ALISにイラスト・マンガ部門ができたと聞いた日から、いつかは書かねばと思っていたんだ。
日本が誇る三大マンガーー。
私ことMALISが独断と偏見で選んだ日本三大マンガではあるけれど、異論を挟ませはしない。存分に熱く語ろうと思う。
それでは、1作品目から紹介しよう。
Hunter × Hunter、
いわずと知れた漫画界のサグラダファミリア。
ゴンという少年が父を探して旅にでたところ、野生育ちじゃ説明つかないほどのびっくり身体能力で敵を倒し、超リッチな暗殺少年とマブダチになる話だ。ついでに復讐鬼と医者の卵とも仲間になり大冒険、、、と思いきや、あっさり皆バラバラになる。
魅力的な点は色々あるのだが、やはり
◆厨二病的セリフと日本的展開
ただの少年がいきなり超人的能力を持ってバトルに巻き込まれていく感じが王道で非常にいい。技名もこじらせていてよい。また、明確な敵がなく常に善悪が入れ替わる展開は非常に日本的で深みがある。
特にお気に入りは、暗殺少年キルア君がちょっと気持ちがハイだったからといって通りすがりの凡人を二人ほどバラバラ殺人したのち、公式なバトルの場で敵を殺してしまったことで闇落ちする矛盾展開。?となったけれど最高に面白い。
◆余白と視点
これら厨二病展開を際立たせているのが余白と視点。セリフにも絵にもだが、余白の使い方がうまくて、ものすごく美的センスのある方なんだなぁと感心してしまう。また、視点の切り替えもダイナミックで、こういう絵を描く人はどこから見せれば一番面白く見えるのかが分かっているんだなぁ、、、と思う。この辺りは専門家に話をぜひ聞いてみたいですね。
余白といえば、週刊少年ジャンプでの鬼気迫る背景=余白の殴り書きスタイルも読者の心をとらえて離さない。ここから単行本までにどう進化するのか?その制作過程をも楽しませる冨樫義博先生はマーケティングにも長けた天才なのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
◆もはや漫画ではない文章量
これは私の持論なのだが、ハンターハンターは漫画ではない。だいたいあの文章量は異常だ。ニューヨークに来てからkindleで漫画を読むようになったが、ハンターハンターだけは本気で読めない。字がつまりすぎだ。結果、Bookoffに頻繁に通う残念な習慣ができてしまった。
つまり、あれは小説を漫画風体裁に整えた新ジャンルなのだ。この点からもハンターハンターの新規性がうかがえる。
色々書いたが実は幽遊白書も大好きだったしレベルEも好きだった。つまり、富樫作品が好きなのだろう。ハンターハンターに関しては、死ぬまで書いていてほしい気がするし、死ぬまでに完結してほしい気もする。。。
社会現象と言っていいほど大ヒットした作品。街を囲む壁の向こうから巨人が出てきて人を食うというホラー展開に巨人を「駆逐してやる」と叫ぶ主人公がいきなり駆逐される。微妙なコメディもはさみつつ、中盤からはまさに人類史をなぞるかのような政治とエゴの展開。とにかく敵に負け続けるため死者続出で、うかつに好きなキャラを作れない。
この作品の魅力は、
◆リアルな犠牲
犠牲を払わないと何かが達成されないカルマでもあるのか、助かってもいいよねこの人?って人が助からない。しかも何も達成されなかったりする。リアルな感じがしていいんだけど、作者は書いていて辛くならないのか時々心配になる。
ただ、だからこそ進撃の巨人は人の心をぐっと掴んだのではないか?社会に出ると、基本負ける。負けて負けて時々勝つ。もしくは勝負の機会すら与えられないかだ。新規事業なんかやりだしたら地獄だ。だからこそ、この作品が伝えるリアルな犠牲に共感し、恐怖に頷き、それでも戦い続ける主人公に心打たれるのだろう。
◆ 画力、、、?
