どうもこんばんは。
新米心理カウンセラー・あぶです。
悩みを抱えていそうな人の話を聞いている時、なんとなく表面的で、本心を聞き出せていない気になることってありませんか?
特に口下手な人と話す時は、相手の言葉を待っているだけでは期待している返事を得ることが難しいことがあります。
心理学者である伊東明氏によれば、そういう時に必要となるのが、聞く技術よりも1つレベルが高い、「聞き出す技術」です。
伊東氏によれば、人から話を聞き出すには、話したくなる「雰囲気づくり」「しぐさ」「コメント力」「質問力」が必要だといいます。
今回は4つの要素の中から、「雰囲気づくり」のコツをいくつかご紹介します。
相手から話を聞き出す時は、話すテーマや状況によって「ふさわしい場所」を選ぶことがカギを握ります。なかでも、聞き出したい相手によって、自分にとって馴染みがある場所か、相手の方が馴染みのある場所を選ぶ、といいでしょう。
テネシー大学の研究者が、大学寮に住む学生同士が討論する際、「自分の部屋に相手を招き入れて討論した場合」と「相手の部屋を訪れて討論した場合」とで、発言量がどう変わるかを実験しました。その結果、自室で討論した時(=自分にとって馴染みの場所)の方が明らかに発言量が増える、ということがわかりました。
つまり、相手の馴染みの場所を選んだ方が話をたくさん聞き出せる可能性が高くなるということです。もし、部下から話を聞き出したい時には、自分の馴染みの店(しかも高級店)に連れて行くと、逆効果になることがあるので注意が必要です。部下行きつけのお店で、悩みを聞くようにしてあげてください。
相手がリラックスして話す雰囲気を作るには、 「距離感」も重要になります。 人と人との距離感は、次の3つに分類することができます。
・密接距離(15~45cm):愛撫、格闘、なぐさめ、保護等をする時の距離
・個人的距離(45~120cm):個人的関心や関係を話し合える距離
・社会的距離(120~360cm):秘書や応接係が客と応対する時の距離
一番いいのは、個人的距離で会話することです。
話を聞き出す時は、テーブルが小さな喫茶店や、テーブルが大きすぎる会議室ではなく、一定の距離感が保てる場所を選ぶことがカギとなります。
伊東氏によれば、いくら適切な個人的距離を保ったとしても、相手の真正面に座ると効果は半減するといいます。なぜなら、互いに正面を向いて顔を合わせると、視線と視線がまともにぶつかり、互いに身構えてしまうからです。
相手と親しいか否かに関わらず、話を聞き出すのに適しているのは、斜めのポジショニングです。 斜めだと、視線がまともにぶつからず、かつ相手の表情もわかるので、安心して話に集中できるはずです。
いかがでしたか?
もし、「部下が本音を話していない気がする」「商談相手からもっと話を聞き出したい」といった思いをお持ちの方は、ぜひ試してみてください。
残り3つの要素(しぐさ、コメント力、質問力)については、次回以降に改めてご紹介します。
ではまたー。