アレクサンドロス大王の死後、大王の跡継ぎを巡り幾度も争いが勃発します。
プトレマイオス(プトレマイオス1世)は、大王の後継者に名乗りを挙げた人物のひとりです。
今回は、ファラオとして国を治めつつも激しい戦乱の世に生きた一人の男について軽く触れていきます。
プトレマイオスとアレクサンドロス大王
マケドニア王国の貴族ラゴスの息子として生を受けたプトレマイオス。
アレクサンドロス大王とは、共にアリストテレスの下で勉学に励む仲であった。
大王の東方遠征に際してはヘタイロイ(側近騎兵将校)として活躍し、アレクサンドロスから厚遇を受けた。
アレクサンドロス大王の死後は、自らが総督として統治していたエジプトを拠点に王位継承を狙うディアドコイ(大王の後継者たち)と戦うことになる。
ソーテール(救済者)プトレマイオス
ファラオとしてプトレマイオスは、救済者と呼ばれるほどにエジプトの復興に尽力し繁栄をとり戻した。
エジプト国民からすれば異国の支配者だったが、アレクサンドロス大王と同じようにエジプトの文化を受け入れ歴史や宗教を尊重した。
自らも神殿に参拝し、太陽神アメンの子であるという信託を受けた。
彼はエジプトの伝統的な事業である巨大建造物も熱心に手掛け、今となっては地震で崩壊してしまった“アレクサンドリア大灯台”等を完成させた。
その他、世界一の蔵書量を誇ったアレクサンドリア図書館やムセイオン(王立研究所)を創設。
当時の最先端かつ最大量の知識が首都アレクサンドリアに集まり、エジプトに繁栄をもたらした。
後に浮力の原理を発見したアルキメデスや幾何学の父と呼ばれるユークリッド、地球の半径を導いたエラトステネスなど世界に名だたる賢者たちはここから生まれていくのである。
関連記事