最近、少し気になって思い出すことが有る。
昔・大昔の出来事なのだが、最近ふと思い出して考える。
俺もう、会社辞めるは・・
もういい、やってられへん・・
こんな仕事自分には向いてない!
私の友人でもある同僚は、当時私に何度も・何度もこう言って相談してきた事があった。「もう辞めたい!ホンマこの仕事嫌や!」何度も、何度も、私にこんな風に言ってくるのである。
もしかして、背中を押してほしかったのか?
苦痛を理解して欲しかっただけなのか?
それも、今となっては分からない。
ただ、当時の私は、このメチャクチャ仕事が嫌になって、本気で仕事を辞めたいと悩んでいる仲の良い友人に対していつもこう言っていた。
まさに、他人事である。
まさに黒歴史である。
今思うと、本当に申し訳ない対応だったと思う、
しかし、当時の私には会社を辞めたら不幸になると言う、漠然とした概念を無意識に持っていたのでしようがない。確かに残業も多くてしんどかったのだが・・
手取り30万円
当時若かった私には、良い給料だと感じていたし、仕事内容も自分にとっては嫌では無かったし、やりがいも有ったし面白さも感じていたので会社を辞める事なんて考えた事もなかった。当時の私には、仕事が有ることが豊かさだったのだろう。
それから、年月が経ち、今度は私自身が会社を辞めるかの選択をする事になる。別段、仕事が嫌だと言う理由ではなかったが、一日のほとんどの時間を会社が支配する労働に嫌気がさしたのは事実であり病名を付けるのであれば、まさに中二病である。
若き日の私に「がんばろやー」と言われた彼は、私の引き止めにも応じずに結局あの後、会社を辞めていった。
私は、「会社を辞めたい!」と言う気持ちを持った時から、十数年前に辞めていった彼の気持ちを想像するようになった。
時を越えて、思いは巡る。
あの時、私は少なくとも彼の事を弱い奴だと思ったし、もしかしたら人生の落伍者だと思っていたのかも知れない。笑える!きっと私が辞めた時にも残った者の多くが人生に落伍したと思ったに違いない。まあ、そんなものだ。
親しい間柄の方々からは、「羨ましい」とか「私も、後を追います」なんて嬉しい言葉も、沢山いただいたりしたのだが、それでも本心は分からない。
この問いに対して、仏陀は2500年以上前から答えを教えてくれている。