・ALISの記事作成に対する報酬付与のロジックについて説明します。
・本稿はALISのホワイトペーパーの記載内容に準拠します。
・ALISトークン報酬付与の具体的なロジックは、BOT等の不正行為を防止するためにブラックボックス(非公開)となっておりますのでご了承下さい。
記事の作成者は、記事ポイントを得ることができます。記事ポイントはベースポイントと評価ポイントの加算で計算されます。
記事ポイントをもとに、作成者への配布 ALISトークン数は以下の式で与えられます。
注記:ホワイトペーパーにはBAD評価による低評価ポイントが記載されていますが、ALISベータ版には未実装であるため本稿では割愛させていただきます。低評価ポイントについてざっくり述べると、「BAD」評価が「いいね」評価の数の半分以上であれば、記事ポイントが0になるようなロジックになっています。
次に、記事ポイントを構成するベースポイントと評価ポイントについて説明します。
ALISの報酬計算には記事作成者の保有ALIS数に比例したベースポイントが与えられます。
ただし、ベースポイントは保有ALISトークン数を全体ALISトークン数で割った値が0.01を下回った場合には0.01で固定となり、それ以上の場合には値が直接用いられます。
保有しているALISが多いユーザが、より多くのALISトークンを取得できるロジックのため、ALISを所有するモチベーションになると説明されています。具体的には、保有ALISトークン数が全体ALISトークン数の1%を上回ると、記事作成時にトークン保有数によるプレミアがつくことになります。
しかしながら、逆に言うと全体の1%のALISトークンを保有していないと、ALIS保有数のメリットを全く享受できません。
2018年5月4日現在、ALISトークンの時価総額は約11億5000万円ですが、その1%は、なんと約1150万円(!)です。
これだけのALISトークンを保有しなければならないのでしょうか?
ご安心下さい、そうではありません。少なくとも現段階では。
ホワイトペーパーのP.17には、ブロックチェーンによる報酬データ保存の作業は「Wallet に⼊れ Valid されたトークン」により承認される、との記載があります。
つまり、取引所のアドレスに眠るALISトークンは「Validされたトークン」とは判定されず、ALISのWallet(ALISの入出金操作や保有数を確認する機能)に入っているトークンのみが報酬ロジックの計算に用いられると考えられます。
現在、ALISベータ版にはWallet(ALISの入出金や保有数を確認する画面)の機能がないため、外部からのトークン送付が行えません。
そのため、保有ALISトークン数は、必然的にベータ期間中に個人が獲得したALISトークンの累計数となります。そして全ALISトークン数は、これまでにベータ版で配布された全ユーザのALISトークンの合計値と考えられます。
現在浮動票となっているALISトークンのうち、どれだけの数が新たにValidされるのか、またその時にALISがどれだけの時価総額になっているかは誰にもわかりません。
時価1000万円分のALISトークンを持っていないと保有メリットがない、なんてことにならないように、運営さんにはうまく調整していただきたいですね。
次に、「いいね」ポチによって付与される評価ポイントについて説明します。
記事ポイントに加算されるの評価ポイントは、各評価者の評価ポイントの合計で計算されます。
評価者のポイントには、''評価者が''所持しているALISトークン数に応じたポイントが与えられます。
ここでαは評価を行ったユーザーが過去5分以内に別の記事を評価していた場合に0になり、そうでない場合は1になる数です。つまり、短い間隔(5分以内)で「いいね」を押してしまうと、記事の評価に全く反映されませんし、評価によるALISももらえません。「結構記事の評価してるのに全然ALISもらえてないな」という方は、「いいね」の間隔が短くなかったか思い返してみて下さい。
カッコ内の数式には、nとxが含まれています。nはその記事に「いいね」をした人数、すなわち「いいね」の総数、xは評価者が何番目に「いいね」をしたかを示す自然数です。
具体的に考えてみましょう。3人が「いいね」した記事であなたが1人目の評価者の場合、
-1/3*1+1 = 2/3
がカッコ内の値です。
3人が「いいね」した記事であなたが2人目の評価者の場合、
-2/3*1+1 = 1/3
がカッコ内の値です。
3人が「いいね」した記事であなたが3人目の評価者の場合、
-3/3*1+1 = 0
がカッコ内の値です。
つまり、最初に評価した人は多くの評価ポイントを得ることができ、最後に評価した人は全く評価ポイントを得ることができないロジックになっています。また、カッコ内の値は0以上、1未満の値になります。
また、各評価者のポイントは0.001を下回る場合には0.001が与えられますので、評価者の保有ALISトークン数が全体ALISトークン数の0.1%を下回る場合には、いち早く良い記事を見つけたとしても、残念ながら獲得ポイントは変わりません。逆に、保有(Valid)ALISトークン数が全体(Valid)ALISトークン数の0.1%を上回ると、記事評価時にトークン保有数によるプレミアがつきます。
さて、それぞれの評価者の持つ評価ポイントが決まったら、あとは全てを足し合わせるだけです。ただし、記事の「いいね」の数が10未満の場合には、評価ポイントが0となります。また、自分の記事に「いいね」をした場合は、その分の評価ポイントが0となります。
ベースポイントが概ね0.01であるとして、評価者が10人で0.001ポイントずつ評価ポイントを持っているとすると、記事ポイントは0.01+0.001✖️10=0.02となります。評価者が100人で0.001ポイントずつ持っているとすると、記事ポイントは0.01+0.001✖️100=0.11となります。いかに多くの「いいね」を集めることが大事かわかりますね。
以上でベースポイントと評価ポイントの解説を終わります。
最後に、「いいね」をした人がもらえるALISトークン数です。
配布ALISトークンのうち、10%が評価者で分配されることになります。記事作成よりも「いいね」ポチの方がずっと簡単な作業ですので、もらえるトークンが少ないのは、納得できるかと思います。
・ALISで記事を書いた報酬は記事ポイントで計算される
・記事ポイントは【ベースポイント】と【評価ポイント】の加算で表現される
・保有(Valid)ALISトークン数が全体(Valid)ALISトークン数の1%を上回ると、記事作成時にトークン保有数によるプレミアがつく
・保有(Valid)ALISトークン数が全体(Valid)ALISトークン数の0.1%を上回ると、記事評価時にトークン保有数によるプレミアがつく
ALISのベータ版は始まったばかり。ALIS報酬は記事作成者のもっとも大きなモチベーションになるので、是非優れたロジックを作り込んで欲しいですね。
書いた人:ホーさん(hoosan)
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