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NYCのいきなりステーキ話で喧嘩売るけど準備いい?

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  • MALIS
  • 2020/01/15 23:34

いきなりステーキを愛する皆様こんにちは。

 

ALISにはいきなりステーキ、略していきステを愛する者が多いようですね。開くたびにいきステの記事を読んでいるような錯覚に陥ります。

 

先日はクーさんがこんな記事を投稿していましたね

アメリカ、カナダにも店舗がありヨーロッパはこれからです。文化の違いがあってすごーーーく大変だとは思いますが是非海外出店は頑張って頂きたいですね☺

 

アメリカ、そうきたら迎え撃つのは私の仕事。

書かせていただきます。

NYCのいきステ!

 

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1. UWSにいきステ進出!

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2017年にニューヨーク進出を果たしたいきなりステーキ。帰国する一年ほど前でしょうか、ついに私が住んでいたアッパーウェストサイド(UWS)にやってきました!

自宅から徒歩10分の場所にいきなりステーキの看板がででーんと出現。遠い地で母国の企業が頑張っているのを見るのは胸が熱くなるような、、、何か特別な思いがこみ上げます。

実は私、日本では一度だけ行ったことがあったんですが殆ど記憶がありません。クライアントと一緒だったからでしょうね。なぜかクライアントと一緒だと料理の記憶がほぼ飛ぶんです。ちなみにお酒にもほぼ酔いません。そんなわけで、プライベートのいきステは未経験。

 

UWS店でデビューするか!

 

意気込んだわけです。

 

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2. なぜなんだ

結論を言います。

 

散々でした。

 

順を追って解説します。写真どっかいったので文字で失礼します。

 

1)店内の雰囲気

まず店内に私たち以外に1組しかおらずショックだったのですが、、、、それ以上に驚いたのが、店内装飾が日本のチェーン感丸出しだったこと。

安っぽい机

座りづらい椅子

やたら明るい照明

メニューはカラフルな文字の洪水

、、、

もしかしたら日本の街並みだとフィットするのかもしれません。しかしここはマンハッタンのUWS。

UWSがどういうところかというと「こじゃれた居住エリア」でしょうか。歴史ある美しいマンションの合間に、オペラ/バレエで有名なリンカーンセンターやジョンレノンゆかりのダコタハウスなどが点在。お洒落かつローカル感あふれるバーやレストランが立ち並んでいます。

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そこにいきなり日本のチェーン店仕様!

いきなりステーキだけに!

浮きまくり!

 

 

2)注文がめんどい

これは私の注文が悪かったのかもしれませんが、、、

席に案内され着席、そして注文をすると、

「じゃあ、あちらで肉をカットするので厚さを指定してください」

とお店の奥へ促されます。

 

もうここで疑問マックス。

折角座ったのに立たされるの!?

いきなりステーキじゃなくて

いきなり起立やん!?

 

 

3)肉、、、

そして待ちに待ったお肉が登場。

見た目からしてニューヨークで慣れ親しんだステーキとは程遠い。もっとこう、、、赤身でずっしりしていると思ってた、、、

まぁいいやと食べる。

 

!?

 

中が、、、冷たい!?

 

「ごめん、ちょっと焼けてないみたい」

スタッフにお願いしたら慌てて焼き直してくれました。その間にサラダ食べましたが美味しかったです。それにしても、「ステーキ奉行」がひしめくニューヨークでこんな調子で大丈夫なのか?

 

 

4)お会計

焼き直しで硬くなってしまったお肉を頬張っていると「さっきのお詫びです」とスタッフがデザートを持ってくる。なんとMochi Iceじゃないか!Mochi Iceとは、雪見だいふくの進化版でしょうかね。なぜかニューヨークでは超ポピュラー。

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Mochi Iceを平らげ、そろそろお会計だなぁとチェックをお願いするとまさかの

「お会計はレジでお願いします」

 

!?

 

そうなんです、ニューヨークは先払いのファストフード以外はテーブル会計が基本なんです。レジ会計は、、、大混乱で小競り合いが起きそうなくらい訳が分かんないです。私も日本で慣れていたはずなのに、一瞬何を言われたかわからずフリーズしました。

生焼け肉に対応もしてもらったしチップも渡すつもりだったけど、それもできない。

 

ちなみにニューヨークでは一風堂も大戸屋もテーブル会計です。

いきなりレジ会計で大混乱!

 

 

 

体験は以上。

言葉数少なく帰路についたのでした。

 

※レジ会計はその後テーブル会計に変更されたそうです

 

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3. 垣間見える勘違い

と、、、手厳しい体験談になりました。

もしかしたら私が不慣れだっただけかもしれません。しかしニューヨーク在住者は殆どがいきステに不慣れです。みんな同じように混乱していたんじゃないかな?

 

なぜこんなことになったのか?

