1. はじめに
2020年はコロナ禍の影響によって幼稚園の説明会の開催が延期されたり、見送られたり、オンライン説明会に変更されたりと、幼稚園の教育方針、様子をよく理解して応募することが難しかったです。幼稚園受験を振り返り記載してみます。
(なお、以下「5.幼稚園受験」では二次検定当日の内容を中心に記載しております。)
2. 子供を取り巻く将来環境
2045年にはシンギュラリティを迎え、人工知能が人間の知能を超えると言われています。2045年を待たずに今日でも、アリババのジャック・マー、テスラのイーロン・マスク、あるいは少し前ではアップルのスティーブ・ジョブズなど、突き抜けた能力を持つ一握りの人材が世界を引っ張る世の中になりました。一方、日本は戦後、米国などのフロントランナーをロールモデルにしながら、能力が一定程度高い人材を均一的に大量生産することで高い経済成長を成し遂げることに成功してきました。旧来の工業社会においては適した成功モデルでしたが、これから「答えの無い時代」には全く通用しない教育方法でしょう。
(なお、かつて1989年当時の世界時価総額トップ10には日本企業7社がランクイン、トップ50には日本企業32社がランクインしていました。それが、2020年12月時点での世界時価総額トップ10には米国企業7社、中国企業2社と米中勢が独占。日本企業としては唯一トヨタが上位50社に辛うじてランクインするのみで、日本のかつての勢いは見る影もありません。)
これからは、答えのない時代に答えを見つける力を付ける教育が必要で、2045年頃に到来するとされているシンギュラリティに対応できる人材が求められていると思います。
3. 幼稚園選び
私の子供は、元気よく活発で何事にも好奇心旺盛です。そのため、しっかり躾がされていてお行儀が良い子供を高く評価するであろう幼稚園は身の丈に合わないと思い受験を最初から敬遠しました。園児の個性や意思を尊重して幼稚園の先生がそれぞれの園児に合わせて見守って下さる園の方がよいと考えました。
そのような中、受験前に関連する書籍を読んだところ、志望する国立大学附属幼稚園では以下の点を大事にしているようで、感銘を受けました。
・子供が主人公の保育。先生が主導してしまうと子供の中の頭も働かないし判断もつかないし、頑張りも自分からは出てこないという理由で、子供の主体性を大事にし逆に先生が子供に合わせていく。
・先生からの指導については(命令や強制は子供の考える力を損なわせることから)一番最後で控えめにして見守る(≠放任)べきとしている。そして子供の反応を見ながら、援助や指示の水準を変えていく。その際、考える過程が子供の成長に繋がるとして、子供に考える余地を残した援助や指示にする。
・一斉保育と違い先生と園児の関係も上下関係ではなく対等な関係に置く。時には子供に対して敬語すら使用し、時にはあなたという呼び方で呼びかけたりする。子供が今何をしているか、子供の頭の中にはどんなことが起こっているか、先生は子供の視点にたって見ようとしている。
4. 受験準備
2020年春先以降、コロナ感染拡大の状況下、幼稚園受験の塾に通学するなど外出を伴う行動がコロナ感染のリスクを高める可能性も考慮して、前広な受験準備は控えたため、受験準備を開始するのが遅くなりました。結局、8月後半から2か月程度、週一回のペースで幼稚園受験対策の個別指導塾に通い、また、集団指導の塾に合計4回程度受講しました。たまたま、最初に個別指導の塾に通い始めましたが、私の子供はこれまで集団生活の経験もなかったため、集団生活に慣れさせる目的で集団指導の塾にも少しだけ通ったというのが経緯でダブルスクールを意図したものではありません。
ただし、国立大学付属幼稚園を受験するのであれば、面接や行動観察を厳しく評価されることはないため、塾に通う必要性は基本的に無いと思います。靴を履き靴を脱ぐ、お片付けができる、集団の中で指示行動に対応できる、簡単な受け答えができるといった基本動作が出来れば大丈夫なはずです。
私の場合、一番の心配は子供が面接中、静かに椅子に座って的確に受け答えができるかどうかでした。そのため、自宅では「幼稚園ごっこ」と称して、家の中で面接の練習も試みました。子供は遊びと勘違いして気に入って応じてくれますが、長い時間の面接練習に対しては集中できなかったり、途中で先生役をやりたいと言いだしたり、我が家の場合、あまり有効な予行演習にはならなかったです。
一方で、志望する幼稚園の教育方針、教育環境等に対する情報収集も重要と感じます。ある私立幼稚園を受験した際は、父親に対してその幼稚園をどの程度知っているか関心度や理解度を探るような質問をしてきて十分な回答が即座にできず回答に窮した反省があります。また、コロナ禍で幼稚園の説明会等が見送られる、あるいはオンラインに替わり、情報が入手しにくくなっているため、国立大学附属幼稚園受験に向けては当該幼稚園に関する書籍を読み、教育方針や教育環境の裏にある背景、価値観を理解しようと事前準備を進めました。
5. 幼稚園受験(二次検定を中心に)