつつって感じでやっています。
現在月20~30万ほどの売上がたってきている感じです。
同棲しているため二人分の生活費を捻出するにはまだまだ及ばず、しばらくは緩く貯金を崩しながら売り上げと仕事を作っていき、来年黒字化したタイミングあたりで法人化というイメージでいます。
独立しはじめてからすんなり売上が出てきている状況は本当にありがたいことです。
先の事も前向きに考えられるようになりました。
しかしながら、振り返れば特にこのブログを書こうと思い始めたぐらいの時期やその前の半年間は精神的にけっこう辛かったです。
今回の独立も色々と辛いことが続いた末に、成り行きで決断したことだったので、世間でよく聞く「よし!期は満ちた!準備もできたし独立だ!」的なポジティブではつらつなものではありませんでした。
理由は、それまで勤めていた会社の業務や環境に馴染めないままオーバーワーク気味になってしまったことでだんだん不眠症に陥ってしまい、ついに身体を壊して休職状態になってしまったためです。
独立はそういった背景ありきで、追い込まれての決断でした。後ろめたさすらありました。
休職直前、昼も夜も土日も関係なく仕事をしないと回らない状況になってしまい、終電で帰ることも多かったので「これこのままだとちょっとやばいかも」って思いながらも毒を食らわば皿までの精神で食らいついていました。
ある日めまいが始まってついに頭が回らなくなったので大事を取って休んだつもりがそれが最後の出社で、以降、どんどん体調が悪くなっていってしまい完全休職状態になってしました。
家にいても慢性的なめまいに悩まされ、昼間は思考力低下と圧倒的無気力に悩まされ、夜は無意味に不安と考え事が頭をめぐり眠れず、眠りについても悪夢ですぐに目が覚めてしまう状況に。
たまには外に出ないと体にも良くないと思い出るものの、ちょっと人が多いところはもちろん、外に出るだけでふらついて気分が悪くなってしまっていたので、数か月間は生活リズムはめちゃくちゃ、部屋に閉じこもっても頭が働かないので何も考えられず、ただぼーっとじっとしているような日々でした。
とにかく無気力で、自分の体から一切の意欲や気力が出てこなくなり、もうこのままずっとそれが戻らないのではないかと不安になりました。なんとかしなくちゃという思いはあるのですが、なんせ頭が全然働かない。何もできない。やりたくない。当然、復帰も前向きに考えられない。
考え事が次から次へと頭をよぎり、30過ぎてニート同然になってしまった不甲斐なさや、先行きの不安、苦労して積み上げてきたキャリアが台無しになった気がしたり、不安が不安を呼ぶ、悪いループに陥ってしまいました。
加えて、休職してから数カ月間は収入が一切なく、むしろ保険料などお給料から控除されている分を会社に振り込まなきゃいけなくて、経済的な焦りも大きくなりました。
日に日にどんどん減っていく預金残高に焦りを募らせ、「あれ?なんか気づいたら知らないうちに100万ぐらい無くなってない?」みたいな…。
僕の場合、診断書を元に会社の健康保険組合に傷病手当金の申請ができたのですが、手続きの不備があったりでなかなか進まず、生活費や月々の支払で、貯金がみるみる無くなっていき、日増しに顔面蒼白になっていきました。
安めといいつつ復帰の話をしてきたり、申請の不備もミスコミュニケーションが原因だったので、休んでから会社不信も大きくなっていってしまっていました。そのため、傷病手当金も色々理由つけて結局もらえないんじゃないかと疑心暗鬼になっていたので、このままじゃいよいよ持たんぞ…そう思いはじめていました。
睡眠薬や不安を和らげる薬を処方されていたおかげで何とかやれていましたが、非常に大きな不安と、体調・無気力との闘いがあったので、体調面だけでなく、本当に精神を病んでおかしくなっていたかもしれないです。
「今年は何やっても不運。そういう年。じっと耐え忍ぶべし。そのうちきっとちょっとづつ上向く。」
何カ月もじっとしながら、できることは自分にこういうポジティブなことを言い聞かせるくらいでした。同棲している彼女の見守りも本当にありがたかったです。
そんな中、仲のいい前職の元同僚や、友人、会社の同期とたまにご飯行ったりして、自分の今の状況などを話し、「ちょっとこれから大変かもだから助けてー…」とか細く助けを乞いつつ、話すことでちょっと気が楽になったりして、だんだん徐々に元気を取り戻していき、現在10月。
おかげで体調もよくなり、頭の中のもやもやもとれ、気力も戻り、またもう一度がんばらなきゃなって思えるようになりました。
そのため、気づけば秋。この夏は思い出もなければ、正直記憶もあまりありません笑
今の状況を話した方々の中の何人かが、僕を気遣ってリハビリ的に仕事を紹介してくれたおかげで、ちょっとづつそういったものをこなし、ようやくちゃんと仕事もできるようになってきて、売上が出始めたような感じです。
