寒い季節になると出回るようになる「シクラメン」は、春まできれいな花を咲かせる人気の花ですが、やはり育て方が悪いとすぐに枯れてしまいます。
今回はきれいな花を長く楽しむためにも、ぜひ抑えておきたいシクラメンの育て方のポイントをご紹介したいと思います。
シクラメンは頂き物としてもらうことが多いですが、意外とすぐに枯らせてしまう人が多いようです。
室内でも栽培できるので、インテリアとして部屋に置く場合が多いですが、実は人が快適に生活できる気温の中に置いておくとすぐにグッタリしてきてしまいます。かといって寒い時期に外に出せば霜に当たって枯れてしまいます。
と言うのも、シクラメンは中東など雨季と乾季のある地域の植物で、涼しい雨季が開花時期となりますが、それが日本でいうところの「冬」にあたるので、冬に咲くと言っても決して寒さに強いわけではありません。同時に夏の暑さにも強いわけではないので、夏にはグッタリしてしまうのです。
初夏になって完全に葉が枯れてしまったシクラメンは、陽の当たらない風通しの良い場所で夏を越し、涼しくなってから植え替えをするまで一切水を与えないのが育て方としてはベストです。これはシクラメンの生息地と同じような環境にする方法なので、シクラメン本来の生育サイクルと言えるでしょう。しかし日本の夏は高温多湿になる場合が多いので、球根が腐ってしまう可能性も考えられます。
中にはいつまでも花が枯れることなくきれいに咲き続ける場合もありますが、この場合は半日陰の涼しい場所で夏を越すようにして、通常通り水やりをして、月に1回ほど液体肥料を与えましょう。
買ってから3~4週間ほどは花と葉のバランスが良い状態を保てますが、だんだんと株の中心の葉だけが大きくなってくるので、見た目も悪くなるうえに葉の下に隠れてしまった小さなつぼみに陽が当たらなくなって、咲く前に枯れてしまいます。
このような場合は、中心の葉を外側に引っ張ると、外側の葉にひっかかって中心部にスペースができ、株の中心部全体に陽が当たるようになり、つぼみが成長してどんどんきれいな花を咲かせますよ。
この作業は「葉組み」と言いますが、シクラメンを長く持たせたい場合は月に1度くらい行うと良いでしょう。
また枯れた花は根元から摘み取って常に株をキレイにしておくのも、育て方のポイントになります。これは「花がら摘み」と言いますが、花がらをそのままにしておくと新しい花が咲いてこないので、こまめに行ってください。
シクラメンの植え替えの時期は通常9月ですが、夏の越し方によっても植え替えの方法が変わってきます。
夏に花が枯れてしまった場合は、鉢から球根を抜いて古い土をすべて取り除き、根を2~3㎝ほど残してバッサリと切り落としてから、新しい土に植え替えをします。植える時は球根の膨らんでいる部分までが土から出るようにして植えるのがポイントです。
夏を越したシクラメンは、株ごと鉢から抜いて軽く土を落として、ひとまわり大きな鉢に植え替えましょう。こちらの場合も球根の膨らんだ部分が土から出た状態がベストなので、深く植えすぎないように気を付けましょう。
シクラメンの鉢は、鉢底に水が溜まるようになっている「底面給水」(鉢底の受皿部分に水を入れておくとスポンジなどが水を勝手に吸い上げてくれる鉢)と言われるモノが多く、その部分に水を切らさないようにすれば水切れで枯れることはありません。底面給水ではない鉢の場合は、土が乾いていたら水をあげるようにして下さい。
シクラメンは冬の植物ですが、その割には水を必要とします。新しく植えるなら底面給水の鉢を選ぶようにして、さらに土の上から水をあげるようにしましょう。ただし球根部分に水がかかると、湿気に弱いために傷んでしまう原因になるので気を付けて下さい。
9月~5月までは、2か月に1回の割合で土の表面に化成肥料を与えます。化成肥料がなければ週に1回くらいの割合で、1000~2000倍に薄めた液体肥料でも良いでしょう。底面給水の場合は、鉢の底にある受け皿に薄めた液体肥料を入れておきます。
シクラメンはその色や姿が日本人好みであるせいか、冬の贈り物の定番になっています。大切な人からもらった贈り物は、できればいつまでもきれいに保ちたいですよね。
是非今回ご紹介したシクラメンの育て方のポイントを参考にしていただいて、いつまでもきれいなシクラメンを楽しんで下さいね。
まとめシクラメンの育て方で知っておきたい5つのポイント
・枯れてしまう原因
・置き場所
・日常の手入れ
・植え替え
・水やりと肥料
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