友人&仕事仲間のサカキ(@hisui0)に教えてもらった、Shogo Sean Ochiai(@_sgtn)さんの「契約民主主義」という提案↓
この提案を読んで、個人的には非常に可能性を感じた。この仕組みが機能する社会で生きていきたいという希望も湧いた。
というか、純粋に「契約民主主義、面白れぇぇぇぇ!!! 納税はスマートコントラクトを使って世界と契約? 何だそれ? どうやってやるの? よくわからんが、これ、リアル社会で実現したい!!!」という気持ちになった。
けれども、今一つ自分の中で腑に落とせている感じがしない。Ochiaiさんが伝えてくれている内容を十分に理解できている気もしない。
ということは、同じように感じている人がもっとたくさんいるんじゃないだろうか?
だったら、Ochiaiさんの提案を丁寧に読み解き、わたし自身が契約民主主義についての理解を深めていく過程をシェアしていけば、契約民主主義が一体どういうものなのか、もっと多くの人たちにわかってもらうきっかけになるんじゃないだろうか?
「契約民主主義って何なのか?」がわかれば、もっと多くの人たちと「だったらこうしてみるのはどう?」「こんなやり方もあるよね?」というアイデアを出し合って、より面白く、実現可能なスタイルを見いだす機会が生み出せるんじゃないだろうか?
という思いつきを、ほのかな期待を込めて発信していきます。
民主主義の「み」の字もわからないって?
大丈夫大丈夫! わたしもまだふんわりとしかわかってない(笑)。
という感じなので、前提知識ゼロの人もご安心を。
これから先、自分がどんな社会で生きていきたいかなあ…
どうせなら「いい」社会で生きていたいよね!
と、ほんの少しでも感じる人の新たな選択肢のひとつに。
そうでなかったとしても、何らかのヒントになればいいなと。
そんな気持ちで、気軽に読んでみてください。
契約民主主義は、今の民主主義で起きている問題を解決する手段を組み込んだ、新しい政治の仕組みのこと。
大前提として最初に理解しておきたいのは、まずはこれだけ。
じゃあ今の民主主義って一体何なのさ?
という話になってくるんだけど、とりあえずは、今の日本の政治の仕組み=民主主義、という理解でいい(と思われる。世界についてはまた勉強してまとめる)。
民主主義=そこに属している人たち全員が意見を出して話し合い、ベストな方法を選んで社会をやっていこうよね、というルール。
属している人たち全員がそれぞれ直接意見を言う場を持って、あくまでも全員の意見を反映させる、というやり方が「直接民主制」。
全員で話し合いをするには属している人たちが多すぎる!
し、中にはバカもいるだろうから、どうせなら賢い人を自分たちの代表にして、その人たちの集まりでいろいろ決めてもらいましょうよ、というのが「間接民主制」。
ここで選ばれた代表を「議員」と呼んで、その人たちが開く「議会」でいろいろ決めてもらうのが「議会制民主主義」。今の日本の仕組みはこれ。
中学社会、超勉強になるー↓
うむ。民主主義については何となく理解した! となったら。
じゃあ、今の民主主義って一体何が問題なの?
という素朴な疑問が頭に浮かんでくるんだけど。
わたしも含め、多くの人たちの頭の中は「何となく今の社会うまくいってない感あるよなー」とか「政治って自分たちが参加してる感ゼロよね」とか「自分が声を上げたくらいで社会なんて変わるわけねー」っていうような、ふんわりとした理解と諦め感で占められている気がする。
というところで、まずは前述のOchiaiさんの提案の中で「民主主義の問題点」とされていることを理解していこうと思う。以下、引用。
民主主義の問題点
1. メディアやSNSの影響力をそのままに、忙しい中で表面的な理解で投票する人の割合が多くなりがちであること、あるいはInformed Citizenryを前提としているにもかかわらず、投票者の大多数がInformed Citizenryになりきれていないこと。
2. 腐敗していたり無能だったり不要だったりする行政が構成員の代表たる政治家と公務員たる官僚と支配的立場にいる大企業の間の不透明なコミュニケーションの中で利権のために創設されること
3. (2)の利権機構を民意で廃止するための労力と工程が多すぎるために腐敗速度に対して浄化速度が追いつかないこと
4. 政府による抜本的な改革も、自らの支持母体となる組織には抗えない。また、政治家生命を考えると本質的に必要な施策もゲーム理論的に打ち出すことができない。
5. 資金力のない政治家は政治資金のために金策に苦しむため、結果として利権を求める傾向にある。清廉潔白な政治家たるためには票田と資産が必要であり、世襲議員が強くなる傾向にある。
6. 優れた政策や優れた政治家が選ばれる構造にない。
7. 多くの場合、政治家が我々を代表していない。
上記の7点は読んでもらえればわかることだけど、簡単に解説。
・わたしたちが無知すぎて適切な判断ができる状態にない
・行政と政治家と官僚と大企業がベッタリすぎて、もはや民意じゃどうにもならない
・議員になっても所属母体の意見に逆らえない
・Money is Power. お金がない政治家は利権を求めがち
という状況から、
民意を反映した政策やそれを押し出す政治家が出てこない。
=政治家がわたしたちの代表と言える状態にない。
というのが、Ochiaiさんの考える、今の民主主義の問題点。
本件は、民主主義の問題点を解決することを目的としている。そのために、テクノクラシーへの対策とポピュリズムへの対策が必要になる。
Ochiaiさんの提案によると、民主主義の問題点をクリアするためには、テクノクラシーとポピュリズムへの対策が必要らしい。
テクノクラシーというのは、高度な知識や技術を持った専門家によって、国家や社会の大事なあれこれが決められてしまっている状態のこと。共同体に属する人たちからの支持を得ていない専門家が、政治や経済に対する意思決定をすることも含まれる。
専門家たちだけで勝手に決めちゃったら、共同体に属する人たちの意思が反映されないよね、というのと、専門家は確かに高度で専門的な知識と技術を持ってはいるけれど、その知識や技術による判断が、その時々の国家や社会にとって最善の選択とは言い切れないよね、というのが問題点(だと思われる。まだ理解不足かも)。
ポピュリズムは人気取り政治のこと。日本語ではネガティブに衆愚政治や大衆迎合主義とも呼ばれているらしい。
人気者がみんなの意見を適切に反映してくれる人なら問題は起きないのかもしれないけど、そうとも限らない。し、実際のところそうじゃないよね?
