季節が過ぎるのは早く、5月なのに京都も梅雨に入ってしまいました。
雨では写真映えする名所も少なく、お出かけしづらくなります。
とはいえ、そこは京都。
雨だからこそ、素敵な光景が見られる場所があるのです。
今回はそんな場所の一つ、瑠璃光院(るりこういん)を訪ねました。
瑠璃光院は黒光りする机に反射する鮮やかな紅葉がとても有名なお寺で、新型コロナ流行前は世界中から観光客が押し寄せ、入場に長蛇の列ができる場所でした。
行かれた方も多いと思います。
しかし、紅葉シーズンでもないこの時期、しかも雨、さらにはコロナ禍で訪れる人は少なく、ソーシャルディスタンスも大丈夫な状況でした。
一体、瑠璃光院はこの梅雨のさなかにどんな光景を見せてくれるのでしょうか?
瑠璃光院は京都の洛北、八瀬(やせ)という場所にあります。
京都盆地の東北の端ですね。
街中から離れた場所ですが、交通は結構便利です。
というのは、なんと近くに電車が通っているんですね。
京阪電車の終点、出町柳駅から叡山電車が出ているので、それに乗って15分くらい。終点の八瀬比叡山口駅で降ります。
ちなみにこの八瀬比叡山口駅近くからはケーブルカーが出ており、そのケーブルカーとロープウェイを乗り継いで比叡山の山頂近くまで登ることができます。この経路は比叡山延暦寺の参拝ルートの一つでもあります。
ということで、八瀬比叡山口駅に到着!
可愛い電車ですね。
雨が強かったので、運転士さんがフロントガラスの水滴を拭いています。
八瀬比叡山口駅。
このレトロな駅舎がたまりません。
テレビドラマや映画のロケ地、アニメの舞台にもよくなっているようです。
背後の比叡山麓に雲が低く立ち込め、雨がしとしとと降っています。梅雨の光景。
この八瀬駅から10分弱歩くと瑠璃光院に着きます。
到着しました、瑠璃光院!
山門の上には青もみじ。
と、誰もいませんね。かつての長蛇の列が嘘のようです。
拝観できるんでしょうか?と思うくらいですが、大丈夫です。
この入口で拝観料を収めて、入らせていただきます。
雨に濡れた石段を登ってゆきます。
緑の世界に入ってゆきます。
石段を上がると、青もみじの向こうに建物が見えてきました。
そして建物の前に池と小橋が。
池を渡って進むなんて粋な演出ですね。
池にはお約束の錦鯉が。
まさに和な、京都な光景です。
それにしてもこの鯉、まるまると太っていない?
池を渡ると、お堂の入口。ここから入ります。
ん?
寺のお堂の入口というより、なんだか高級料亭か旅館の玄関のような感じ?
はい、この建物はもともとお寺のお堂として建てられたのではなく、個人の別荘として建てられ、その後は料亭旅館として運営されていた時期もあるとのこと。
なので、数寄屋造りの料亭風というか邸宅風なのですね。
では、高級料亭にお邪魔する感じで上がらせていただきます。
玄関に上がると、順路としてまず二階に行くことになっています。
階段で二階に上がると…。
おお、これがかの有名な瑠璃光院の光景!
瑠璃の庭と名付けられています。
机に青もみじが見事に反射しています。新緑のこの時期、目が覚めるような緑ですね。
もちろん紅葉の時期には青、黄、赤と色とりどりの光景に変わります。
紅葉の時期に訪ねた記事もあるので、よかったら見てください。
雨に濡れた青もみじ。
一部に紅い葉もあって面白いです。
机に反射して上下反転している青もみじも雨でしっとりとしていて、鮮やかながらも落ち着いた光景です。
少し遠くから撮ると、こんなふうに磨かれた机が置かれているんですね。
この机の上にカメラを置いて撮ると、上のような緑が鮮やかに反射した写真が撮れます。
紅葉の時期のこの机は押すな押すなの大混雑ですが、この時にここで写真を撮っている人は2~3人ほどと空いていて、ゆっくりできました。
では次に一階に降りましょう。
これは、かま風呂。
ここ八瀬の地では平安貴族が楽しむ「八瀬のかま風呂」があったとのこと。
このかま風呂は、今でいうサウナだったそうです。
この中で薪などを燃やして温度が上がったところで火を引いて、むしろを敷いて横たわって温まった(汗をかいた)とのこと。
日本の暗号資産業界の方々はサウナ好きが多いようなので、ぜひ日本のサウナの原点と言えるかま風呂を経験してほしいものです(瑠璃光院のかま風呂は稼働していませんが、近くに入れるかま風呂があります)。
先ほどの机に反射する青もみじは、瑠璃の庭を二階から見たものでした。
今度はその瑠璃の庭を一階から見ます。
額縁庭園が素敵ですね。
雨を吸ってとても元気そうで、青々とした苔が素晴らしいです。
写真で見ても素敵ですが、実物を見ると苔が緑色の蛍光を発しているような神秘的な光景ですらあります。
瑠璃光院は庭園が有名ですが、もちろんお寺なのです。
こちらはご本尊の阿弥陀如来像。手を合わせます。
他のお寺ではたいてい仏像は撮影禁止ですが、こちらのご本尊は撮影可能なようなので撮らせていただきました。
そして御朱印もいただきます。
あれっ、年月日が書かれていませんね?
実はこの御朱印は印刷のもので、机の上にこの紙が束になって置いてあり自由に取ることができて、年月日は自分で書き入れることになっています。
特に志納(料金)も要りませんが、なんだか味気ないような…。
順路の最後にもう一つお庭を拝見します。
臥龍(がりょう)の庭。
こちらも苔と青もみじが美しいですね。
それに写真では目立ちませんが、青もみじと苔の間に左から右へと小川が流れています。その小川が横たわる龍のようなので、臥龍の庭なのですね。
さらにこの写真の右手には池があります。その池は先ほどの錦鯉がいた池なんです。
臥龍の庭は水の流れや鯉の動きが動的なお庭として、とても巧みに設計されていると感じました。
これで一通りの拝観順路は終了。
雨滴がしたたる青もみじももう一度味わって、瑠璃光院を後にしました。
瑠璃光院を出て、叡山電車に乗って出町柳駅まで帰ってきました。
と、お腹が空いてきました。お昼ごはんにしましょう。
お昼は出町柳の有名店、おむらはうす!
今回は、ハヤシオムライスにしました。
って、またオムライスか!
と、このブログを以前から読んでくださっている方はツッコミを入れてくださるでしょう。
だって、ここは出町柳の行きつけの店なんだもんー。
ということで、雨の瑠璃光院はしっとりとした新緑が素晴らしい場所でした。
うっとうしい梅雨ですが、見方を変えると雨ならではの素敵な光景もあるのですね。
Camera: LUMIX G8
Lenses: LEICA 15mm F1.7, LUMIX 12-32mm F3.5-5.6, 45-150mm F4-5.6
かの有名な紅葉の季節に、瑠璃光院を訪ねました。
机に反射する色とりどりのもみじはやはり最高。
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