会社員の方向けです。私自身がIT業界なので、IT業界以外の方々にはマッチしない部分が多々あるかと思いますが同様の考え方は出来るかも知れません。
私自身、エンジニアをマネジメントするような仕事をしているので、彼ら自身にどのくらいの単価で仕事しているかを理解してもらう事は、様々な場面で役に立ちます。
例えば、生産性向上のために、新しいPCとかツールを導入したい、みたいな話があった場合、自分たちの時間単価を知っていると、ロジカルに説明する際の助けになります。
さて、ここでの時間単価はどのように計算すれば良いでしょうか。
自分が得ている月間の給与を稼働時間で割って、時給に換算して・・・と考える方もいるだろうと思います。
今回、ここで話す時間単価は、会社が1人あたり雇うのにいくら掛かっているかという原価から計算しましょうというものです。
IT業界であれば、売値:1人月◯◯円から粗利分を引いたものが、原価となります。
会社や業態によっては原価の計算方法が変わってくるとは思いますので、原価が分からなければ上司等に聞いてみると良いかと思います。経理とかでも教えてくれるかも知れません。
では、原価が明確になって、1人が1ヶ月稼働すると、50万円掛かるとしましょう。
この50万円には、人件費であるとか、貸しオフィスの費用とか、備品の購入代とか、そういうものが含まれます。
給与として、30万が支給されていたとしても、会社としては50万円の費用が掛かっているという事です。
月間稼働を160時間とすると、時間あたりの原価は3,125円となります。
原価が理解できれば、ある種、会社と対話するための共通言語を手に入れたに等しいので、最近古くなったPCを新しいものに交換したい話をロジカルに考えてみましょう。
・古いPCは起動に3分掛かる
・新しいPCは起動に1分掛かる
・月間の稼働日は20日
上記とした場合、月間、60分PCの起動に時間が掛かっている、となります。
新しいPCにした場合は、月間、40分の時間節約になり、2,083円分の効果が見込める、となります。
2年使ったとすれば、49,992円分の時間節約です。
じゃあ、PCを入れ替えた方が良いのか?という点については、ここでは議論しませんが、考え方としては上記のような感じです。
効果を金額に置き換えて、その価値を示す事ができれば、説得力のあるロジックを作れます。
今回は、PCの置き換えを例にしましたが、この自分の時間がいくらか?という理解をしておくと、チームにおける生産性向上を検討したり、取り組みの優先度を決めたりする際にも判断の助けになりますし、周りも理解しやすくなります。
「効率化できているはずです」
ではなく、具体的に、
「原価で言うと◯◯円効率化されました。」
と言えるようになると良いですね。
勿論、お金が全てでは無いですが、ビジネスをやる以上、お金を無視できないというのがあります。仕事の対価として給与という形でお金をもらっているにも関わらず、会社のお金については知らないというのは、仕事をする上で情報が足りていないということに繋がると思うのです。
「原価を意識する」だけでも1つ上の視点でものを考えられるようになります。
これは分かりやすいビジネス視点のひとつだと思います。
私見ですが、エンジニアがビジネス視点を持っているチームや組織、会社は強いと思います。