図のような直方体ABCD-EFGHがあります。
また、辺CD、 EF、 GC上にそれぞれ点P、 Q、 Rがあり
DP=8cm、 PC=12cm、 EQ=4cm、 CR=9cmが成り立っています。
3点P、 Q、 Rを通る平面でこの直方体を切断し、切断したときにできる切り口の図形をXとします。
図形Xを前から見ると(面ABFEに垂直な方向から見ると)、面積が228平方センチメートルの図形に見えます。
図形Xを上から見ると(面ABCDに垂直な方向から見ると)、面積が266平方センチメートルの図形に見えます。
このとき、次の問いに答えなさい。
(1) 図形Xは何角形ですか。
(2) 直方体の高さ(辺AEの長さ)は何cmですか。
(3) 直方体の奥行き(辺ADの長さ)は何cmですか。
(本番の解答用紙には、この下に計算のための余白があります。図形の作図も採点対象となります)
解答
(1) 六角形
(2) 14.4cm
(3) 20.3cm
解説
単元:中学受験算数 立体図形 切断図 平面図 立面図 平面図形 相似
受験生難易度:
1-(1) 易しい
1-(2) 易しい
1-(3) 標準
対策:立体図形の分野から、切断図の単元が出題されています。立体図形の切断図は、中学受験では頻出の単元ですが、ありきたりな図形を暗記するだけでは、対応できないでしょう。誰でも見知っているような図形は登場しません。
空間認知の訓練をして、どのような図形が登場してきても、自分の手で作図できるように準備しておきましょう。どうしても図形が苦手な場合は、他校の受験も検討した方が良い場合もあります。
受験生難易度は標準的で、図形が得意な生徒は、全問正解できる大問です。図形が苦手な生徒でも(2)までは正解したいです。立体図形の解法だけではなく、平面図形の解法も同時に求められていますので、記述はしっかりと筋道を立てて書きましょう。
分析:
(1) 六角形
立体図形の切断 解法1:同じ平面の点を結ぶ
点Pと点Rは、同じ平面DCGHにあるので、線を引きます。
立体図形の切断 解法2:平行な面に平行な線を引く
平面DCGHと平面ABFEは平行な面なので、辺PRと平行な線を点Qから引きます。交点を点Sとします。
立体図形の切断 解法3:辺を延長する
辺PRを延長して、平面と交わるところまで補助線を引きます。
平面EFGHとの交点を点X、平面ADHEとの交点を点Yとします。
立体図形の切断 解法1の繰り返し:同じ平面の点を結ぶ
点Xと点Qは、同じ平面EFGHにあるので、線を引きます。辺FGとの交点を点Tとします。
点Yと点Sは、同じ平面ADHEにあるので、線を引きます。辺ADとの交点を点Uとします。
立体図形の切断 解法1の繰り返し:同じ平面の点を結ぶ
点Tと点Qは、同じ平面EFGHにあるので、線を引きます。
点Uと点Sは、同じ平面ADHEにあるので、線を引きます。
完成です。
答えは図形Xは六角形です。
立体図形の問題は、図形が描けなければ、そこで手が止まってしまいます。日頃から空間認知の能力を鍛えておきましょう。ちなみに、タブレットやスマホなどのデジタル学習よりも、手書きの紙でのアナログ学習の方が、より効果があることがわかっています。
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