 

色んな噂がとびかっていましたが、私は彼らが「勘違い」していたんじゃないかという気がします。

 

日本での成功。

その成功体験の延長線上にニューヨーク市場を位置付けてしまったのではないでしょうか。つまり、現地のマーケティングを疎かにし、過去の成功体験をそのままなぞってしまったのではないか、と。

 

マーケティングが疎かだったのでは?と思う理由は3つあります。

 

1つは商品コンセプトのはちゃめちゃさ。

いきステはアメリカ進出にあたり「J-Steak」というコンセプトを打ち出しました。日本独自のステーキやで!というわけです。

ニューヨーカーにとって日本のステーキと言われれば「和牛」を思い浮かべるでしょう。しかし彼らが提供するのはアンガスビーフです。わかりやすい日本らしさはMochi Iceとレジ会計くらいですが、Mochi Iceはスーパーでも買えますしレジ会計はあえて体験したいものではないでしょう。

店頭にあの社長ポスターかかげていたけど、彼を前面にだすほどオリジナルで唸らせる何かはなかった気がします。

 

次に価格設定。「安い」という謳い文句に疑問が残ります。たしかに、リブアイが35ドルは安いかもしれない。この値段でステーキハウスにはいけない。しかしここはニューヨーク。同じかもう少し値段を出せば素敵なカフェで美味しいストリップステーキを食べることのできる街なのです。

 

出店場所も疑問だらけ。

落ち着いて食べる雰囲気ではないことから、日本では急いでいる会社員のランチやさくっとディナー、学生なんかがターゲットなのかなと思います。

UWSにはその両方が殆どいません。

日中なんて、有り余る富を手にしたおばあさまか、ベビーカーを押すシッターさんたちくらい。いきステ行きそうな空気は、、、ないんですよね、、、

そもそもマンハッタン全域を見渡しても、そんなあくせくしているのはミッドタウン地区ぐらいではないかと思います。(タイムズスクエアがあるところ)

郊外のウォールマートの中とか、地方都市のショッピングモールとか、そんな場所の方がはまったんじゃないかな...

 

 

マーケティングの迷走。

結局、J-Steakって何だったのでしょうか?

 

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4. 綻びは開店当初から

実は開店当初(なんなら開店前)から「いきステはやばいかもしれん」との噂は広まっていました。多くの方が指摘していたのが店舗スタッフ採用のうたい文句です。正確には忘れましたがたしか

「元気でハードワークできる人募集!」

とかだったと思います。

ハードワークという日本的職場環境を前面に押し出しているのもやばいのですが、それ以上に採用基準が不明瞭すぎます。

これ、危険なんです。

採用基準が「元気でハードワークできる人」にも関わらず、「元気でハードワークできる人です!」と主張した人を採用しなかった場合、どうなるか?

最悪、訴訟が発生します。

だって、採用基準を満たしているのに。もしかして私が黒人だから?年齢が高いから?顔が好きじゃないとか?差別があるんじゃないか?

 

ニューヨークのビジネス環境を勉強して進出したとは到底思えない状況でした。

 

さらに、開店前に経営陣がインタビューを受けているのですが「ステーキの本場ニューヨークで戦えるのか?」との問いに「ニューヨークでもステーキはまだまだ高級店のもの。低価格高品質のステーキを手軽に食べたいとの需要はあるはず」と答えていました。

確かに、ステーキは高いもの。しかし、ニューヨーカーがステーキに憧れ毎日安く食べたいと思っているかと言われると疑問です。家で焼くよ?って話ですし。何より、今のNYCは健康ブームなのです。サラダ屋とプレスジュース屋がひしめくNYCで安いステーキ屋を流行らせるには、緻密なマーケティングが必要だったと思うのです。

 

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5. 挑戦を見守ろう

いきなりステーキのニューヨーク進出は明らかに失敗でした。11か所に展開した店舗は2店舗を残し閉鎖、ナスダック上場を廃止するに至りました。

現在は、このままでは終われない!と傘下のペッパーランチが進出、勝負をかけているとのこと。

 

ニューヨークの競争は厳しい。

特に飲食店。大人気のレストランでも賃料が払えなくなりひっそりと店じまいしてしまうことが多々あります。

 

そんな中で注目してほしいのは、したたかに生き抜くラーメン屋や寿司、居酒屋といった日系飲食店です。

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高価格ラーメンで大人気のトンチン

彼らは日本の食文化をしっかりと伝えながらもサービスや店内の雰囲気はローカライズすることでニューヨーカーに愛されてきました。

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UWSで生き延びるズルットラーメン

成功する道はあるのです。

 

参考にこちらもどうぞ!↓

 

厳しいコメントが続きましたが、次の挑戦がうまくいくことを、長くニューヨーカーに愛されるお店になることを心から祈っています。

 

MALIS

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