自伝を書かないと公言してきたバフェットですが、
この本は彼が信頼し、伝記執筆を許可された著者が書き上げた伝記です。
資産家、投資家としてだけでなく
人としてのバフェットも書かれています。
自分らしい生き方を追求し、貫いてきた方なんだなと感じました。
彼の投資スタイルにも、それが表れています
個人的にあまりバフェットの事を知らなかったこともあり、得るものが多く読んで良かったです!
p69より
「私はシスティナ礼拝堂の中であおむけになって
天井の絵を描いているようなもんなんだ。
“いやぁ、とってもきれいな絵ですね”
と人々が言ってくれればうれしい。
しかし、それは私の絵だから
“青でなくもっと赤を使ったほうがいいんじゃないか”
という人がいたら、さようならと言ってやる。私の絵なんだ。
人がどういう値段をつけようが関係ない。この絵は永久に完成しない。
それが素晴らしいところだ。」
p124
「お金が欲しかった。それで自立できる。
自分の人生でやりたいことが、それによってできるようになる。
それに、自分のために働くのが一番。他人に指示されたくない。
毎日自分がやりたいことをやるのが一番重要だと思っていた」
著者はバフェットと親交が深いため、
人々の姿が生き生きと描かれていてリアリティがあり、ボリュームがある本ですが、どんどん引き込まれてしまいました。
とりあえず上巻を読みましたが(上中下の3巻があります)
上巻ではバフェットの家庭環境や、自らの師であるグレアムとの出会い、そして投資家としてのキャリアをスタートさせ、瞬く間に資産を増やしていくバフェットの30代くらいまでが書かれています。
彼がかなり早い時期から、ビジネスや投資をはじめ、その才能を発揮していたことにも驚きました。
本の中で自分の子供時代についてこう語っています
「子どものころ、いいことばかりに囲まれていた。
両親から財産をもらってはいないし、もらいたくもなかった。
でも、生まれた場所と時期がすばらしかった。
いってみれば、 卵巣の宝くじで大当たりしたんだ」
バフェットはもちろん、グレアムなど世界的投資家の教えも学べますし、
バフェットがグレアムの教えをどのように実際に活かしていたかが分かります。
バフェットは意外にもあまり自信がない子供だったそうです。
母親との関係があまり良くなかったことが原因でした。
しかしビジネスや投資を始めていくなかで、様々な人々に出会い成長していきます。
そしてやがて若くして多くの資産を得ることになる…
その過程がこの本に描かれています。
投資をしてしている方はもちろん、自分らしい生き方を模索している方にもそのヒントになると思いますので、おすすめです。