UAT(受入テスト)の作成方法を考える

最近は本業のエンジニアにおいて業務の幅を広げ過ぎて自分が何屋さんなのか分からなくなってきている1000akiです。

今回はALISで初めて本業のITエンジニアのお話をしようかと思います。

タイトルの通り受入テスト(UAT)の作成方法なのでエンジニアではない人にも参考にしてもらえるかと思います。

というのも、昨今あれもこれもシステム化されているご時世ですので、IT企業に限らずシステム導入は今後もなくなることはありません。情シスが無い企業に所属している人であればいつ担当者に抜擢されるか分からない。

僕は導入する側であって、受入れる側ではないのですが機能を段階的にリリースしたりする案件などでは「UAT作ってみたんですけど検証可能な項目と不可な項目を確認して欲しい」など依頼されることがあります。

地味に工数取られるので契約内容に含まれていないなら追加金発生しても良い話なんですが営業がポンコツだと安請け合いしてきちゃうという…

愚痴はさておき、作成されたUATを確認をしてみると、おいおいおい…というものから、コレ他社に流用させてもらいたいなぁ…と様々なのです。

ということで、前者のおいおいにならないように何をどうすれば良いのか頭の片隅にでも残してもらえればと思います。

■そもそもUATって？

既に「受入テスト」と言ってしまっているのですが、そのままの意味です。

システムを導入するにあたって、納品時に想定している通りの動作をするのかなどを確認する作業です。ようは動作検証です。

検証するにしても思い付いたまま操作するのではなく、計画立てて実施するのが一般的なのでそれを前提に説明していきますね。

■作成者は導入打合せに参加していた人であること

まず無いと思いますが、導入前のベンダーとの打合せに参加していない人は作っちゃダメです。導入するシステムの概要だけを知っているだけでは作ることができません。

概要のみの理解から出る「こうだったら良いな」という願望では検証できないです。

打合せの中で要件定義や仕様を確認していく中で結論として辿り着いたものが反映されているかを確認する必要があるのです。

でなければベンダーと受入側で好き勝手動いてボタンの掛け違いが解消できないです。

■目的をもって作成をしていくこと

UATの項目を依頼され、一番やる気が失せるのは作業項目の羅列だけのもの。

あれをやる、これをやるでも作業自体はできることでしょう。

ですが、動作をさせることができても何が正なのかが分からなければ検証にはならないです。言い方を変えると「想定されている返り値」が抜けているのです。

そういったところを押さえるためにも導入打合せに参加している人でなければ精度の高いものは作れないかと思います(きちんと内容が共有されていれば別ですが…)。

■順序立てて作成をする

これもよく見かけるんですけど、項番が意味を成していない状態の一覧。

(1)月次の集計作業が可能であること

(2)問題なく日次承認が可能であること

(3)日次入力が可能であること

ちょっと極端ですけど、一覧として上記の順に並んでいるものを用いて円滑な検証ができるかどうか。

答えは否。

(3)→(2)→(1)の順に並び変えなければ円滑な検証はできません。

(1)の月次の集計は(2)の日次承認が積み重なっていないと確認できないし、その日次承認も(3)の日次入力ができていなければ積み重ねることもできません。

確認したい動作を実行するための動作確認が項目の後ろに来ていてはとてもじゃないですが円滑に進めることができません。

UATの途中でベンダー側に仕様変更を依頼し、続きのUATを実施していたら別の仕様変更も必要となり、しかも先に依頼して対応したばかりの仕様を更に変更しなければ対応できないなど、手戻りや無駄な工数が発生する典型だと思います(構築前に詰められていないベンダー側にも問題はありますが…)。

納期が延びたり工数増加に伴う追加費用の発生などになるので気を付けたいところです。

現行の運用、導入後の運用を理解していないと作るのに苦労をするかと思います。

■精度の高いものを作るには？

要件定義、仕様確認など打合せの段取りにもよりますが、数回を重ねる打合せごとにこれまでの内容を反映させたものを提示して確認をしていくのが良いと思います。

打合せと並行してUATを作成していきたいから順序立てて打合せのスケジュールを組んでくれ！と依頼してしまうのもありです。

1回目の打合せ内容をもとに雛形作成、2回目の内容を追記、3回目の内容を追記…

打合せごとにベンダーと確認することでこれまでの打合せ内容に齟齬がないことも確認できますし、提示された側もどんな運用を想定しているのかクリアになってくるのでオススメです。

■おわりに

これまで触れなかった本業のエンジニアにまつわる話をこのタイミングで書いているのは、まさに今、現在進行形でクライアントから受けたUATの内容で火だるまになっているという…

4月から働き方改革による法改正で、残業時間の取り締まりが厳しくなるので(80時間で産業医面談、2ヵ月連続はアウト、100時間超えは刑事罰則などなど)皆が幸せになれるよう投げやりな仕事、行き当たりばったりの出たとこ勝負みたいな仕事はやめましょう。