まず、スマートフォンのカメラの仕組みを理解することが重要だ。
レンズの奥には、小さなイメージセンサーがある。
「LEGO」ブロック1つより小さい。
ソニーやシャープが、あるいは何年か前のパナソニックが、
1インチ(約2.5cm)のセンサーをスマートフォンに採用して
話題になったことがある。
残念ながら、これは実際のサイズを正しく表した名前ではなく、
1インチのイメージセンサーといっても
実際には対角線にしておよそ0.6インチ(約1.5cm)、
先ほどの比喩を続けるとLEGOブロック2つ分くらいになる。
1インチのセンサーはスマートフォンにとって夢のような話、
しかも搭載するには大きすぎる夢なのだ。
専用カメラになると、LEGOブロック12個分くらい(4個×3個で並べた長方形)の
イメージセンサーを搭載しており、
ほとんどはレンズ交換できるようにレンズマウント式になっている。
これほど大きいセンサーをスマートフォンに搭載するというのは、
まさに「聖杯」なのだ。
だが、大型のイメージセンサーは、
iPhoneなどに使われている小型のセンサーより高価であり、
何よりスペースの問題がある。
スマートフォンのセンサーに合わせたレンズは比較的小型だ。
一方、フルフレームのセンサーに応じたレンズはもっと大型になり、
レンズの後ろからセンサーまでの間に必要なスペースも大きくなる。
大幅に分厚くしない限り、スマートフォンではそれだけのスペースを確保できない。
Appleやサムスン、その他のメーカー各社は毎年のように、
写真技術の向上を目指して少しずつ改良を重ねている。
しかし、スマートフォンのカメラは、ハードウェアとしてはほぼ限界に達しているのだ。