

良くも悪くも普通の自己啓発書。
そもそも抜粋されているサム・アルトマンの発言がごくありふれた内容で突飛な思想等見受けられないため、そこを敷衍してもありきたりの結論しか出てこないのは当然である。
それどころか、原則28「文化とは壁に貼られた標語ではなく、誰も見ていないときに何が起こるかだ」に関しては、相当な曲解や誤読すら含まれているように思う。
この程度なら、それこそLLMにでも喰わせれば今の時代誰にでも書けるだろう。
そういう意味ではこの生成AI時代を逆照射する一冊なのかもしれない。
いや持ち上げ過ぎか。
最高傑作に仕上がったと自信満々に放ったGPT5が「人間味を失った」「親密な友人だった4oが5でコールセンターのオペレーターの口調になった」と大バッシングを浴びたエピソードが示すように、サム・アルトマンの本質はテクノロジー至上主義というかその非人間的視点にあるのではないか。
10月28日付で自企業OpenAIを営利目的の新たな組織構造に移行したり、ChatGPTのアダルトモード解禁を発表したりと、昨今の彼の動向を見守るほうが本書よりもよほど面白いし為になる。










