それは、不思議なラーメンだった。
あっさりなのになぜか忘れがたい印象を残す。
(客1)うまかった
(客2)忘れられない味
(客3)他のラーメン屋さんでもスープこんなに飲んだことない。1週間、2週間たつとここのラーメン食べたくなってイライラしてくる
(客4)ここのが日本一。美味しい。
店があるのは、福島の田んぼのど真ん中。
にもかかわらず、客が全国から押し寄せる。
(店主)毎日食べても飽きない。絶対飽きない。ご飯食べるみたく、みそ汁飲むみたいな味を作りたいわけ。
(店主)作り手が本当に作りたいものを作るには、一生かかる。一生かかってできるかできないか。
自称、ラーメンバカ竹井和之
はやりが生まれては消えていく競争の激しい世界。
福島に竹井あり、そういわれてきたわけがある。
(竹井)まだおいしいものを目指せるんじゃないかって、そう常に思ってる。
(竹井)これでいいとは思ったことない、まだある。まだある。ずーっとそう思ってる。
テレレーテレレーテンテテン、ぼくらは位置について~、横一列でスタートを切った。
(挿入歌)Progress -スガシカオ-
竹井が作るのは昔ながらの醤油ラーメン。
素材の味を十分に引き出すことで、未踏の地にたどり着いた。
(ミシュラン1つ星獲得そば職人)ここ以上のものは出会ったことないですね。また来たくなるっていう何かがある。
(ラーメン一風堂 創業者)積み重ねの味がしますよね。人柄は出てるよ。優しく穏やかで。
天才と呼ばれた父。越えられない壁に絶望した。
「こんなもんでよく金貰えるな」っていうぐらいの調子ですからね。言われたことはね。
襷を渡す時が刻一刻と迫っていた。
(娘婿)なかなかお思うようにはいかないです。
(竹井)なんだろうね。
(妻)ラーメンは私は家族だと思う。
(長女)父と母はお客さんに対して嘘はついてこなかったと思う。
本当に伝えるべきことは何か。
おいしいものを作ればいいってもんじゃない。
世界中にあふれているため息とぉおお~君と僕の甘い挫折にささぐぅ~
あと一歩だぁ~けまえに~進もう。
はい、というわけで今回は、TVでも紹介されたことのあるラーメン屋にきましたよ。
せっかくなので頭の中でスガシカのプログレスをかけながら記事を書いていこうと思います(笑)
福島県白河市にあるラーメン屋、『とら食堂』。
田んぼ道をしばらく進むと突如として現れるとら食堂の看板。
人影は、まだない。
と思った矢先、看板の誘導に従って狭い道を進むと店の前にある車1台分の駐車スペースをはみ出て人があふれかえっている。
着いたのは平日の13時過ぎだった。
40分待ち。
待っている人たちの年齢層はどちらかというと高めだ。
食べた後に思ったが、日頃パンチの効いたスープに慣れ親しんでいる若い世代には物足りないと感じるのかもしれない。
「音野」と書かれた名前が呼ばれて通されたのは入り口と店内をつなぐ玄関とでもいう場所であろうか。メニューを渡されてさらに待つこと5分。
食べログのラーメン百名店の称号が光り輝く。
店内は言うまでもなく満席だ。
座敷に通された。見慣れない2重構造の窓から初秋の風が吹き込む。
日頃自制しているがせっかく旅行に来たのだからとチャーシュー麺を頼む。
チャーシューに使われるのは豚一頭から数キロしか取れない極上の内もも。旨味が極めて強く、かえしにも使われる。
加工して3日以内の肉しか使わないというすじの入った肉は弾力があってやわらかくうまみが強いという。
地元の楢ノ木を使ってじっくりと弱火で蒸すことで香り・奥の深さ・コクなどが抽出された肉だ。
うま味調味料はおろか、酒やみりんも加えないという。
スープは豚骨に地鶏。
日本各地から選び抜いた4種の地鶏を70羽も投じる。他所のラーメン店が仰天する量だという。
さらに特上の讃岐コーチンを惜しみなく使う。味と香りづけが良いという。
早朝から実に5時間がかりで作ったという出汁は自然の味がする。
肉のうまみが詰まったかえしに濃厚な鶏がらの出汁をあわせ、スープができる。
注文してから5分。
麺は粉から練り、3日間熟成させた手打ちのちぢれ麺だ。
滑らかなのに歯ごたえがある。それがコシなんです。
天然の味へのこだわりがあるという。
追い求める理想の味。
ー毎日食べても飽きないー
水みたいにすっと入ってくれば何回食べても飽きない。
後を引くおいしさ。
丸い輪に入ってもらう。
家内工業でしょ、だから、輪の中に入ってもらわなきゃならない。
ふわーっとしたところに包む。
ラーメンはその言葉通り優しい味がした。
〒961-0017
住所:福島県白河市双石滝ノ尻1
Tel:0248-22-3426
営業時間:11:00~14:30(土・日は14:00) 16:00~18:00
定休日:月曜日(祝日の場合は営業、翌日休み)