

コミュニティ支援プログラムが停滞しています。
コミュニティイベント支援プログラムがいわゆるりーちゃんカードになってから1年以上が経過し、コミュニティイベント支援プログラムの報酬の魅力が薄れています。そして、大変残念なことに、事務局がこれを積極的に改善する様子はありません。
そこで、ガバナンスによってこれを改革しようとガバナンス提案の草案をフォーラムに投稿しました。我々のガバナンスの仕組みで新しいカードを作り、これでコミュニティイベント支援の報酬にしようという試みです(以下、「当初提案」という。)。
自分なりに工数に配慮したつもりではありましたが、5色のクリプトスペルを作成するために運営から呈示された工数は、1.0人月。この数字自体は運営にしかわからない定量化のため、これを前提にするしかありません。
私自身は、コロシアムの盛り上がりはユーザー主導の今後のクリスペにとって必要不可欠だと考えており、工数をかけてしまう結果になろうとも、この当初提案を出そうかと思っていました。しかし、こうして作ったカードも結局は1年後に同じような扱いになり、同様の工数を1年後にかけなければならなくなる事態になりかねず、同じようにしないにしても少なくとも対応を迫られるため、(今自分自身が一番関心のある)サステナブルなゲーム作りに反する課題を直視せずにはいられず、提案に踏み切れないままでいました。
途中、シルバーカードをどんどんコミュニティイベント支援プログラムに下ろしていくという案を考案しましたが、そもそもコミュニティ支援イベント報酬の改革は魅力向上を目的とするものであって、その趣旨を没却するとのご意見(とんねこさん)が聞かれました。このご意見は私には非常に納得いくものであったため感化され、こちらも自分の中では没に。
議論期間が徒に経過してゆきました。
その中で、ふと、クロサワさんの投稿が目に入ります。
ああ、なるほど、そうか。
自分はなぜ「コミュニティイベント支援プログラム」の継続ありきで考えていたんだろう。
そもそも、「コミュニティイベント支援プログラム」は、事務局が与えてくれるものです。それは、その内実がガバナンスで決まったとしても、変わることはない。配布には事務局に工数をかけることになる。また、コミュニティイベント(特にコロシアム)が重要というのは一定の価値観ではあるが、そうであるかどうかを含めて自由な経済に委ねるべきではないか。
そして現実に、コミュニティイベント支援プログラムは、事務局の負担はもちろん、ユーザーの申請ミス、事務局の配布ミスに対する追加的な対応も生じていました。また、サブアカウントを使った参加人数の不正、抽選の不正などもあるやに聞いていました。いろいろ考えていくと、あまりずっとやっていける仕組みではないような気がしてきます。
そこで、新しい提案をすることに決めました。
この提案により、コロシアムやイベント等の運営に対する報酬の設定を、事務局からユーザー側に委譲することを目指します。
以下、考えられる批判とこれに対する私の現時点での回答を述べておきます。
まず真っ先に思いつくのがこの批判です。
これに対する私の現在の回答は、
・まず、それはそれで構わない
・イベント支援にたくさん支出するギルドの優遇措置は、今後のガバナンスを通じて実現すべきである
というものです。
上でも論じた、コミュニティイベント支援が大切だという価値観自体、コミュニティと自由市場に基づいて決せられるべきですから、用途を限定しないSPL配布はむしろ望ましいとすらいえます。
次に考えられるのは、SPLの希釈化を対策する議決がなされたのに、この趣旨に反しないかという批判です。(もちろん一度なされた議決に反するガバナンスは許されますが、それはさておき)確かに本提案は、SPLの希釈化問題に対する一定の、つまり5000×5で2万5000SPL分のリバウンドになることは確かです。
しかし、当時共有されたこちらの分析によれば、もともとのSPL配布ボリュームが58万SPLにも上っており、これと比較すると2万5000SPLは4%程度です。すでに可決済みのminさん案はセールに連動するものですが、いずれにしても大幅に希釈化は緩やかになるものと考えられ(SPL希釈化対策チャンネルにおける議論参照)、今回追加となる2万5000SPLがSPL希釈化との関係で大きな問題になるとは考えられません。
上記案を冷静に見ると、なぜコミュニティイベント報酬を廃止する必要があるのか疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。単にギルド資金を5000SPL追加するガバナンス提案は可能だからです。
しかし、こうした事務局に要求するばかりの意思決定が繰り返されると、ゲームは短命になるように思います。当然ですが、リソースには限りがあります。そのような提案には、僕自身直ちに賛成できません。
今回の提案は、今のコミュニティイベント報酬制度が持続可能なものではなく、事務局の負担にもなっているところを、ユーザー側が引き取るという提案です。「大変だろう(※)から、こっちでやりますね。だけど、その分資金はくださいね」という、権限移譲であり、バーター取引のようなものです。
ギルド資金の増加はかねてから熱望しておりましたが、事務局の負担を減らすとともに、いっそうユーザー側による自由な活動が可能になるきっかけになると考えました。
(※)なお、本提案で削減できる事務局の工数はたいしたことが無いという意見が小澤さんから表明されています。ただ、ちょっと僕は鵜呑みにしておらず、もう少し手間がかかってしまっているんじゃないか?という気がしています。
以上、ざっと考えられる批判について書いてきましたが、もちろんこれに限られるものではないでしょう。そこで、当初提案の考察の続きではあるのですが、新たなフォーラムを設け、2週間の議論期間を改めておくことにしました。
ご批判等、よろしくお願いいたします。
なお、本提案(ないし議論期間でブラッシュアップされた提案)が否決される場合、当初提案をガバナンス提案するつもりです。











