ブロックチェーンの向き不向きを正しく理解するためにはまず、【インターネットサービスに求められる3つの性質】、【CAP定理】という2点について触れていきたいとおもいます。
【インターネットサービスに求められる3つの性質】とは
インターネットサービスを提供する際に保証しておきたいと考えるものが3つあります。
1.【一貫性】
2.【可用性】
3.【分断耐性】
上記3点を掘り下げていきます。
【一貫性】(Consistency)
サービス利用者がアクセスした際に、必ず最新のデータ(情報)を提供することができる。
可用性(Availability)
システム障害によって、サービスが落ちない(停止しない)ことを保証するものでありシステムに単一障害点が存在しない。
分断耐性(Partition-tolerance)
システムのネットワークが遮断された場合でも、サービスが停止しない。
※けっして、「ネットワークが切れないこと」を保証するものではないことに注意。
【CAP定理】
【CAP定理】とは、Webサービス事業者がサービスを運用する上で、実現したいと考える3つの性質【一貫性・可用性・分断耐性】のすべてを同時に満たすことは不可能である。という定理です。
実際にCAP定理をあてはめてみよう
少しおさらいですが、ブロックチェーンは無数のノードで構成されており、すべてのノードが同じ情報(データ)を保有しています。
その辺についてはこの記事にも書いています。
https://alis.to/Daichi17/articles/3QjezxG5zveq
ブロックチェーンでは、ゼロダウンタイムとP2P実現していることから、可用性(Availability)と分断耐性(Partition-tolerance)を優先的に保証していることがわかります。
※【AP型】【APシステム】と呼ばれることもある
【一貫性】(Consistency)については、可用性と分断耐性の強靭さに比べると、一貫性は比較的に弱いといえます。
なぜなら、世界中に点在する数多くのノードが互いに通信しながら稼働しています。
この全てのノードにデータを書き込んだとしても、当然ながら反映までには時間がかかってしまい、リアルタイムでの一致は非常に困難です。
ということからも、常に最新のデータにアクセスできるという一貫性の性質を保証しているとはいえないのです。
向き不向き
ブロックチェーンは、不正が絶対に許されない業務や海外送金などには非常に向いており、QUICKな決済や手続きなどの業務には、ブロックチェーンはいまのとこと不向きといえましょう。
以上のことから、ブロックチェーンはすべての業務に使えるわけではありません。
工夫が必要となります。