21世紀の歴史 ジャックアタリ著
僕がこの本に出会ったきっかけは、なんとなくフランスのすごい人に興味があり本を探した結果たどり着きました。拙い表現ですみません。
こう考えるには理由がありました。僕は一時期、ものの考え方、捉え方について先駆的な考えを持った国がフランスではないかと考えた時期がありました。(もちろん、経済や財政分野でアメリカや中国が強いです。)
例えば現代哲学の分野なら構造主義の元祖はレヴィストロース。5年前にトマピケティが21世紀の資本を発売して話題になりましたよね。ミルトンフリードマンが唱えたトリクルダウン仮説は、トッドが調べた統計で否定され、所得を持つものと持たざるものは歴史的に変わってないことも証明しました。また、エマニュエルトッドも世界中の国や地方の家族関係をもとにして、社会主義や資本主義の傾向を定説した学者です。エマニュエルトッドは外山滋比古の思考の整理学の文章で少しだけ出てきたことがきっかけで知りました。太字で書いた人物はフランス人です。
Amazonであれこれ調べたりしているうちに見つけた本が、今回紹介するジャックアタリの本です。この人はアルジェリア人ですが、フランスでマクロン大統領の相談役をしています。マクロンを大統領として推薦したのも彼みたいです。
ちなみに本のタイトルに相応しく世界の歴史の話が豊富に出てきます。僕は世界史の知識があまりないですが、わからない部分は流しながら読みました。
この本は初版2007年ですが、まるで予言のように色々なことが当たっています。読んだ途中に、凄すぎて興奮しました。
1.金融危機が近々起きること(実際にリーマンショックが起きた)
2.エンターテイメント、保険業界がこれから躍進する(ヒマが増えたためゲームやマンガなどのエンタメ分野が発達。発展途上国が成長し、生活に余裕ができた市民がリスクを保証できるサービスを欲する。)
3.資本は西に行く。(近世はヨーロッパ。現代は一時日本が経済成長したがアメリカ。今後は中国やインドが経済の中心になる可能性は高い。)
4.時間が大事。(仕事、恋愛、運動、睡眠、趣味。やることが多すぎて、時間が足りない。人間はより自由を求める。結婚を選択しないカップルが増え、婚外子も増える。)
これは12年前の本だと考えると、あまりに現在に近い考え方、またはこれからの考え方かもしれないと正直震えました。簡単な紹介をしましたが、内容はもっと読み応えがあり、深いです。
最近流行っていたファクトフルネスやサピエンス全史を読んだときよりこの本を読んだときの衝撃が強烈だったので、ぜひ読んでみてください。書いている途中にもう一回読みたくなってきました笑。