すき家さんが4年ぶりに牛丼の価格を改定するようです。
改定は12月23日の朝9時から、木曜の朝ですが結構駆け込みそうですね。
原材料高騰、インフラ費高騰、時代対応諸々コスト上昇が続いていて、
品質と安定な供給の維持の為、価格を改定するとのコト。
むしろ低価格競争は体力をすり減らすだけなので、松屋のように路線を変えて収益の平均化を図るか、付加価値を付けて妥当な金額まで上げてしまう方が良いような気はしますが、価格改定です。
牛丼御三家の並盛価格を見比べてみましょう。
価格は全て税込。
続いて店舗数で見てみます。
決算短信や説明書から考察。
すき家の2020年の売上は98.6%、客単価103.3%。2021年の11月確定分までで売上107.8%、客単価100.7%、客数は2020年が94.7%だった為、106.8%なのでコロナ禍前並みまで持ち直しているイメージ、持ち帰り対応商品の強化が影響しているようだ。
店舗数多いのに凄いなぁ。
吉野家の2020年の売上は93.1%、客単価103.2%。2021年の11月確定分までで売上100.5%、客単価102.6%、客数は2020年が90.2%で2021年も97.9%と減少気味。
激減しているように見えるが2019年がほぼ2ケタ成長だったので、すき家・松屋のように店舗改装までを組み込んだ仕組み変更までは至らず、モバイルオーダーが出来る程度に留まっている為、パイの奪い合いに競り負けているだけのような状況かも。
松屋は2020年の客単価が106.8%まで伸びたが売上が前年比で87.2%、そこからの持ち直しも効かず現状は確定している2021年の売上は11月度分までで98.4%、客単価はさらに104.2%と増した。
価格は上がったが売上がついてこない形になったが、非接触の仕組みなどスタイルの変更で販管費率を小幅ながら減少させている、必要スキルや最低人員数を減らし、売上が下がっても運用出来る仕組みを構築しているように見える。
累積なので、売上が90%で他の要素が何も変わらないなら111.2%は客単価が伸びなければ前年比を超える事は出来ない。
すき家が圧巻。
全体の顧客量は大きく変わらないので、御三家で取り合っている感が強い。
2018年を基準として、そこから現在までの推移を掛けたもの。
松屋の落とし込みは恐らく計算で、今後の運用を考えれば客単価はもっと上がり、集客が微減し、売上が安定してくるのではないかと思う、販管費率も落とし、原価率も下がり、健康的な体制を作ろうとしているように見える。
今回の健全な状態のすき家の値上げはむしろ「好調に拍車をかける」かもしれない。
1円でも安い方で買う的な心境よりはむしろ「食材に配慮」「干渉の少なさ」「キャッシュレス」「気軽さ」「高品質な宅配の充実」「持ち帰りが迅速手軽」にシフトしているすき家が結果を残す形となった。
当然価格は安い方が良いのだろうが、それよりも持ち帰りや会計の速度感や宅配の品質、安全飼料牛など食材管理の透明度や公開情報の理解し易さ・簡易さを優先しているように思う。
すき家と同じゼンショーなので割愛したなか卯もそれなりに影響がありそうだが、
ほぼ3すくみ状態は携帯キャリアと同じで、あちらが値上げするから値上げ、そちらが値下げすればこちらも値下げというなんともオープンな制限(カルテル)がまかり通ってしまう。
仕組みは高水準で、新規参入もしづらく第四の牛丼屋がもし出てきたとしても
どこよりも旨い!(けど遅くて高い)
どこよりも安い!(けど美味しくない)
どこよりも便利!(けど高くて美味しくない)
など、御三家と比較されてしまう為正当に評価をされない気配。
むしろここで松屋がこのチキンレースから抜けて、仕組みを完成させ
「狙う層を変えてくる」のを期待するワタクシ。
2022年4月頃が楽しみ。
ではでは。