地球からでも観測が可能な月は、クレーターを見ることができる最も身近な星です。
隕石の衝突によって生まれるクレーターですが、人工物によってもクレーターができることがあります。
今回はそんな月のクレーターと月の探査についてのお話。
近年の宇宙開発によって、月の姿が少しずつ明らかになっていっているようです。
参考記事)
・NASA’s LRO Observes Crater Likely from Luna 25 Impact(2023/09/01)
・NASA Spots a New Moon Crater: Likely The Gravesite of Russia's Crashed Lunar Probe(2023/09/02)
2023年8月末、NASAは、ロシアの探査機Luna25が月面に不時着した際にできたと思われる小さなクレーターを発見したと発表しました。
NASAのLRO(Lunar Reconnaissance Orbiter)による観測と、ロシアの宇宙機関ロスコスモスから提供された推定衝突地点の前後の画像の比較によって明らかになりました。
8月24日にはクレーターの痕跡が確認できたとしてNASA公式HPにて様子が紹介されています。
↓
調査によると、探査機Luna25は8月19日に墜落したと見られます。
これによって月の南極に史上初めて軟着陸することで、長らく休眠状態にあった月探査計画を復活させるというロシアの目標は水泡に帰すことになりました。
月面探査の役目は現在、インド月探査機“チャンドラヤーン3号”が担うことになり、8月23日には月面南極付近への着陸が成功しています。
探査機が月面着陸に成功したのは、米国、旧ソ連、中国に次いで4番目となります。
チャンドラヤーン3号の調査では硫黄をはじめアルミニウム、カルシウム、鉄、クロム、チタンといった元素の存在が確認されました。
また南極付近の温度の観測にも成功しており、地表付近では摂氏60度近いのに対し、深さ80mm地点では摂氏-10度という結果が報告されています。
これらはNASAが提案している、月面探査プログラム“アルテミス計画”に大きな進歩をもたらすとして成果が評価されており、2025年以降に月面に人類や物資を送り、月面拠点を建設、月での人類の持続的な活動を目指しています。
今後も探査を続けるとともに、我々人類や生物に最も重要な元素である水素の発見を試みています。
月面に人口的な住居が建設可能なことが証明されれば、人類が月面で生活できるようになる日が来るかもしれませんね!
そんなロマンに胸踊らせる記事でもありました。