こんにちは。最近空想経済学的な文章を書いている者です。
前回の怪しさに比べて今回は多分想像がつきやすい内容となっていると思います。
いわゆるトークンエコノミーという奴です。
例のごとく「マイクリ」「ALIS」「Gaudiy」が参考になっています。
簡単な問いから始めましょう。お金とは何を指すのか。
答えは「国の借金」です。(正確には「日本銀行の」ですが)つまり「借り」です。僕らは国に対して貸しを作ってお金を受け取り、お金を使って貸しを返してもらっています。
国と貸し借りを直接的に行っている方はほとんどいないのでそうは見えないわけですが。
当然貸し借りというのは個人間でも行われます。
A「今日は送ってもらって悪いねぇ」
B「これくらい別にいいよ」
A「ガソリン代出すよ」
B「いいって」
A「じゃあ借り1つってことにしておくよ」
こんな感じのやり取りがあった場合、お金のやり取りは発生していないのですが、
BがAに「送迎」というサービスを提供し、Aから「貸し」という対価を受け取ったという経済活動だと、とらえることもできます。
Aは後でBにご飯をおごったり、何かしらの方法で「貸し」を返してくれるかもしれませんし、そのまま何もしてくれないかもしれません。
口約束なのでどうなるかわかりませんよね。Bも必ず貸しを返してくれることを期待していないのかもしれません。
でもAがいろんな人から「貸し」を作って何も返さないとしたら、だんだん評判を落としていくかもしれません。もう送ってくれる人もいなくなるかも。
つまりこれは「人としての信用を売買」していることに他なりません。
つまり個人の信用を原資にすれば、だれでもお金を作ることができると考えました。
・参加者全員が自分のコイン(僕の場合「zapコイン」以降単にコインと明記)を10,000枚所有しています。
・コインは自由に他の参加者に譲渡や販売ができますが、データはすべてサーバー上で管理しています。外部に持ち出すことはできません。
・このシステムには2つのマーケットがあります。
①入札式マーケット
自分の所有物や提供するサービスをセリに出す場所です。
各参加者はコインを使って入札ができます。
出品者は入札された内容を吟味し、一番良い条件だと思った人と取引ができます。
②自分マーケット
人に譲渡した(または入札式マーケットなどで使用した)自分のコインを自分が引き取るための場所です。ここで使用できるのは「出品者のコイン」だけです。定価販売形式になっています。
・所有しているコインは「自分のコイン」以外、毎日0.1%ずつ所有額が減っていきます。(1年で約70%になります)
減額されたコインは元の所有者のもとに戻されます。
また、その参加者のパラメタには「減額したコインの量」が表示されます。
各人は最初から10,000枚のコインを所有しています。何枚使用するのも自由です。
使用して消費したとしても、毎日0.01%ずつ自分の元に帰ってきます。
ただし、問題が1点あります。それは
「自分のコインを相手が対価として認めてくれるかわからない」
ということです。
入札式マーケットでは「一番高額のコインを提示した人」が商品を競り落とすわけではありません。「出品者が最も価値があると考えるコイン」を提示した人が商品を競り落とすことができます。
コインの価値を高める方法は具体的にはありません。なぜなら価値は主観性が伴うからです。
だたし、価値をアピールする手段を用意しています。
それが「自分マーケット」と「減額したコインの量というパラメタ」です。
「自分マーケット」に魅力的な商品が並んでいれば、それはコインの価値を担保する材料となります。
また、「減額したコインの量」は不名誉なパラメタです。コインは無条件に自分の元に帰ってきますが、「貸しを返すことができなかった」という看板を背負いこむことになります。このパラメタが表示されても行動になにも制限を受けることはありませんが、「減額したコインの量」が多いコインを対価として受け取るのを躊躇する参加者は多いはずです。
このシステムの目的は「価値の創造」です。
法定通貨を排除した第二の経済圏で、普段ならお金に変換できないもの(取引が成立しないもの)に対して、スポットライトを浴びせることができるかもしれないという試みです。
法定通貨は圧倒的に強力な通貨であるがゆえにほとんどすべての人間が魅力を感じ、非常に価値が高いです。しかしそのために皆がこぞって高品質な商品を販売しているので、半端な商品では法定通貨に交換することはできません。「売り物にならない」ということですね。
では、弱小な通貨であれば、「半端な商品」でも獲得できるのではないでしょうか。
つまり「半端な商品」同士を交換することが可能になれば、我々はいまよりも豊かになれるのではないでしょうか。
法定通貨に換えられるならメルカリで売ってください。