マクドナルドは2021年1月にチキンタツタ30周年を記念してチキンタツタを復活しました。チキンタツタは生姜醤油風味のチキンタツタパティに千切りキャベツと辛味のあるソースをサンドしたハンバーガーです。1991年に期間限定で登場し、1992年から2004年までレギュラー商品として販売されていました。
チキンタツタはパティもバンズもマクドナルドにとって異色の商品です。パティは今でこそ「マックポーク」や「ジューシーチキン赤とうがらし」とバリエーションが豊富になっていますが、ビーフ一色であったレギュラーメニュー販売当時はユニークな存在でした。濃縮された100%ビーフと比べると、サクサクした食感が特徴です。
バンズもチキンタツタ独特のふんわりした形状が特徴です。ふっくらしています。フカフカした食感は通常のハンバーガーのバンズとは異色でした。
このチキンタツタの独自性がレギュラーメニューから消えた一因です。マクドナルドではハンバーガーにチーズを加えればチーズバーガーになり、パティを二枚にすればダブルバーガーになります。同じ部品の組み合わせを変えることで別のメニューになります。これによって効率化を実現しています。
独自性の高いチキンタツタは低価格でも利益を上げるために標準化を徹底するマクドナルドの方針に合わない点があったのでしょう。つまり、チキンタツタの販売中止はチキンタツタへの需要が乏しかったからではないことになります。
マクドナルド流の標準化は20世紀の資本主義市場では成功例です。しかし、21世紀の消費者はより個性を重視するようになりました。チキンタツタは時々復活し、人気を集めています。そこにはチキンタツタの独自性があるのでしょう。
チキンタツタは2009年に日本オリジナルの4商品を期間限定で販売するキャンペーン「NIPPON ALL STARS」の一環として期間限定で復活しました。これが予想以上の売れ行きとなりました。これは「たまごダブルマック」、「月見バーガー」に続く第3弾として2009年9月25日から10月15日までの期間限定で発売する予定でした。予想以上の売れ行きで10月10日に販売を終了しました。
チキンタツタは2010年5月17日から6月下旬まで「マクドナルドの日本(ニッポン)の味」キャンペーンの第3弾として期間限定で販売されました。「マクドナルドの日本(ニッポン)の味」は日本生まれのマクドナルドのメニューを順次期間限定で販売するキャンペーンです。「NEW てりたま モチモチバンズ」「NEW ゴマえびフィレオ ごまごまバンズ」の後に登場しました。
2021年1月のキャンペーンではチキンタツタの派生商品も登場します。「チキンタツタ 瀬戸内レモンタルタル」はチキンタツタに瀬戸内産レモン使用のタルタルソースを合わせました。酸味の効いたソースが新鮮です。レモンとタルタルソースならばタルタルソースの方が強烈になりがちですが、「チキンタツタ 瀬戸内レモンタルタル」はレモンの強さを感じます。レモンもタルタルソースも伝統的に唐揚げにかけられています。チキンタツタと相性が良くて当然です。
チキンタツタ版ごはんバーガーも登場しました。「ごはんチキンタツタ」や「ごはんチキンタツタ 瀬戸内レモンタルタル」はバンズではなく、醤油風味のごはんで挟みます。私はデリバリーで「ごはんチキンタツタ 瀬戸内レモンタルタル」を食べました。レモンをイメージする黄色と白の紙に包装されています。ごはんバーガーは食べている途中に崩れがちですが、家では落ち着いて食べられるためか崩れずに食べられました。
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