坦々麺(担担麺、タンタンメン)は中国四川省発祥の辛い中華麺です。発音が重なるところがありますが、湯麺(タンメン)とは別物です。担々麺は赤茶色のスープです。見た目からして辛そうです。むせるような辛さです。漫然と食べていると鼻の方に入ってしまうため、真剣に食べる必要があります。
私は辛党ではなく、辛いだけの料理は好みません。味が分からないほど辛くすることは愚かです。辛いだけの料理は辛いというよりも痛いです。激辛で刺激が強い食品を食べ続けると、食道や胃腸を悪くします。漫画やアニメには辛い物を食べて唇が腫れ上がるという描写があります。それは誇張ではありません。口周りと舌がヒリヒリします。食べ過ぎると、お腹がユルユルになります。
問題は辛さに中毒性があることです。辛い食べ物による舌の痛みを和らげるために脳内麻薬とも呼ばれる「エンドルフィン」が分泌されます。脳内麻薬の中毒になると辛い料理が病み付きになります。体はダメージを受けています。体を壊してまで食べてしまうことは滑稽です。危険ドラッグなどの薬物依存者が激辛料理を好むという話もあります。
埼玉県さいたま市桜区の風風ラーメン浦和道場店で担々麺を食べました。ネギやモヤシが乗っています。スープは茶色で、唐辛子の赤は目立ちません。辛さだけの料理ではありません。味で勝負しており、好感が持てます。
担々麺には、ごま(胡麻)を使ったものがあります。白ごま担々麺や黒ごま担々麺、練りごま担々麺があります。ごまの豊かな滋味が加わり、辛さだけでなく、味で勝負します。江戸川区船堀の「天然温泉 東京健康ランドまねきの湯」で練りごま担々麺を食べました。練りごまはごまを細かく擂り潰すことで、ごまの油分が滲みだし、それが細かく砕けたごまと混ざり合ってペースト状になります。本物の練りごまは100%ごまであり、油脂や添加物を加えません。
担々麺にはスープのない汁なし担々麺という種類があります。風風ラーメン浦和道場店では2020年9月に汁なし冷やし黒ごま担々麺が登場しました。ところどころにピリッとする辛さがあります。私は辛さだけをセールスポイントにする料理は好きではありません。辛さで舌を麻痺させて食材の素材の味がなくなってしまうためです。この担々麺のように一部辛いものがあるくらいがアクセントになって良いです。
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麺類が好き