この猛暑の命綱となってる冷房を
世界で最初に発明した人は
アメリカのエンジニア
「ウィリス・キャリア」氏です。
この発明者が
冷房を作るきっかけとなったのは
ブルックリンの印刷会社から
とある依頼をうけたからです。
その依頼は
印刷工場が高温多湿になると
印刷紙が水分を吸ってしまい
縮んでシワシワになります。
すると思うようにインクが乗らず
文字がかすれたり曲がったり
そこから乾燥すると人の顔が歪み
変な印刷物になってしまいます。
なのでこの印刷会社から
室内の湿度を抑える機械を
制作してくれとの依頼されました。
この会社の名前は
「サケット・ウィルヘルム
リトグラフ&パブリッシング
カンパニー」と長い名前です。
そしてキャリアは
ベルト駆動で機械を動かす
今と全然違う形の物を
作り上げたのです。
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しかし湿度調整機の大きさは
とても巨大な物で
バスくらいの大きさがあり
広い場所しか設置できません。
当時携帯電話もありましたが
ボストンバック位の大きさで
当時のパソコンの大きさも
大きな本棚サイズ程ありました。
この機械の仕組みは
ファンで外気を取り込み
フィルターを通して
ごみや塵を取り除きます。
そして綺麗になった空気に
霧の水を噴射してさらに除菌し
フロンガスが入った「冷媒」に
送り込まれます。
この「冷媒」の中のフロンは
圧力を下げると気体になり
圧力を上げると液体になります。
水噴射で湿度を高くして
「冷媒」の中でフロンと空気をつけ
圧力を上げ液体にし
そこで出た水を外に流します。
この状態で
一気に圧力を下げると
水分が抜けたカラカラの空気が出来
乾燥した空気を工場に送れます。
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キャリアの開発したこの機械は
世界初のスプレー式空調機器として
国に認定されました。
そして1906年に
これを「空気を取り扱う装置」と
命名して特許を取得しました。
この機械を工場に設置すると
従業員達がなぜか
こぞってこの機械の周りに
集まりだす現象が起きました。
それは
乾燥された空気がとても冷たく
熱い夏場をしのぐ為
みんな集まってきたのです。
この現象を見たキャリアは
室内を冷やす冷房としても使え
1度で2度美味しい物を発明して
販売する事が出来たのです。
これが実現した原理は
空気をフロンにつけて圧力を上げ
液体にすると周りに熱を放出し
暖房効果が得られます。
その逆に空気をフロンにつけて
圧力が上がった冷媒に押し込み
圧力を下げると周囲の熱を吸収し
周りの空気が冷たくなるのです。
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エアコンの原理は
この方法を使って
空気を冷たくしたり
暖かくしたりしてるのです。
これを発明したキャリアは
1895年にコーネル大学に進学し
1901年に機械工学の学士号を
習得した天才です。
卒業後は
換気システムを開発する企業
「バッファロー・フォージ
カンパニー」に入社しました。
ここでコーヒー豆や
材木を乾燥させるための
ヒーターの設計を務めます。
キャリアはその後
1914年の第一次大戦が始まり
この時12年勤めた同社を辞め
数名の技術者と会社を作りました。
その会社の名前は
「キャリア・グローバル
コーポレーション」という
今でも存続してる会社です。
現在この会社は
世界150ヵ国以上でエアコンや
冷蔵庫の販売をしている
大手企業に成長しました。