あちこちに自分の状況を話してたら、その人の中の良い人、またその人の付き合いのある人、といった感じで紹介をいただけたおかげで、会社に属していた時よりも多くの人とハイペースで知り合うことができましたし、これならなんとか独立してもいけるかな、という希望が見えてきたところです。
ディレクターの前に制作の素地があったり、その後ディレクターとしてのキャリアがあれば、独立した方ができることの幅は広いんじゃないかと思いました。
特に僕は、地元の中小企業相手の零細ウェブ制作会社から業界に入ったので、レベルは高くないもののデザイン、コーディング、SEOの素地がありました。零細なので大きな案件はできませんでしたが、小さい案件だからこそ営業から企画、提案、制作から納品、運用までを徹頭徹尾コントロールしてできたことは、良い経験だと思います。
また、大手ウェブ系会社に転職してからは、不動産サイトリニューアルの設計や、大手企業のサイトの多言語化や、海外拠点のウェブサイトを統合したグローバル化案件など、大規模案件も経験しました。
パートナー企業やニアオフ拠点とチームで働く、といったことも経験できましたし、複数の客先常駐で、いろいろな業種・事業の会社で働くことも経験できました。
残念なのは、ウェブ制作を通じて色々な経験ができたにもかかわらず、企業で働いていると、これら経験を整理して、自分の売り物として昇華させるチャンスや機会創出が難しく、結局その時の部署やチームの状況、他の案件状況などの都合で次の仕事が決まっていってしまうことです。
積んできた経験が経歴で止まってしまい、次にアサインされる案件での要求にアダプトするか、上司などが評価したストロングポイントや特性をベースに仕事にマッチングさせられる形になります。
自分が得た経験なのに、その整理が十分にできないまま、また違う業務の流れに放り込まれます。
そうすると、潜在的に持っているスキルが埋もれてしまい、気づかぬまま他人の都合や所属環境の都合によって僕のスキルやレベルは決めつけられ、取り組める仕事の幅も他人に決められてしまうんだということに気づきました。
独立すると、今の自分のできることで人に価値を与えなくてはいけないため、今までやってきたことはもちろん、それ以外にもできそうなことや興味があるものは掘り出して、いかに相手にとっての価値を高めて売り物に昇華して、案件と信頼を構築していくかという思考になりました。
自己管理ができないと、気を抜くと手持ちのスキルの切り売りになってしまい、新しい挑戦や、価値の掘り出しがおろそかになりそうではあるのですが、企業で働いている時には、これまでの経歴は過去の事で片付いてしまっていた自分に積もり積もった経験が、より深く解釈したり、角度を変えてみたり、磨き上げたり、売り込む相手を変えてみたりすることで、商品として売り込めるのが新鮮で楽しいです。
こういうことがしたかったんだよな、俺…。ってしみじみ感じます。
イラストの仕事も過去の経験の掘り起こしのひとつです。
高校生だった時は勉強全て放り出して昼夜問わず死ぬほど絵をかいて、将来はイラストレーターになるなんて意気込みながら雑誌のイラストコンテストなどに投稿していたのですが、いざ進路決定を迫られるとビビっちゃって、やってもいないのにイラストで食うなんて無理だろうと思って、切って捨ててしまっていたスキルでした。
久々に描いてみたらめちゃくちゃ没頭してしまうし、楽しいし、まだそんなに腕もおちてないな、とか思ったわけです。
当時は「絵で食っていく」イラストレーターなんて仕事は、親にも反対されていたし、漠然と無理ゲー感があったし、好きでやっていただけなので自分のスキルを客観視できていませんでした。でも今ならディレクターの視点で「どうやったら仕事レベルのイラストにできるか」という分析や考察、課題などが見えてくるわけです。
当然イラストは本職じゃないので、描くものやテイストに応じて極端に得手不得手があるのですが、それでも自分に何が足りないのか、逆に何ができるのか、何をすればどのくらいスキルアップできるのか、といったことを客観的に分析できれば、売り物として機能するレベルの案件が見えたり、提案が見えるわけです。
工数が見えればいくらで売れるか見えるし、残る利益も見えます。
…まあ、まだちょっと売り上げが出始めたってだけなので強い確信があるわけではないんですけど。
まあ要するに何が言いたいかって、「Webディレクターの人は独立しても意外となりそうだよ?」ということと、「こんなゆるゆるの独立でも別に大丈夫そうだよ?」ってことが言いたい。
ディレクターをやっていた僕が、色々あって最近ぬるっと独立してみて強く思ったので、世のWebディレクターの方にも情報として共有したく記事にしてみました。
今後も、自分の状況ベースでこういった考えや気づきを定期的に書いていければと思います。
なんか勢いでばーっと書いてしまったので、言いたいことが伝わらない文章になってる感が否めない…。
何度も読み返して、整理していきたいと思いますので、興味を持った方はまた読みに来てください。質問やフィードバックくれたらうれしいです。
ってことで、ご愛読ありがとうございました。次の記事にもご期待ください。