まだ薄暗い中、イエローストーン国立公園を走る。
ヘイデンバレーと名付けられたこの谷は、多くの野生動物が早朝に移動することで有名だ。シャッターチャンスを狙って、世界中から旅人が集まってくる。
時刻は朝6時半。
ニューヨークと時差があるとはいえ、遅寝遅起きのニートには堪える。
寒さに震えながら窓の外をじっと眺める。
小川には、朝靄が立ち込めている。
初めて出会った野生動物はバイソンだった。
北米に生息するバイソンは過去に乱獲で数十頭まで激減していた。現在は5万頭まで回復しているが、家畜化されたバイソンとの交配により増やしたものが殆どとのこと。
"バイソン狩り"というとアメリカ先住民を思い浮かべる方も多いだろう。バイソンの群れと共に移動する狩猟民族。
しかし、もともとアメリカ先住民は農耕中心で、バイソン狩りは年に数回のイベントだった。スペイン人が持ち込んだ馬の使用により機動力が高まったことで、狩猟の頻度が上がり、現在のアメリカ先住民のイメージが出来上がったのだ。
そんな歴史はともかく、悠長に道を横切るバイソンの群れ。
車に一切の注意を払わないその態度に、
神々しさすら感じる。
結局、この朝見れたのはバイソンだけだった。
そして後日気がつく。
バイソン、どこにでもいるやんけ。
真昼間でもいるやんけ。
さらにその夜、ハイビームの先に突然現れたバイソンに激突しかけ悲鳴を飲み込むことに。なんで道の真ん中にいるんですか!?
まぁバイソンからしたら邪魔なのは私。
そりゃそうだ。
彼らの方がずっと長くここにいるのだ。
あぁ、バイソン。
そんなわけで、
「バイソンに激突、楽しい旅が暗転」
のテロップが流れそうになった私はその夜、バイソンを食べることを決意する。
さぁ、見たまえ。
バイソンステーキ!
なかなか美味である。
味は、あっさりしたビーフのような。
脂身が少なく、臭みもほとんどない。
お次はストリップステーキ。
やや硬いのが気になるが、恐らく焼き方の問題だ。ミディアムレアなのに火が通りすぎている。アメリカ地方都市あるあるだ。
バイソンに罪はない。
最後はおススメ、リブステーキ!
うっまー!!!お肉柔らか!
これはビーフ越えかもしれない。
質問:崇めるように観察した後、バイソンを食べる気分とは?
回答:なかなか複雑だが、人間って感じがするね。
というわけで、まとめる。
イエローストーン国立公園では、
・夜道のバイソンに気をつけよう
・バイソン渋滞に備え余裕を持って行動しよう
・バイソンのリブステーキを食べよう
※リブステーキのお店情報
「Obsidian Dining Room」
(Old Faithful Snow Lodge内)
そんなわけで夏休みから帰ってきました!
明日からはバイソン以外のことを書こうと思います。
◆過去のグルメ記事もどうぞ
「明日、料理をしようと思う」
◆Twitterもどうぞ
MALIS