というのが一番の問題(なんだろうなと思われる)。
とは言え「今のこの体制を、共同体に属する人たちの力で変えようぜ!」と言っても、現状、何がどうなってて、どこが問題で、どうすればいいのか…
それを知ることに労力がかかりすぎるし、実際に取り組み始めたとしても、期待する変化が起きるまでに時間がかかりすぎる。
というのが、一番根っこにある課題だと思う。
ここまで書いてきた民主主義の問題点を超わかりやすくまとめると、
・わたしたちの生活に関わることなのに、専門家たちが勝手に決めてる!
(しかもその専門家たちに決めてって、わたしたちが選んだわけでもないのに…)
・選挙で当選した人気者たちは、わたしたちの意見を全然反映してくれてない!
(結局利権ですか…あなた方の声を議会に届けますって言ったのはウソだったの…)
ということ。
これらの問題を契約民主主義でクリアするために、
・専門家の意見は参考にする。けど、決めるのはわたしたち。
(専門家には決定権はありませぬ&バカには決定権を与えない)
・人気者選びはやめやめ! 何をどうしていきたいか、個人で提案していきましょう。
(議会にお願いするんじゃなくて、自分たちひとりひとりの力で動かしていこうぜ)
という解決策が、Ochiaiさんの提案に書かれています。
いやはやなるほど確かに理想的ではある。
が、どうやってこの解決策を仕組みとして機能させるんだい?
というのは、次回をお楽しみに!
最後に、この提案のどこが新しくて、面白くて、ユニークなのか?
それをご紹介して、今回の投稿を締めくくります。
まずはOchiaiさんの提案の引用から。
契約民主主義の骨子
【大目標】
1. 人々が自らの関心のみに集中して暮らしていても、全体としてはまともな民主制共同体として改善されていく制度設計を実現すること
2. 次々に発展する技術を世界中から積極的に取り込めむため、世界中だれでも政策提案できる社会であることを目指しながらも、政府がビッグブラザー化したり乗っ取られたりしないことを仕組みで担保し、より持続可能な社会を目指すこと。
・自分のことばっかり考えて生きていても、全体としてまともな民主制共同体が運営されていく
契約民主主義の仕組みを採用すると「いい社会を作るためには、共同体に属する人たちがみんなのことを考えて動いていく必要がある」という前提が覆ります。
それぞれ好き勝手に生きていても、まともな民主制が維持されるというのはかなり画期的なんじゃないかと。
・独裁化されない、腐敗しない
政府がビックブラザー化しない、乗っ取られないというのは、独裁化されないということ。それを実現できるのは、契約民主主義の仕組みであれば、世界中の誰もが政策提案できる状態を作ることができるからです。
特定の誰かの意見だけが世に出され、それらの選択肢からしか選べないという現状を打破できる。代表者としての人気の有無や声の大小ではなく、今必要と思われる政策を、無作為に選ばれたわたしたちの代表が、知識と根拠を持った状態で選択していけるというのが、かなりいいです。
・スマートコントラクトを使った社会契約を設計する
Ochiaiさんの提案の引用には含まれていませんが、契約民主主義のもっとも目新しい点は、スマートコントラクトを使った社会契約を設計するというところにあります。共同体に属する人たちが税金を納めるのはもちろん、施行が決まった政策への予算もスマートコントラクトで行われるというのはかなり新しい!
ブロックチェーンやスマートコントラクトについては、わたし自身もまだまだ理解が十分でないため、詳細については後日改めて投稿していきたいと思います。
が、めちゃくちゃ新しくて、共同体に関わるみんなが納得できる手法だということだけ、ここでは理解しておいてもらえれば。
おまけ。
この記事を読んで「契約民主主義って、何か面白そうなニオイしかしない…」と思ったあなたに、参考資料をご紹介します。
わからないなりに読み込んでみると、理解が深まるかも。やってみたくなるかも。
お楽しみくださいませ。
この提案を読み込む形で記事を投稿していくので、先に読んでおくと面白いかも。
「おお! わかったぜ!」という方は、ぜひレクチャーしてください。
落合さんの提案を読み込むときに「え? 何それ?」となった単語は大抵こちらに掲載されています。ご活用ください。