僕が今回紹介する本は社長は労働法をこう使え!と言う中々すごい本です。
社長が従業員を解雇するためには最低でも2000万円の準備が必要であると言う衝撃的な内容が書いていました。
やはり日本は一度正規雇用になると、クビにすることがとても難しいみたいです。いくら人材不足だからと言っても、癖のある人材を雇用し、後に簡単に解雇することはできません。
仕事の能力や人間関係の相性によって辞めさせることも難しいです。裁判官は遅刻や無断欠席などの仕事に対しての素行の悪さが解雇の正当な理由になるのですが、その人物の能力や働きぶりは全く考慮されません。
労働法は日本がまだ工業化を押し進めた1920年代に制定され、改正を繰り返して今日に至ります。したがって時代に合った法律ではありません。ただし、法律の世界は判例という過去の裁判の記録に則って裁判官が判決を下します。今までの判例を理解することに意味があるのです。
またパワハラにも無関心です。これは本人らの言った言わないの押し問答になってしまいます。例えば、馬鹿や死ねなどの人格を否定するような発言はもちろんダメで、音声データがあれば立証されるようです。
仕事の能力がないからやめて欲しいと伝えること自体は法律違反でも何もないので大丈夫みたいです。
また管理職は残業手当を請求することができます。残業代を支払われないことが決められている人材は管理監督者です。例えばメーカーの管理職は課長や部長というイメージでしょう。彼らは従業員の仕事を管理する仕事だけでなく、エクセルで資料を作ったり、会議でプレゼンしたりなどの他業務をたくさん行なっているので管理監督者に適用されません。
工場長のように、従業員に働いてもらい、そのチェックを行う業務の場合は残業代が明確にないのです。
実際、マクドナルドの店長は自身で商品を作る業務を行なっているにもかかわらず、未請求の残業代が存在していることを理由に裁判起こし、勝訴しています。
そもそもですが、日本は法律について義務教育で教えてなさすぎです。国のルールや違反を教えれば何がいけないか判別ができますし、判例は参考になります。
労働法について正しい知識を知らない社長、役員の責任だってあるのです。知った上で対策を取る必要性があるのです。
例えば基本給は一度上げてしまうと、景気悪化でも下げることができません。したがって、基本給を安くしてボーナスを増やし、従業員と同意した上で契約を結ぶ。他にも方法がありましたが、詳しくは読んで確認してみて下さい。解雇させるにはやはり時間がかかったり、一手間かけて工夫が必要であることもよくわかります。
僕はこの本を読んで、社長になりたくないと思いましたが、給与や残業について関心のある方にはとても参考になると思います。