いや、下手ってわけじゃないんだ。なんだろう、、、とにかく読みづらい。しかし、躍動感と登場人物の鬼気迫る表情はすごいと思う。決して綺麗じゃないんだけどぐっとくる。
その絵がアニメでビューティホーになるのもいい。
唯一、「マフラーを巻いてくれてありがとう」だけは少女漫画になったんですか状態で動揺したけれど良いシーンでした。
◆設定のでかさ
最初に壁の中と外という世界観を読者に与えることで、壁が壊されるという緊張感、壁の中が壊されるという恐怖が非常にうまく伝わってくる。そしてその世界観がぐっと広がっていく最近の展開。
うまい人って最初に思い描く世界が広くて秩序だっている。これは地理という意味ではなく、ストーリーに絡む歴史や政治そして哲学のこと。森博嗣さんの小説に通じるような、、、そういう世界が描ける人が好きだ。これは、私がワンピースにはまらない理由でもあるかもしれない。
って、ここまで書いて思ったけど、一番心に残っているシーンはミカサの「何としてでも勝つ!何としてでも生きる!」であり、そしてどう考えてもアニメの方がよいシーンなので私はアニメ派かもしれない。
随分古いマンガなのだが、今年アニメ化されたのでご存知の方も多いかも。スランプに陥った日本人棒高飛び選手がニューヨークに来たところ、超絶天才で運動神経抜群で容姿端麗でお金もある不良少年とマブダチになりマフィア抗争に巻き込まれていく話。姉が買い揃えていたため小学生の時に読んだのだが、どう考えても18禁の内容だった。
魅力ポイントは、
◆屈折した心理描写
出てくる登場人物が大体全員屈折している。男女共に過去に執拗な性的暴行にあったやら親殺されたやら、、、悲惨な過去を背負うがゆえに引き起こされる行動の1つ1つが丁寧に描かれ説得力がある。暴力とそれに纏わる心理を描かせたら吉田秋生先生の右に出るものはいないと思う。
◆マンハッタンで無駄に広がる陰謀
CIAにFBIにニューヨーク警察に華僑、ロシアンマフィア、、、ストーリーのほとんどがマンハッタンで完結するが、デカい話の連続で「なんてマンハッタンは広くて深いんだ!」と感じる。
が、マンハッタン、実際は無茶苦茶狭い。あんな目立つ人たち歩いてたら速攻で捕まるだろうし、ブライアントパーク横で銃声したら即警察飛んでくるわ。そのハチャメチャさ具合がいいし、聖地巡礼をする方々にも省エネで済む優しい漫画ともいえる。
◆割と的確なアメリカの表現
とはいえ、移民を抱え生きるアメリカのそしてニューヨークの様子を割と的確に表している作品でもある。マフィア抗争の裏には様々な人種の立場やアメリカが介入し続けてきた戦争の影響も見え隠れする。
その中でも、アッシュのセリフ「アメリカはでっかい田舎なのさ」は本作通して最も印象深い一言だ。
ただ、、、物語冒頭の銃撃戦での効果音がたしか「ズキューン」なのだが、小学生ながらに「それはないやろ?」と突っ込まざるを得なかった。ちなみに本作は少女漫画。
バナナフィッシュは元祖BLみたいな扱いになってるらしいが、全然納得がいかない。棒高跳び日本人は「一緒に君も日本に」ってアメリカの不良少年を誘っておいて日本ついたら成田空港に彼女が待ってるタイプの人間だと固く信じてる。そんな未来はないのだけれど。
3つと言いながら思いついてしまった一色美穂先生作品。ウェブで大ヒットしたためご存知の方も多いと思うけど、ネーム大賞ってので準入選だったらしい。
目の前の女性のチャックが全開だった時、あなたはどうしますか?
2コマ目で既に笑えるし、今思い出しても笑える。こういう状態のマンガのことをネームっていうらしいけど、これで完成してない?これ、綺麗にしない方がイケてない?って思うのは私が素人だからだろうか?
この作品の魅力?
読んだほうが早いのでこちらどうぞ。
そろそろまとめに入る。
私の好みの傾向としては、
・設定が無駄に壮大で
・心理描写にリアルさがあり
・若干厨二病が入っている作品
といえるかもしれない。(番外編は除く)
つまり、ちょっと話は飛ぶけれど、私がブロックチェーン技術を好きになるのは必然だったのだろう。
考えてみてほしい。
ブロックチェーン以上の、リアル厨二病技術がほかにあるか?
サイファーパンク、非中央集権、データの民主化、国境なき世界、、、、もう最高じゃないか?
結論として、
お気づきだとは思うが、
MALISは重症である。
皆様の日本三大マンガもぜひ聞かせていただきたいなと思っている。
それではごきげんよう。
MALIS