私は「ラーメン、つけ麺、油そば・まぜそば」で通常のラーメンと、つけ麺、油そば・まぜそばを概観しました。今回は油そばとまぜそばにフォーカスします。
「油そば」「まぜそば」はスープのないラーメンです。タレを麺に絡めて食べます。混ぜながら食べるため、ゆっくりと食を楽しめます。タレは通常、醤油やラードを材料とした濃厚なものです。スープがないために麺の旨さを味わうことになります。スープで誤魔化せない分、店にとってはシビアに評価されるメニューです。
酢やラー油などをたっぷりかける食べ方が推奨されることが多いです。しかし、スープで誤魔化さずに麺を味わうというコンセプトを踏まえれば、かけ過ぎない方が通の味わい方です。油そばという名前から油っぽい料理と敬遠するかもしれませんが、それほどでもありません。
「油そば」と「まぜそば」は同じものとする見解が多いです。油そばは東京発祥です。安価でボリュームがあることから大学生に支持されて広がりました。昔からコスパは重視されていました。値段と味や品質が比例するという発想は情報弱者のものです。台湾まぜそばは名古屋料理です。
「油そば」と「まぜそば」を区別する場合、前者は自分で麺とタレを混ぜますが、後者は最初から麺にタレが味付けされているとする区分けがあります。また、前者はシンプルなトッピング、後者は多彩なトッピングとする区分けがあります。また、「油そば」という油まみれのネーミングは健康志向の消費者を遠ざけるため、「まぜそば」が好まれるという背景もあるでしょう。
風風ラーメン浦和道場店(埼玉県さいたま市桜区)で油そばを食べました。油そばは丼の底にタレあることが多いですが、ここは中央部の麺の上にかけられていました。そのためにタレが付いて茶色くなっている麺と白い麺に二極化していました。チャーシューやメンマ、ネギがトッピングされています。チャーシューは柔らかく脂が乗っていて、トロトロしました。
名古屋駅の驛麺通りの「東京らーめん いな世」(いなせ)で「かぶりチキン塩まぜそば」を食べました。「かぶりチキン塩まぜそば」は驛麺通りの夏の風物詩「夏麺」の2019年の期間限定メニューです。ストレート太麺が輝いています。麺のコシは強いです。黒い丼に入っています。
巨大な骨付きチキンがトッピングされています。チキンが大きく、思わずかぶりつきたくなるチキンです。というよりも、かぶりつかなければ食べられません。チキンはチキンで食べました。「あぶりチキン」ではなく、「かぶりチキン」です。「がブリチキン」となると、名古屋の唐揚げ店になります。
驛麺通り(えきめんどおり)は名古屋駅構内のラーメン街です。名古屋うまいもん通りに囲まれた場所にあります。細いストリートに小さい店舗が並びます。ご当地ラーメン店が集まっています。新幹線で名古屋に来た人々も対象にしていますが、名古屋ラーメンだけでない点が面白いです。名古屋駅で日本全国のラーメンを楽しめます。「いな世」は魚介ダシのスープをセールスポイントとしています。
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