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「ゼロからの『資本論』」に「SINIC理論」……よりも前に、欧米の知識人は知ってたって知ってた?

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  • 2023/03/02 00:19

タイトルを考えるのがめんどくさくて、毎回このパターンですけども。

今回は以下の記事を拝読したのがきっかけでした(ヤフーで知りましたが消えるかもしれないので)。

で、そこから以下の記事を知りました。

以上、いずれも経済評論家の森永卓郎氏の書評記事です。

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前者からは以下の引用を致します。

 生産性を上げるために、労働が定型化され、マニュアル化され、労働者の創意工夫の余地がどんどん削られていることが、一番の問題だと私自身も指摘してきたのだが、マルクスは、それもお見通しだったのだ。だから著者は、マルクスのユートピアを実現するためには労働の自律性を取り戻すべきだとし、そのカギを握るのがアソシエーションだという。

 私は驚いた。オムロンの創業者立石一真が1960年代末に発表したSINIC理論という未来予測では、2025年から世界は自律社会に構造転換し、それを支えるのは自立・連携・創造だとされていた。著者が理想とする経済社会が、2年後に訪れるとしていたのだ。

そこで「オムロンの創業者立石一真が1960年代末に発表したSINIC理論」より、後者の記事を拝読したわけですが、そちらからは以下の引用を致します。

 理論は、いまから50年以上前に、1974年からの情報化社会を予測し、2005年からは最適化社会に大転換することを見通した。すべてのモノやヒトがインターネットにつながることで社会が激変すると同時に地球環境問題や格差拡大によって、新たな制約が課される時代の到来だ。

 そして、本書の最大の注目点は、わずか3年後に現在の最適化社会が自律社会へと、大転換すると見通している点だ。自律社会は、自立と連携と創造という三つの構成要素から成り立つ。

 一人ひとりが、精神的にも、経済的にも、自立する。そのことが、自由な人生を送るための基本中の基本だからだ。

 ただ、人間は社会的な生き物だから、孤立していたら生きられない。だから一見、自立と矛盾する「連携」が必要になる。私はそれを地産地消と呼んでいる。グローバル資本主義へのアンチテーゼだ。

 そして、自律社会の最も重要な構成要素は、創造だ。今後、人工知能やロボットの発達で、定型的な仕事は、全部人工知能とロボットがやるようになる。そのとき人間の仕事は、創造的な仕事しかなくなる。私はそれを「一億総アーティスト化」と呼んでいる。すべての人が、クリエイティブな仕事をしながら、自由に生きていく。そんな時代が目の前にきている。

引用は以上です。

それにしても、オムロンの創業者である故・立石一真氏はすごいお方ですね。

立石氏が発表したSINIC理論は1960年代末のものであり、この私ですら生まれていないほどの昔の話です。

しかし、欧米の上の方々はこのようなことをもっと早くに知っていたでしょう。

欧米の上の方々と一応書きましたが、実はそれ以外の国々でも同様であります。

その「それ以外の国々」とは、かつて欧米の植民地であった国々を指します。

かつて欧米の植民地であった国々の上の方々は、欧米の価値観及び教育の影響を受けているからですね。

(例えばミャンマーのアウンサンスーチー氏はイギリスに留学していましたし、インドの上流階級の家庭内の会話は全部英語です)

話を戻しますが、何でこのことを知っていたのかと言えば、哲学者アリストテレスが理想とした社会がそのようなものだったからです。

このことは電子書籍『ゲームやアニメ、漫画でこれからの生き方を学ぶ』のあとがきでも書いていましたので、以下に引用致します。

古代ギリシャの哲学者アリストテレスは当時の奴隷制度を肯定していました。

この時代の奴隷とは前章の「非自由民」であり、縄や鎖などで肉体的に束縛されているわけではないものの、労働というものに束縛されて不自由な状態にある民を指します。

そしてこのアリストテレスが理想としていたのが、奴隷制度のある君主制でした。

君主制はさておき、何故、奴隷制度が必要なのでしょうか?

その理由は「自由民が思索や探求により集中するために、身の回りの世話などの必要な労働を奴隷(非自由民)にやらせるべきだ」というものです。

ではここで、この時代の「身の回りの世話などの必要な労働」を現代に置き換えると、どうなりますでしょうか?

「生活に必要な物やサービスを供給するための労働」になるかと思います。

さらにここで、この「奴隷(非自由民)」を「AIとロボット」に置き換えると、どうでしょうか?

まさしく、いずれ到来するであろう未来に他ならないのではないでしょうか。

引用は以上です。

元々の古代ギリシャでは、学問は自由民向けのものと非自由民(奴隷)向けのものにわかれており、自由民向けの学問は生活のためにお金を稼ぐという目的とは無縁の「自由民がより自由になるための学問」でした(お金を稼ぐ目的のための学問は非自由民向け)。

これを現在の話で言いますと、お金を稼ぐ目的からは遠い教養系の学問=人文科学系の学問に相当します。

それ故に日本ではここら辺の学問は「お金にならない」「役に立たない」と言われて冷遇されてきましたし、その中でも最も役立たず扱いされていたのは哲学でしたけれども。

今やGAFAMと呼ばれるアメリカの超巨大なIT企業でも、優秀な哲学者をわざわざ雇っているという時代となりました。

言い換えると、これまでは「お金にならない」「役に立たない」とされていた教養系の学問が、テクノロジーの進歩によって「生かせるようになった」とも言えますし、ある意味「必要になってきた」とも言えるでしょう。

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