よぉ、みんな。千葉は台風の影響で大変なことになってるけどみんな無事かい?
一刻も早く日常生活が取り戻されることを祈るよ。そのためにはやっぱり電力はもちろん、倒壊した建物やがれきの処理、色んな施設の復旧、土木工事などなどやらなきゃいけないことは沢山ある。
そういったことに何よりも必要なものは何だと思う?そう、カネだよ。というわけで今日のテーマは『お金』だ!!!
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カネは何故色々なモノやサービスと交換できる価値を持つのかというのには大体二つの説がある。一つは金属主義、もう一つは表券主義って考え方だ。まず金属主義はかなり分かりやすくて要は『貨幣というのは金貨や小判なんかのようにそれ自体が価値を持った物質で出来ているだ。だからみんな欲しがるんだ』って考え方だ。そして、金本位制という20世紀にあった経済体制では紙幣というのは金と交換できるチケットのようなものだった。ただ、これには3つほど問題がある。
1・歴史学的に物々交換で経済を回していた証拠は見つかっていない
2.通過発行の上限が金などの物質に左右されるためデフレと環境破壊を招きやすい。
3.現在世界中で発行されている不換紙幣(金に換えられない紙幣)についての説明がうまくできない
1についてはイメージしやすいから長年物々交換が定説のようになっていたけど、実際そういった経済体制があった証拠はおろか物々交換があったことを示す証拠も見つかっていないとさ。それどころか古代メソポタミアではトークンや粘土板で債権債務や徴税の記録を取っていた。東洋でも古代中国では紀元前17世紀の殷時代から貝殻や青銅を貨幣に使っていたそうな。
それに資本主義社会では経済成長していく中では建築やインフラ整備、社会福祉、軍備など色んな分野で人を動かすためにカネがたくさん必要になる。それなのに2のように発行額の上限が金なんかの量に左右されるんじゃ話にならない。だから現代の世界では不換紙幣っていう金に換えられないけど価値を持つおカネが流通しているんだ。
そしてその不換紙幣については金属主義の立場で説明するとなったら『みんなが欲しがるから価値を持つ』『共同幻想だ』っていうような曖昧な説明しかできないことになってしまうね。
それに対して表券主義はそもそもカネとは債権債務の記録だって考えてるんだな。現代の貨幣発行の仕組みは前回書いたとおりだ。
表券主義の歴史的な例もいくつかあるんだ。
例えば古代メソポタミアでは酒代の支払いは毎回ツケ払いだったんだ。そして払う方は膨らんだ負債を後でまとめて農産物などで払うってやり方だった。
現に古代メソポタミアから発掘された銘板にはそんな信用取引の記録が大量に残されてる。そしてその銘板自体が貨幣として色んな買い物に使えていたりしたとさ。
もう一つはアイルランドの話。1970年、アイルランド中の銀行がストライキのために閉鎖してしまった。そうなると当然預金をおろしたりどれだけ預金を持ってるか把握できなくなるから経済がマヒしてしまうんじゃないかと思うだろ?
ところが当時のアイルランド人達は小切手を書いてバーの店主にその信用性を保証してもらうことで問題なく買い物とかを行うことができたわけだ。
こんな具合に、お互いに信用のある債権債務の記録だったらどんなものでも通貨になり得るってのが表券主義の考え方だ。
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現在、世界のどの国も表券主義の考え方を採用した管理通貨制度を取っている。これは簡単にいうとおカネの量を中央銀行含めた政府機関の自由な裁量によって調節出来る制度だな。
これの良いところは何といっても金を必要としないで貨幣を発行できるってとこだな。そのおかげで必要に応じて国内の貨幣量を増やすことができる。減らしたかったら税金徴収とかで対応すればいい。そうやって生まれたカネが価値を持つ理由は言ってみればその国のインフラや経済規模、生産能力に裏打ちされているからってとこだね。だからモノやサービスの生産能力の範囲がカネを生み出せる現実的な上限ってことになるんだ。
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以上がいわゆる『法定通貨』の話だ。それじゃ仮想通貨はどうなるかっていうと、あれはもう通貨とは異なる種類の資産と言っていいな。ビットコインも現に『デジタル•ゴールド』と呼ばれてるしな。
とりあえずまとめとしては、少なくとも現代社会のカネは表券主義の考え方で発行されていますってとこか。