プロ家庭教師による生徒指導の注意解説です。先生と生徒で、知識技術の伝達のコツを解説しています。生徒への適切指導によって、生徒の能力育成ができます。
先生と生徒だけではなく、保護者と子供・上司と部下・先輩と後輩などの関係においても、活用できます。身近な人に教える機会があれば、参考にしてみてください。(原記事)
Q:生徒指導について、他人に物事を教えるにはどのようなことに配慮すればよいのですか?
A:言葉で伝えることは簡単だと思われがちですが、以下のようなことに配慮すると、お互いに心地よく物事を教える・教わることができます。
理解:相手に伝える知識技術をしっかりと理解しておくこと
構成:相手に物事を伝える順序や速度に配慮すること
意欲:相手の意欲興味に沿うこと
診断:相手の現在の状態を、医師・占い師のように、しっかりと診断すること
援助:相手の味方になってあげること
空間:相手に居心地の良い空間を作ること
余裕:相手に活動できる余地を与えること
応答:相手の言動に適切に応答すること
目標:相手に適切な目標を提示すること
評価:相手の成果を客観的に評価すること
Q:生徒指導について、どのような言葉遣いに注意したら良いでしょうか?
A:生徒に伝える言葉のうち、専門用語は統一して伝えましょう。授業ごとに用語が異なると、生徒は混乱します。同じ対象には同じ言葉で指示を出しましょう。
Q:生徒指導について、俗語はあまり使わない方がよいのでしょうか?
A:俗語・サブカルチャーの言葉は、生徒には人気がありますが、あまり多用しない方がよいでしょう。社会にはさまざまな年齢の人間がいて、時間を超えても滅びない言葉を選びましょう。
Q:生徒指導について、時間構成はどのようにしたらよいでしょうか?
A:時間構成は、生徒の体力・集中力に合わせて、区切りがあるとよいです。例えば、90分の授業で数学を教えるのであれば、導入授業30分・演習授業25分・休憩5分・解説授業30分のように、生徒が退屈しないように指導に緩急をつけましょう。
Q:生徒指導について、ノートの取り方を生徒に教えたほうがよいでしょうか?
A:はい、生徒がノートの取り方がわからない場合は、積極的に助言してあげてください。情報をまとめるのも、大事な学習能力です。
Q:生徒指導について、ノートは分けた方がよいでしょうか?
A:ノートは2冊に分けることをおすすめします。導入授業用の授業ノートと、演習探究のための自由ノートの2冊に分けましょう。
Q:生徒指導について、動機付けとは何ですか?
A:動機付け(どうきづけ)とは、生徒が興味関心のある内容を、カリキュラムに組みこむことです。人間は自分の興味関心があることには集中し、興味関心がないことにはすぐに飽きる性質があります。
Q:生徒指導について、どのように指示を出せばよいのですか?
A:指示は大雑把に出すのではなく、できるだけ具体的に指示を出しましょう。「宿題を解こう」より「数学を解こう」が良く、「数学を解こう」より「数学のワークを解こう」が良いです。
Q:生徒指導について、課題の時間指定はしたほうがよいのですか?
A:はい、時間指定をした方が良いです。ただ課題をするよりも、いついつまでに課題を仕上げるように促してください。
Q:生徒指導について、指示を出しても動けない生徒にはどうしたらいですか?
A:指示を出しても生徒が動けない場合は、他の人間がどのように課題に向きあったのかを伝えると良いでしょう。
Q:生徒指導について、できない生徒にはどのように接すればよいですか?
A:生徒が何かをできなくても、怒らずに、順序立てて物事を伝えてください。相手は何か足りない点やわからない点があるからこそ、学ぼうとしていることを理解しましょう。生徒への指導は、社会人への指導とは異なる側面があります。社会人では上司が部下に一方的に命令しますが、先生と生徒の関係ではうまくいかない場合があります。相手に寄り添って考えることも必要になります。完璧な人間はいないので、相手に合わせて柔軟に指導方法を選びましょう。
Q:生徒指導について、問題行動のある生徒にはどのように接すればよいですか?
A:問題行動のある生徒には、問題行動をするとどのような被害があるのかを、ていねいに説明してあげましょう。また問題行動のある生徒は、そもそも生活習慣の確立に失敗している場合が多いので、生活習慣の改善も有効です。
Q:生徒指導について、悪質な生徒には怒ってもよいのでしょうか?
A:悪質な生徒には怒ってあげてください。ただし、あくまで相手をていねいに見ていることが前提です。相手の行動をよく見ずに、その場その場の気分で怒っていると、信頼を失う可能性があります。他人からの期待・叱責は、生徒にしっかりと自分が見られているという自覚を促します。
Q:生徒指導について、どのように生徒を評価すればよいですか?
A:生徒の「成長した部分」と「次の課題」を示してください。結果よりも過程をしっかりと評価することが大事です。
Q:生徒指導について、生徒同士で評価させてもよいのでしょうか?
A:先生だけではなく、生徒同士で評価させると、互いの良い点悪い点に気づきがあります。ただし、生徒の相性は考える必要があります。